※関連記事
企画展 生誕80周年記念 横山光輝(2014年10月1日-18日)
上記関連記事にあるように、豊島区主催で東京都豊島区池袋の東京芸術劇場5Fギャラリー2にて2014年10月1日水曜日から18日土曜日までの9時30分から17時30分(最終入場16時30分、最終日16時最終入場15時30分)までの時間で「企画展 生誕80周年記念 横山光輝 ~昭和から平成へ マンガの鉄人が駆け抜けた軌跡~」が開催される。上記関連記事で書いたように、清岡は行ける目処が立たないでいたし、無理して行ったとしても横山『三国志』の展示が満足できるほどあるか判らないし、といった状況だった。
・トップページ豊島区公式ホームページ
http://www.city.toshima.lg.jp/
・企画展 生誕80周年記念 横山光輝展│豊島区公式ホームページ
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そんな中の2014年10月4日土曜日。午後から一周片道乗車券(往復)を使って、東京に行く予定だった。来年3月の各地の第3セクター化の前に利用してやろうと、下記関連記事で触れた第八回三国志祭にも日程や有効期限を合わせた、大津駅発、東海、中央東、篠ノ井、信越、北陸、湖西、東海、山陽経由、姫路着の片道乗車券だ。
※関連記事
第八回三国志祭(2014年10月12日13日)
ところがその日、午前中の用事がなくなって、ぽっかり時間があき、これはもしかしてチャンスだと思い、とりあえず10時24分大津駅発の新快速にのり終点の野洲駅まで行き、10時44分発の普通列車に乗り換え、11時20分米原駅に到着する。その頃にはすっかり新幹線に乗り展覧会の開場時間に間に合わせる気満々でいた。青春18きっぷや秋の乗り放題パスといった企画券と違って、乗車券を新たに買う必要がなく特急券を買い足すだけで乗れるのがこの乗車券の特徴だ…と普通はそうなんだけどね、あまりにも企画券になれちゃったもので。
新幹線の改札前まで行き、訳あってチョコレート・コーティングされた一万円札が券売機に通らず。他の一万円札に換えても通らず。それに手こずっていたら11時24分の新幹線に乗れず。次が11時58分発と大きく空いたので、落ち着いて窓口で購入することになる。
さらに駅員の理解力が乏しくちょっと声に怒気を乗せてしまって説明致す。篠ノ井や北陸の文字を見て、新たに乗車券が必要と言われ、「いや、ここに「東海・中央東」とあるでしょ」と申し上げる、みたいなやりとりだった。特急券自由席4540円也
ホーム上の待合室で待っている間、下記の記事や、レキシズルスペースにて2013年12月14日開催の「三国志TERAKOYA4「完結篇」」のレポを書いていた。
※関連記事
中国の歴史をたどる―『三国志』(2014年10月14日-2015年3月10日全6回)
三国志TERAKOYA4「完結篇」(2013年12月14日)
ひかりが来て、無事、自由席に座れ、11時58分発。車内では菓子パンで食事を摂っていて、それが終わるとレポの続き。電源も確保できた。12時25分ぐらい名古屋駅着で、32分発ののぞみに乗り換える。こちらも無事、自由席に座れ、電源を確保できた。14時6分、品川駅到着。始発で普通列車で来るより30分は早い。
そのまま在来線に乗り、行き先の池袋駅は片道乗車券の範囲外なので一旦、新宿駅で途中下車し、新たに160円の切符を買って、山手線に乗り込み、池袋駅で下車し、東京芸術劇場を目指す。下記、関連記事にあるように、2007年2月17日に「濁流を清めるは清流なり」を観劇するため一度、訪れているので何となくの場所は判る。
※関連記事
2007年2月17日「濁流を清めるは清流なり」観劇
1ブロック分、大回りした後、到達でき、中に入って、エスカレータで5階まで上がってギャラリー2に向かう。さすが東京芸術劇場の建物とあってスペースに余裕のある作りなので、奥まで見渡せ、迷うことなく、まっすぐ行ける。
・東京芸術劇場
http://www.geigeki.jp/
そうすると右の壁に何やら写真撮影の人だかりができていて、すぐにそれが今回の企画展の大きなパネルに群がっているのだと判る。そこには横山作品のキャラクター、いわばオールスターが描かれており、もちろん横山『三国志』のキャラも居た。会場はそのパネルの壁越しの部屋でどうせ撮影禁止だろうから、パネルが撮影スポットになるのも道理だと納得していた。
外側にはアンケートコーナーといろんなチラシが置かれているのだけど、どうやら今回の分は置かれてないようだ。あと別会場(中央図書館、千早図書館)の企画展のことも告知されていた。あとでじっくり読もう。
まず会場入口前右のご挨拶のところを読む。今回の展覧会は「ミュージアム開設プレイベント第1回」と冠されていて、一瞬、「横山光輝ミュージアムが豊島区にできるの?」と思ったんだけど、その挨拶に下記に引用する文があって、まだ先の話のようだし、横山作品に限ったものでもないようだね。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
豊島区では、奇しくも横山光輝の作品創作の拠点となった千早の地に、区ゆかりの芸術や文化を紹介するミュージアムの建設を予定していました。社会経済状況から一旦凍結されることになりましたが、今後もより一層調査研究を進め、素晴らしいミュージアムをお目にかけられるよう準備を進めてまいります。
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
