
三国志関連のコミュニティで結構、見かける質問に三国志(俗に言う「正史」の方)の完訳本(日本語訳)を教えて?ってのがあるけど、そういうとき、私だったら筑摩書房から出ている二種類をあげてみる。いわゆるハードカバー版と文庫版の二種類。下のリンク先参照。
・「正史 三国志の翻訳について」(
サポ板内投稿)
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=285
上のリンク先には書いてないんだけど、実はハードカバー版は絶版になったとのこと。
・復刊リクエスト投票ページ(
復刊ドットコム内)
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=1942
まあハードカバー版がほぼそのまま文庫化されたんだし、値段も文庫版の方が安いので、ハードカバー版が売ってなくても問題ないようなに思えるが、個人的にはハードカバー版の方をおすすめする。というのも文庫版8冊に対し、ハードカバー版は3冊で、持ち運ぶには不便な大きさだけど、家で読む場合や何かを探すときには冊数が少ない方が使い勝手がよい。ちなみにハードカバー版の内訳は1冊目が魏書の大半で、2冊目が魏書と蜀書、3冊目まるまるが呉書となっているので、蜀書だけとか呉書だけとか調べたり読んだりするのには便利。呉書の巻末には年表やら官職表やら人名索引がついている(これは文庫版の方にもついているらしい)。
さらにごく個人的な感想をいえば、ハードカバー版には『正史 三国志』なんて誤解をまねくようなタイトルはついていないところも良い(
→参照記事「歴史と小説」)
そんなおりに見かけたのがこのハードカバー、つまり『世界古典文学全集24 三国志』(筑摩書房)の再販のニュース。といってもどうやら2005年のニュースらしい。下記のように於菟先生のブログ記事より。
・中国の文学と美学・人虎窟の世界
http://yellow.ap.teacup.com/kadowaki/
・「日本中国学会報・学界展望2005年「文学」(14)」
http://yellow.ap.teacup.com/kadowaki/428.html
※「(14)」は実際には丸に14が入った文字。機種依存性文字のためここでは書き換えている
ここではごく端的な部分を紹介したけど「日本中国学会報・学界展望2005年」の記事全体はとても興味深いので、下にリンクはっておく。各記事の数字に直リンクしている。
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) (再修正版)
話を戻して、実際に筑摩書房のサイトに行って「三国志」と検索するとハードカバー版のばら売りの在庫はないものもあったが三冊セット販売は在庫があった。
・筑摩書房
http://www.chikumashobo.co.jp/
ちょいとばら売りも含めデータをあげてみる。
○筑摩世界古典文学全集 三国志3冊セット
刊行年月日:1991年10月29日
定価:21,420円
ISBN:4-480-20399-0
○筑摩世界古典文学全集24A 三国志1
刊行年月日:1977年6月29日
定価:7,140円
ISBN:4-480-20324-9
今鷹真・井波律子訳/訳
○筑摩世界古典文学全集24B 三国志2
刊行年月日:1982年2月18日
定価:7,140円
ISBN:4-480-20352-4
今鷹真・小南一郎・井波律子/訳
○筑摩世界古典文学全集24C 三国志3
刊行年月日:1989年4月21日
定価:7,140円
ISBN:4-480-20354-0
小南一郎/訳
1冊目が1977年6月29日刊行で三冊目が1989年4月21日というのは驚き。それだけ全訳には労力と時間のかかるものなんだと思った。
私が買ったのはおそらく3冊セット。学研歴史群像シリーズでそういう訳本があることを知って悩みつつも購入した覚えがある。当時は確か1冊5000円代で3冊セットでも18000円以内で買えたような記憶があるんだけど、消費税の関係上、高くなっている? ちなみに文庫版全8冊セットだと12600円なので、値段的に言えば文庫版の方が購入しやすい。
※追記
第34回 秋の古本まつり(京都古書研究会)
※追記
蒙求 ビギナーズ・クラシックス中国の古典(2010年12月25日)
※追記
第30回 春の古書大即売会(京都古書研究会2012年5月1日-5日)
※追記
三国演義連環画と横山三国志
※追記
京都で哲舟さんを囲む会(2013年2月5日)
※追記
メモ:第35回 三国志街道の集い(2013年4月27日)
※追記
三国志(1953年6月30日)
※追記
お便り紹介コーナー 三国志のページ(1980年4月-1995年3月)
※追記
人形劇三国志 大百科(1993年4月1日)
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