※前記事
リンク:張家山漢簡「史律」に見える任用規定について
※関連記事
三国志 Three Kingdoms 群雄割拠(BSフジ2011年1月10日-)
上記関連記事で触れたように『三国志 Three Kingdoms』前篇 DVD-BOXに完全収録『絵本通俗三国志』挿絵集が同梱されると聞いて、一瞬、「何を今さら」と思ってしまったわけだけど、それにはちゃんと解説文がついているようでファンの趣向の幅を広げるという意味では意義があるのかもしれない。
※参照記事
2006年7月29日「三国志シンポジウム」雑感2
だけど、三国マンガ等、視覚的要素を含む現代日本の三国作品において、ちゃんと根拠を示せるわけじゃないけど、この日本の『絵本通俗三国志』よりも中国の連環画の影響が大きいように思える。
※参照記事
赤兎馬Presents「三国志の宴3」第1部レポ
ここ一年ぐらい、マンガ関連の学会大会やシンポジウムに一般聴講して再認識したんだが、マンガに先立つ一つの表現形式として連環画がある。そのため、日本の三国マンガにどれ程、連環画が影響を与えたか興味を持っていた。なかなか視覚的要素を定量的に扱う案が思い浮かばず、定性的に扱うとなると主観を交えない自信がないため、研究するのに躊躇しているのだが。
※関連記事
私的メモ2:三国漫画分析
そこで何か参考になるものはないか、今、CiNiiで「連環画」と軽く検索を掛けるといくつか論文が出てきて、それらの中のいくつかは読めるものもあって、今回、リンクするのが下記の論文。
高橋 愛「中国の連環画の変遷とその描写技法」(『美術教育学 : 美術科教育学会誌』27号 (20060331) pp.219-231 美術科教育学会 )
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004702829
年始当たりの読む楽しみにしようと思うので、まだちゃんと読んでないが、ある程度、先行研究に触れられているし、『三国演義』関連にも触れられているし、入口にはちょうど良いような気がした。
何よりP.4の「3. 連環画」に「(1)漢代,魏晋時代」とあるように連環画の原型を漢代の畫像磚石に見ているところが自分にはなかなか出来ない発想だと思った。
※関連記事
石刻拓本資料(京都大学人文科学研究所所蔵)
リンク:「漢代の扁書・壁書」
というのも、専門の方はそうでもないだろうが、普段から「
『三国志』には正史と演義の二種類ある」とか「
『三国志』にあらすじがある」とか誤った認識を持つ残念な方々を多々見かけるので、素人ながら自分には、無自覚的に東洋史と中国文学を分けて認識する習慣が身に付いてしまっているからだ。どうも柔軟な認識ができなくなってしまっている。
それとP.6に触れられている陳丹旭『連環圖畫三國志』(上海世界書局1927)が気になる。これが視覚的三国要素のハブ的作品になっている気がするので。※追記。論文によると『連環圖畫三國志』の出版で「この時,初めて「連環図画」という呼称が書物に載る」とのことで、以降、「図」が省略された形の「連環画」という呼称が広まったと言われるそうな。
※次記事
メモ:鎧 and リンク:東アジアにおける武器・武具の比較研究
※追記
第35回 秋の古本まつり(京都古書研究会2011年10月29日-11月3日)
※追記
ノート:連環画は中国特有の『マンガ』なのか?その絵本としての可能性を探って(2012年2月15日)
※追記
リンク:臺灣流行閲讀的上海連環圖畫(1945-1949) (2009年6月)
※追記
クイズマジックアカデミー賢者の扉 三国志検定(2012年4月24日-5月20日)
※追記
メモ:漫画学のススメ(2000年1月20日)
※追記
三国演義連環画と横山三国志
※追記
メモ:三国志フェス2011 終了まで(2011年9月10日)
※追記
ノート:「連環画」の転変(『月刊しにか』2000年10月)
※追記
東京便り―中国図書情報 第25回(2016年1月)
※新規関連記事
連環図画 三国志(1927年初版 2002年6月印刷物)
※新規関連記事
第18回アジアMANGAサミット北九州大会 カンファレンス(福岡県北九州市2019年12月1日)
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