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メモ:人中の呂布と錦の馬超(2024年10月)


研究 ※前の記事 

 2024年11月23日土曜日、下記関連記事で触れた駒場祭の東大三国志研究会の展示で論文のことを知り、

※関連記事 メモ:三国志とパブリックイメージ(2024年11月22日-24日第75回駒場祭 東大三国志研究会)

 次の週、下記関連記事にあるように11月30日土曜日に国会図書館で件の論文を閲覧申請をし複写申請した。

※関連記事 蘇州版画(2024年10月)

 それは上記関連記事で触れたけど、勉誠社 2024年10月に発売された『蘇州版画 東アジア印刷芸術の革新と東西交流』(アジア遊学295 ISBN978-4-585-32541-3)。そのpp.152-177に上原究一「人中の呂布と錦の馬超―『三国志演義』のイケメン枠」という論文があり、勝手に「イケメン論文」って呼んでいるわけなんだ消そ、今回それが本題。上原先生の紹介で『ユリイカ』2019年6月号掲載分が筆頭。下記関連記事(1番目)で触れた、この書籍出版の元となった2023年企画展「蘇州版画の光芒」、そこで開催されたシンポジウムに上原先生のお名前がないので、おそらくタイトルから考えて、下記関連記事(2番目)の夏期講座の同氏の講演「『三国志演義』のイケメンは誰だ?―明末清初諸版本の本文と挿画から―」からだろうね。

・株式会社勉誠社 --HOME
https://bensei.jp/

・蘇州版画 [978-4-585-32541-3] - 3,520円 :
https://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&products_id=103757

※関連記事
 蘇州版画の光芒(広島県廿日市市2023年3月11日-5月6日、6月3日-8月13日)
 『三国志演義』のイケメンは誰だ?(兵庫県西宮市2023年9月2日)

 複写したことで満足してしまってなかなか読まないもんだから、2週間後の12月15日日曜日に論文紹介の動画を公開すると予告しといて、期限を設定した。それが下記動画…とこの文を書いている時点では収録してないが。ついで埋め込んでおこう。「三国志ニュース定期便 イケメン論文をオレは読む!【論文紹介】 2024年12日15日」。なぜか冒頭のタイトルコールが切れてるけど、「イケメン論文」のところは大丈夫なので撮り直しせずそのままにしておこう。

・三国志ニュース定期便 イケメン論文をオレは読む!【論文紹介】 2024年12日15日
https://youtu.be/dSU64giEOIA

※関連記事 三国志ニュース定期便 山口県に昔あった三国志城での或日の思い出話(YouTube2024年12月7日19時)

※新規関連記事 三国志ニュース定期便とブログ記事で振り返る2024年(YouTube12月28日15時ライブ配信)



 ちなみに上記動画のサムネにもしたけど、論文表題の呂布と馬超は奇しくも神戸の駒ヶ林駅近くにあるアグロガーデン神戸駒ヶ林店(神戸市長田区南駒栄町1-7)というホームセンター敷地にある銅像呂布と石像馬超。ただし馬超に関しては今年限りということなのでその意味でも「奇しくも」。

※関連記事
 メモ:三国志巨大ジオラマ(2016年9月19日訪問)
 馬超(神戸駒ヶ林2024年5月14日-12月)

 話を戻しいつものように目次で以下にまとめてみよう。

152 はじめに
155 一、『三国志演義』成立史上の問題と諸版本
155 (1)本文系統と版本問題
157 (2)諸版本の挿図
158 ニ、人中の呂布
158 (1)イケメン大巨人
159 (2)華やかな伊達男
160 (3)髭ダンディから美少年へ
164 三、錦の馬超
164 (1)色白イケメン細マッチョ
166 (2)白装束と獅子頭の兜
167 (3)演劇の馬超像の『演義』への流入
169 (4)永遠の十七歳
169 (5)史実の馬超像
172 四、イケメン武将のルーツ
172 (1)「漢兒」なる呂布
173 (2)白と黒
174 (3)呂布の後釜としての馬超
175 おわりに
176 注

 以下、興味ある方は実際、読んでほしいのでかいつまむのだけど、やはり企画展「蘇州版画の光芒」関連なので冒頭その絵「三国志前」「三国志後」を引き合いにしている。そこで呂布と馬超の特別感を抽出し、p.155「中国の古典演劇では、隈取をしない白い顔でヒゲがない」二人として(つまり下記関連記事にある「小生」、こちらも奇しくもだね)実はイケメン枠にあると。

※関連記事 リンク:中国では美形悪役な側面もある呂布、そして呂布が中国で全面的に嫌われる理由等(note2024年11月29日)

