『火間虫入道』の記事(2007/04/07 (土)、下記)でタイトル通り、江森備『私説三国志 天の華・地の風』復刊を知る。スルーしようと思ったんだけど(笑)、同じく『火間虫入道』の記事(2007/04/11 (水)、下記)で期待されてしまったんで(笑)、記事にしておく。といっても前もって断っておくけど、私は『私説三国志 天の華・地の風』は読んだことなく(+読もうとは思わず)噂でしか聞いたことがないのでメモ程度になると思う。その前に復刊情報から。
・復刊ドットコム
http://www.fukkan.com/
・私説三国志 天の華・地の風 復刊リクエスト投票
http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=14833
配送時期は6月中旬。発売はブッキングから。つまり復刊を得意とするところからの発売ってこと。
・BOOK-ING
http://www.book-ing.co.jp/
元は光風社から全9巻で発行されていたのを全10巻で発売とのこと。10巻は光風社版9巻の一部と光風社版未収録の外伝2本とのこと。題して『完全版 私説三国志 天の華・地の風』。
サイト『火間虫入道』
http://hima.que.ne.jp/
・『火間虫入道』の記事(2007/04/07 (土))
http://hima.que.ne.jp/logcp/log200704a.shtml#20070407
・『火間虫入道』の記事(2007/04/11 (水))
http://hima.que.ne.jp/logcp/log200704a.shtml#20070411
それで話戻して上記の『火間虫入道』の記事(2007/04/07 (土))に書いてあることが正解で、『私説三国志 天の華・地の風』では女性化なんて一人もされておらず、「周瑜×孔明」もあってるし、順番も間違っていない。
読んだ人の話によると「初めのアレさえ堪えられたら面白いよ」とのこと。なんだそりゃ。とりあえず私がこの作品のことを知った原点に戻ることに。あれは確かサイト「東呉華亭」の参加型コンテンツだ。
・2006年8月20日「東呉華亭」再OPEN予定
http://cte.main.jp/newsch/article.php/394
と思ったら、まだ再OPEN予定中のようだ(2007年4月12日現在)。でも下位のcgiは生きているようで「三国志書評DX(天の華・地の風編)」とコーナー名で検索すると読むことができる。
※以下、【】内は「三国志書評DX(天の華・地の風編)」からの引用
そうそうアレ以外の部分に目を向けると【荊州組・益州組の闘争】が描かれていたり【政治的な話、戦の話、陰謀の話な面】が描かれていたり【心理描写】が優れていたりするらしいんだよね。
と、いつまでもアレ呼ばわりだとジャンルの人にお叱りを受けそうなので、書いておくけど、主に女性読者を対象とした、男性同性愛を主軸に据えた作品のジャンルのこと。「やおい」と呼ばれる。似たようなのにボーイズラブ(略称、BL)というのがあるが、ジャンルの人に言わせると別物とのこと。素人目に違いがわからないんでこの記事中でも混同している可能性がある(人によっても定義が違うしね)。さらに、ぼかした言い方として「女性向け」という言い方もある(読者対象を由来として)。個人的にはやおいやボーイズラブを好きじゃない女性に対して失礼じゃないのかと思うんだけど、結構、市民権を得ている。嫌悪感を持つ人が多いんで、知らない人にはなるべく知らせず、知っている人に対しても棲み分けしようという配慮から来ていることだとは思うんだけど。身近な例だと検索サイト「三国志サーチ」では「女性向け」という呼び名を使っている。
・三国志サーチ
http://search.sangokushi-forum.com/
・その他/女性向け
http://search.sangokushi-forum.com/search.cgi?ac=ct&ckw=etc_female
話を戻し、「やおい」ジャンルの草分け的雑誌が(さっきInternet Archiveで調べたんだけど)隔月刊の「コミックジュン」1号(1978年10月号)で、その後、「ジュネ」3号(1979年2月号)と改題され、さらに「ジュネ」が発刊されない月を埋めるように隔月刊の「小説ジュネ」1号(1982年10月)が創刊された。「ジュネ」がコミック中心で「小説ジュネ」が小説中心の雑誌。
『私説三国志 天の華・地の風』は「小説ジュネ」13号(1985年6月号)に『わが天空の龍は淵にひそみて(前編)』というタイトルで掲載されたのが始まり。小林智美さんがすでに挿し絵を描いておられるようだね。余談になるけど、『私説三国志 天の華・地の風』の表紙絵が小林智美さんの絵が綺麗ですごく目を引くもんだから、いつも古本屋で見かけるたびに、何も知らないオジ様が「お、三国志か、面白そうだな」とか言って間違えて買って読む悲劇が起こらないかと心配しているんだけど(笑) 今回の復刊では小林智美さんの挿し絵がつくんだろうか?
