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「三国志演義」を翻案した少年マンガの1980年代までの変遷(2014年6月28日)
上記関連記事と同じく2年前と同じく、Twitter内で「"マンガ学会"」と検索している…その間にTwitterのシステムが徐々に変わって積算すれば結構、かわっているだろうけどね、少なくとも検索は。
・Twitter / 検索 - "マンガ学会"
https://twitter.com/search?f=tweets&vertical=default&q=%22%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%AC%E5%AD%A6%E4%BC%9A%22&src=typd
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三国志 義兄弟の宴(東京都港区 2015年9月13日-)
上記関連記事にある第12回 三国志 義兄弟の宴に参加すべく中野駅近くのスターバックスで待機していた。
・中野通り店 | スターバックス コーヒー ジャパン
http://www.starbucks.co.jp/store/search/detail.php?id=229
それで冒頭の通り検索してみると、日本マンガ学会第16回大会のプログラムが発表されていることを知る。
・日本マンガ学会
http://www.jsscc.net/
・日本マンガ学会第16回大会 プログラム - 日本マンガ学会
http://www.jsscc.net/convention/16_program
それでどこが三国に関係するかというと、2016年6月25日土曜日13時35分から14時5分まで(※時刻はPDFのフライヤーより)に東京工芸大学中野キャンパス(最寄:中野坂上駅) 1号巻2階1203教室・会場3にて清岡美津夫「1980年代日本における「三国志演義」翻案作品のファン層形成:『コミックトム』読者欄を介した質的研究」の口頭発表があるという。
・東京工芸大学
http://www.t-kougei.ac.jp/index.html
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打猫-猫狩り-(2019年1月19日)
下記関連記事に前々回会場2室、前回会場3室13報(内ラウンドテーブル1報)で、今回が4室で口頭発表22報(内ラウンドテーブル2報)になって、ポスター発表数が前回4報から2報に減ったといえども、あからさまに規模が大きくなっておりさすがは東京大会ってところだろうか。ちなみに日本マンガ学会大会は年一回で、地方と中央とを交互に開催し、さらに中央は東京と京都の交互で開催されるため、東京での大会は下記関連記事にあるように4年ぶりとなる。いつものように二日目の日曜日(2016年6月26日)にシンポジウムがあって、参加費は一般2000円/日、会員1000円/日、学生初日500円・2日目1000円となる。
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ノート:日本における三国志マンガの翻案過程(2012年6月23日)
ちなみにこの大会は2日間あって、25日土曜日初日が研究報告中心となり、26日日曜日2日目がシンポジウム中心(ポスター発表含む)となる。そして26日日曜日は大阪で三国志研究会(全国版)があり、三国的には日程が一応かぶってない。
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三国志研究会(全国版) (2016年6月26日より毎月第三日曜日)
…と他人事のように書いているが、清岡が発表する。
上記のように書いたまま、あとで書き足そうとして「<編集中>」にしておいたのだけど、気付いたら、今日6月2日に発表要旨集が来ていた。だけど、それを読む前という体で続きを書いていきたい。
それで清岡は当日、発表するため、発表に集中するため、その前後の時間は同会場に釘づけになるだろうし、時間がズレることを想定すれば下手に動けない。そのため、下記関連記事で触れた前回大会のように目一杯、なるべく聴きたい研究報告を回ることができず、おそらくずっと自分の発表のある会場3に居て、全部終わると他会場のラウンドテーブルに向かう流れになるだろうね。
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メモ:2015年、2つの研究テーマ
こういう時は、聴きたい研究報告がたくさんでてくるジンクスがあるのか、今回もそういう意味では外れていない。もし発表がないとすればタイトルだけで判断するに何を聴くだろう参考までに挙げていこう(※自分の発表と同会場は聴く前提なので、ここでは紹介はしない)。