 それを受けてすぐに本題にいかずにまずこの二人がどう中国の人々に受け入れられてたかということでの「一」「(1)」。『三国志演義』の版本(つまりバージョン違い)の説明。基本的なことだけど、最新の研究成果を取り入れつつ説明されている。いやここらへん注にもあがっている井口千雪『三国志演義』(汲古書院2016年3月)を読んでおけば、となるのだけど、まだ読んでない身としてはありがたい。

※関連記事 三國志演義成立史の研究(2016年3月7日)

 ここで説明されたうえで、版本の系統、(A)二十巻繁本系、(B)二十巻簡本系、(C)二十四巻系、(D)毛宗崗本系と4つ挙げてそれぞれにABCDの記号をつけ、後々の議論に使われる。(2)ではそれらにつけられた挿図の話。(A)(B)が上図下文形式で、(C)が一則(毛宗崗本の二分の一回相当)につきp.157「一頁全体または見開き全面を占める挿図」1枚だそうな。(D)は(C)の支流とみるの一般的だけど、細かい変更が多いので、別系統とする方が理解しやすいと。存在を確認されてないが、ABC三系統の源流となる本を想定でき、それは「原演義」と仮称され、(A)の現状、確認できるので最古のものが葉逢春本とのこと。
 「二」から本題呂布編。「(1)」ではまず本文を見て(D)毛宗崗本系以外は呂布はイケメンに、例えば葉逢春本六則では「眉目清秀」とされるそうで、そう考えると毛宗崗本の段階では呂布がイケメンなのは常識なので割愛されたと。また歴代の『三国志演義』では呂布を巨大に描いてきたこと、「(2)」で「天地を喰らう」、横山光輝「三国志」、「蒼天航路」の呂布が引き合いに出されてた。「(3)」で挿図を見ていき、いよいよ呂布のイケメン歴史。どうも『三国志演義』の挿図の世界ではヒゲがないことがイケメンの条件みたくなっていて、興味深い。そういう認識があった論拠が積まれてる。一部呂布にヒゲが描かれていたのが、周曰校乙本(1591年)を最後に以降、ヒゲなしに統一と。年齢を重ねた時期でもヒゲなし美少年に描かれていた、と。そういや呂布ヒゲなしといえば、まず下記の竹内真彦先生の研究報告「呂布には何故ひげがないか-三国志物語の図像と本文の関係について」だね。

※関連記事 三国志学会第一回大会ノート4

 「三」は本題馬超編。「(1)」で前節と同じく本文から見ていって、葉逢春本十九則では「面如琢玉、眼若流星」とあり顔が玉のようで目には流星があるというイケメン描写。同じく百十五則では「白袍銀鎧、白馬長鎗、生得面如傅粉、唇如塗珠」と白いコートに銀の鎧、白馬に長い槍で、白粉をぬったような顔で、唇は朱砂を縫ったようで、とイケメン描写。前者の「面如琢玉、眼若流星」に続くのは身体の動物喩えなんで、それらについて『爆笑三国志』や『三国志魂』で馬超がネタにされたのが引き合いに出される、共にネタ的なやつ。「(2)」から「(3)」で、馬超の、あの獅子がかぶりついたようなデザインの兜のルーツについて言及される。葉逢春本百二十九則に「獅蠻戦帶」という記述があるそうで。それと雑劇の衣装の本でも規定されているそうな。続いて馬超の武器の話になる。「(4)」で『三国志演義』歴代の挿図をみていって、やっぱりイケメンにヒゲなし話。そして「(5)」では次の節につながる混血の話へ。

※関連記事 1548年 三国演義の葉逢春本

 「四」に入り、呂布と馬超をつなげる話で、混血から入る。また「(2)」「(3)」でそのキーパーソンとなるのが張飛であると。『全相三国志平話』や雑劇では張飛は呂布と再戦するらしくp.174「呂布の並外れた強さは物語展開上で張飛の超えるべき壁として用意されたもの」とのこと。それを受け継ぐのが馬超ってこと。ただ明代の長編戯曲三部作『桃園記』『古城記』『草廬記』、特にそれが該当する3つ目の『草廬記』では張飛と馬超の接点がないそうで。また伝統的に黒色に描かれる張飛に対して、馬超は白く描かれると。そういやさっきXのTLにて先例にならって馬超が乗る馬に斑点をつけた、という旨をみかけたけど、白馬が注目点だったようだね、p.166の葉逢春本百十五則に「白袍銀鎧、白馬長鎗」って記述があるし。あと清岡が思い出すに現代の中国では張飛牛肉があるしね、外が黒くて中は赤いと。

※関連記事 中国神秘紀行(チャンネル銀河2011年4月16日23日)

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