・小林智美公式サイト 花の歌
http://www.kobayashi-tomomi.com/
以後、「小説ジュネ」に三国志ものの作品が掲載され続けている。創刊から月日が経っていてジャンル自体確立しつつあるようなので、『私説三国志 天の華・地の風』は三国志をパロディーしたんじゃなくて、【元々がジュネパロディ】というニュアンスも想像に難くない。
また「小説ジュネ」23号(1987年2月号、1986年12月25日発売)から漫画の『STOP劉備くん!』が掲載されている。そのためか『STOP劉備くん!』の初期は結構、『私説三国志 天の華・地の風』ネタが入っていたりする。
・2005年11月22日「STOP劉備くん!」発行
http://cte.main.jp/newsch/article.php/229
・2007年1月23日 劉備くん!リターンズ!
http://cte.main.jp/newsch/article.php/489
※追記
STOP!劉備くん! ひとまずの最終回 (2011年3月24日)
<4月14日追記>
京都国際マンガミュージアムの二階のギャラリー2の1コーナーで今、「創刊号でつづる戦後ストーリーマンガの歴史」に関する展示が行われていて、その中で、「コミックジュン」1号がガラスケース内に展示されていた(他の雑誌は手にとって読めるのが多い)。表紙には「Jun」と銘打たれていて、これが3号で「June」(ジュネ)になんだね。
・京都国際マンガミュージアム
http://www.kyotomm.com/
その展示の説明ではジャンル名を「June系」とし、後に「やおい」や「ボーイズラブ」の源流になったと解説があった。なるほど。
あと「100人の舞妓」という企画展をやっていて、いろんな漫画家さんにそれぞれ舞妓(まいこ)を描いてもらってそれをあいうえお順に廊下に展示されてあった。その中で『STOP劉備くん!』の白井恵理子先生が描いた舞妓もご本人の顔写真(他の漫画家は自画像の場合もある)が添えられ展示されてあった。
<追記終了>
※追記
三国志学会(西)勝手にスピンオフ図書館見学ツアー(2012年9月9日)
話が飛ぶんだけど、京都の御薗橋(みそのはし)商店街の長さがちょうど800メートルあって、さらに「明日への一歩」を足して、その商店街の愛称を「御薗橋801(はちまるいち)商店街」としたとのこと。そんな名前にしていたら、反響が大きくその勢いで悩みながらも、やおいちゃんをマスコットキャラクターにしたらしい。度量が広いなぁ。
・キャラっと@HAPPY
http://www.kyoto-np.co.jp/info/chara/
・801ちゃん(御薗橋801商店街)
http://www.kyoto-np.co.jp/info/chara/070129.html
・御薗橋801商店街(公式)
http://www.kics.gr.jp/kita/801office/
しかし、『私説三国志 天の華・地の風』を初めとする三国志ジャンル内やおいジャンル、あるいは、やおいジャンル内三国志ジャンルを好むファン層は隠れも含め結構、大きな層を占めているし(上記、検索サイト参照)、反対に嫌悪感を表明する層も大きいだけに、これについてうっかりコメントするとどちらかの層からも角が立ってしまうというジレンマがある。まぁ、どちらの層も多分、お互いに棲み分けしていこうという人が大多数と思うんだけど、どうだろ。とりあえずこれ以上のコメントは以上のような理由で控えておく、すみません。
・史実歴史ジャンルにおける女性向け否定傾向について
http://www.geocities.jp/niwa1535/rekisi801.html
・衆道禁止!
http://kakutei.cside.com/kakutei.site/syosai/syudou.htm
※追記
メモ:歴史漫画における少年漫画と少女漫画との違い