まず13時からは会場1の山中千恵「「日本マンガ受容」のサブカルチャー化をめぐって:韓国におけるマンガ受容と炎上の事例を手掛かりに」。山田奨治/編『コモンズと文化 ─文化は誰のものか─』(東京堂出版2010年3月28日発行)に発表者の論文があって、日本から韓国へのマンガ受容について興味深く、当時の自分の研究で大いに参考になった記憶があり、今回、タイトルに「炎上」とあるしファン側に焦点を絞ってあるのだろう…と時間的に国を超えた受容という軸に、拙報とハシゴできて、続けて見られる方は羨ましい(いや、もちろん拙報の出来を棚上げしてるが・笑)
・コモンズの書籍 (※個人サイトの2013年3月23日の雑記)
http://cte.main.jp/sunshi/2013/0301.html#23
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メモ:錯誤と漢籍(『漢籍はおもしろい』所収)
13時35分からのは会場4のカーロヴィチュ・ダルマ「少女マンガ史の空白:『週刊マーガレット』に見られる60年代の少女マンガの革新性」が気になる。少女マンガの特長が浮き彫りになっているんじゃないかと
・ 夢の対決 (※個人サイトの2014年4月19日の雑記)
http://cte.main.jp/sunshi/2014/0401.html#19
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メモ:歴史漫画における少年漫画と少女漫画との違い
次が14時10分から分。会場1の横田吉昭「カートゥーンにおける風刺の不在の事例と主体の所在:トルコにおける体制と文化編成の変化とカートゥーンの連関を主に日本の場合と比較しながら」と、会場4の森下達「戦後マンガと「孤児」のプロット:初期手塚作品と雑誌『少年倶樂部』の分析から」。
前者の発表者はプロのカートゥニストでトルコについての人類学者で、『マンガ研究』に二度の論文掲載あり。後者は初期の手塚作品を研究対象に毎回興味深い切り口を見せており、『マンガ研究』にそのうち一つの論文掲載あり。いや、下記関連記事にあるように、前者は日本マンガ学会カトゥーン部会2014年度第2回研究会で、後者は日本マンガ学会第13回大会から面識があったってのも大きいかも。結局は、過去二回聴いていて、前回あれこれ回ってその差がはっきりした後者に足を運ぶのだろうけど。今回も手塚作品だし……と自分の発表がなかったらという前提で、架空。
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横山光輝三国志(1991年10月18日-1992年9月25日)
ノート:横山光輝『三国志』に見られる連環画の再構築(2013年7月6日)
14時45分からの分は迷うけど、会場2の小林貴徳・嘉幡茂「メキシコにおける歴史教育の現状と課題:-郷土史と文化遺産を伝える学習マンガ創出の試み-」かな。歴史マンガの本質にふれうるテーマだし。それに二日目のシンポジウムのテーマにもあっているし。
15時20分からの分も迷うが会場1のエリザ・クリスティン・メガサリ「「ヌサンタレンジャー」:インドネシアのアイデンティティの表象:インドネシアのハイブリド・のウェブコミック」かな? 下記リンク先にあるように、インドネシアのコミック事情は気になる。
・囲む会 (※個人サイトの雑記)
http://cte.main.jp/sunshi/2012/0201.html#29
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中国王朝四〇〇〇年史(2012年10月)
それで15時55分からがラウンドテーブルで、会場1と会場2の2択。「戦後日本 少年少女雑誌データベース」のお世話になったから会場2の「「メディア芸術データベース(開発版)」の制作経緯と活用についての報告」かな? それを言ったら、三輪健太朗さんが発表者の一人である会場1の「「明治ポンチ本」の立ち位置と意義:「漫画」概念および表現方法の歴史的変遷」も気になるが。これは見に行ける分なんで、発表要旨集を読んで熟考かな。
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三國志研究第十号(2015年9月5日)
三國志物語(1940)、少年三国志(1955)、羽石光志/絵
それで話を会場3に戻し、前述のページから下記へプログラムを引用する。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
口頭発表(3) 会場3:1号館2階 1203教室
- 河名サリ[米国マサチューセッツ大学ボストン校]
古典文学とマンガ:さいとうちほの「とりかえ・ばや」と現代の異本創造について - 清岡美津夫[NPO三国志フォーラム]
1980年代日本における「三国志演義」翻案作品のファン層形成:『コミックトム』読者欄を介した質的研究 - ブランシュ・ドゥラボード[フランス国立東洋言語研究所]
オノマトペの翻訳不可能性について:マンガのフランス語訳を例として - 大塚 萌[千葉大学人文社会科学研究科]
日本マンガの翻訳におけるイラスト・テクスト解釈:ドイツ語翻訳版における可読性と誤訳 - 焦 陽[中国伝媒大学日本語科]
マンガの海外流通における翻訳の役割:中国語に翻訳されたマンガを例として
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
これをざっと見ると、「翻案」ってことで翻訳会場に放り込まれたのかとおもったら、初めの発表を見るとそうでもなさそうだ。タイトルだけ見ると一見、バラバラのように思えたのだが、一通り要旨を見ると、どれもマンガ受容がテーマで、比重的には前2つが翻案で、後者3つが翻訳中心になっている。そして時間を越えた受容から時間・空間を経て(つまり拙報だ!)、空間を越えた受容がテーマとなる、練られたものとなる。しかし、空間を越えた受容だけにこだわれば、他の会場でも見られるし、海外ネタも多く、今回の大会は総じて国際色豊かに見えてしまう。いや、それを言ったら、会場3は発表者や発表者の所属が国際色豊かで、そういう意味では飛びぬけてそうだ。
「古典文学とマンガ:さいとうちほの「とりかえ・ばや」と現代の異本創造について」は翻案作品を異本として捉えなおすものの、原作の行間に加える創造的なものと解釈したのが興味深い。「オノマトペの翻訳不可能性について」は翻訳により意味伝達の一部損失だけでなく、読みのリズムが乱されるなど、マンガの特性も一部損なう場合もあると、その分析に興味を持った。「日本マンガの翻訳におけるイラスト・テクスト解釈」について、この方はここ数回同研究対象で発表されており、常連さんのイメージがあり(そういえば2回前も同会場)、誤訳、意訳、意味のズレに着目し、それを改善するという視点ではなく、むしろそのメカニズムに着目している気がする。「マンガの海外流通における翻訳の役割」は、日本文化の伝達という切り口が興味深く、やはり知的財産を侵害することを論じるのは避けて通れないのだな、と。
※関連記事
三国恋戦記~オトメの兵法!~(2011年11月15日-)
それで自分の研究の方だけど、そもそも考えが固まりつつあったのは、2015年3月に『三国志研究』用に「横山光輝はなぜ官渡の戦いを描かなかったのか」を書いていた時だ。
※関連記事
三國志研究第十号(2015年9月5日)
上記関連記事では具体的には書いておらず、下記関連記事では記事タイトルどおり、2つに絞れていた。まぁ、その時も上記関連記事の論文校正で忙しかったのだけど。
※関連記事
メモ:2015年、2つの研究テーマ
『日本まんが』第弐巻で三国ネタ
それで下記関連記事で書いたように、2015年8月下旬にはすでに研究テーマが一つに絞れていて、試行を重ねていた。
※関連記事
『コミックトム』をM-GTA 1st step(2015年8月下旬)
上記関連記事のときもそうだし、下記関連記事の2016年1月9日のときもそうだけど、テーマが決まれば研究材を国立国会図書館に通いコピーをとることを続けていた。
※関連記事
お便り紹介コーナー 三国志のページ(1980年4月-1995年3月)
それより分析の初歩になるコーディング作業に時間がかかりすぎて、発表要旨原稿を提出した後の、下記関連記事の2016年4月2日になってもその最中だったし、何よりこれを書いている今(6月4日)も終わっていない。まぁ、それをやり続けることにより分析の切り口のアイディアが生まれてくるのだから欠かせないのだけど。
※関連記事
メモ:飯田市川本喜八郎人形美術館(2016年4月2日訪問)
ちなみに上記関連記事で書いたように、日本マンガ学会第16回大会の2日目と大阪での三国志研究会(全国版)の日程がかぶり、後者には参加しないつもりだったが、前者の参加費と前者を参加し続けた場合の交通費との関係で、下記関連記事で追記したように後者を参加することに決める。
※関連記事
三国志研究会(全国版) (2016年6月26日より毎月第三日曜日)
まぁ、なんにせよ、過去2回、日本マンガ学会大会で研究報告をしているが、両方とも自分の発表に力を入れすぎて、他の発表をあまり聴けず終いだった印象が残り、それには陥らない様に気をつけたい。
※追記
学習まんが 日本の歴史 1巻 日本のあけぼの(2016年10月28日)
※追記
シブサワ・コウ35周年記念キャンペーン情報第1弾公開(2016年10月28日)
※新規関連記事
メモ:人形衣裳をつくる―三国志・平家物語―(2016年10月8日)
※新規関連記事
中央本線新宿以西4駅と山手線北側の思い出巡り(2017年2月11日)
※新規関連記事
日本の「三国志演義」翻案作品における作画資料としての「三国演義連環画」(2017年6月24日)
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メモ:横山光輝 三国志 扇情的表現
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メモ:「三国志演義」翻案マンガにおける「明光甲」考(2019年6月22日)
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