それと右の写真のように花束が贈られていた。左が潮出版社から、右がソニー・デジタル・エンタテインメントから。だけじゃないだろうけど、共に横山『三国志』が関係する会社だね。
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少年ワールド、コミックトム
待てあわてるなこれは孔明の罠だ(2014年6月18日)
それで会場に入ると中央に置かれたテーブルとそこに置かれた電子端末(PAD)やマンガ単行本が目に入る。どうやらそこで横山作品を読めるようになっているようだ。それに対して今回の展示物の大半が壁際に配置されている様子だ。順路からいって、入って右手の壁から回り、つまり会場を反時計回りに巡るようで、まず今回の展覧会のフライヤ(3人のキャラクタが描かれたバージョン)と展示リストが置かれていた。Twitter上で行きたがっていたふじやんさんのために1部ずつ余分に確保して、順に展示物を見ていく。まず凡例。日本マンガ学会と同じく「」は作品名を示し、『』は出版書籍名を示すとのことだ。あとプロフィールがあったのだけど、それは雑誌の○○月号がそのままその月の発表となっている少々、不親切なことになっていた。なので、横山『三国志』は1972年1月連載開始となっていた。まぁ、後の作品リストのパネルではそこらへんちゃんと「号」表記になっていたけどね。
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いきなり横山『三国志』の展示が来る。でもその解説文で、「こうきんぞく」とルビを振っておきながら、「黄布賊」といういきなりの誤字を発見(※検索対策に書くが正しくは「黄巾賊」ね)。
1番目の原稿は1980年ので、「コミック三国志300万突破記念!オール三国志フェスティバル」のポスター用だそうな。どうしても絵自体より、そういった三国文化受容に関わる企画の方に目が行ってしまうね。以下、同じで。
5番目のが1983年で「『希望コミックス 三国志』(潮出版社)が500万部突破を記念して制作されたポスター用原画」とのことだ。
<追記>
読み返すとこれだとあまりにも不親切でさっぱり伝わらないので、追記する。まず記録として展示リストから三国関連のを以下引用。「展示NO.」「複製NO.」「資料・作品名」「年代」「原資料所蔵」の順
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1 1 「三国志」(劉備玄徳・関羽雲長・張飛翼徳)宣伝ポスター用原画 1980(昭和55)年3月 光プロダクション
2 2 「三国志」(関羽趙雲)冊子カバー用原画(『希望コミックス 三国志』第18巻) 1979(昭和54)年 光プロダクション
3 3 「三国志」(張飛翼徳)冊子カバー用原画(『希望コミックス 三国志』第19巻) 1980(昭和55)年 光プロダクション
4 4 「三国志」(諸葛亮孔明)冊子カバー用原画(『希望コミックス 三国志』第21巻) 1980(昭和55)年 光プロダクション
5 5 「三国志」(赤壁の戦い)販促ポスター用原画 1983(昭和58)年 光プロダクション
6 6 「三国志」(劉備玄徳・関羽雲長・張飛翼徳)中扉下絵原画(『希望コミックス 三国志』第2巻) 1974(昭和49)年 光プロダクション
7 7 「三国志」(劉備玄徳)扉絵ラフスケッチ(『少年ワールド』1978年10月号) 1978(昭和53)年 光プロダクション
8 8 「三国志」(曹操孟徳)中扉絵原画(『希望コミックス 三国志』第15巻) 1978(昭和53)年 光プロダクション
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
それと「「三国志」現地取材」として横山先生が中国に行ったときの写真がいくつか展示されていて、図録で確認すると参考として「『三国志演義大事典』(潮出版社)1996 『横山光輝「三国志」大研究』(潮出版社)2010」が挙がっていた。多分、いつぞやの『月刊コミックトム』で使われたやつだっけ?
<追記終了>
次が忍者マンガのコーナーで、コラム「横山光輝と同時代に活躍したマンガ家」があって、そこで白土三平先生の忍者マンガ作品について書かれていた。驚いたのが、最後の段落で下記に引用したようなインタビューがあった。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
白土氏談「残念ながら横山先生にお会いしたことはないんです。まったくお付き合いはなかったんです。でも、横山先生の本は何冊か持ってますよ。もちろん、尊敬するマンガ家のひとりです。」(2014年4月・6月電話インタビューより)
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
やはり白土三平先生と横山光輝先生といえば、下記関連記事で触れた四方田犬彦先生の指摘を思い出し、このインタビューというシチュエーションに苦笑いを禁じ得なかった。あと白土先生の方が二歳年上なんだね。
※関連記事
横山光輝「三国志」の魅力に迫る(2010年10月5日)
それでどんどん先に進み、ある展示に目が止まる。それは先生の書庫の写真3枚だ。『あしたのジョー』『陽だまりの樹』『カムイ伝』『ルードウィヒB』『アドルフに告ぐ』石ノ森章太郎先生の全集、みたいに他のマンガ家作品がおいてあった。でもほとんど愛蔵版(ハードカバー)と後年に出版されたものなので、ここに『忍者武芸帳』や『三国演義連環画』(上海人民美術出版社)があったらさぞ貴重な写真なのにな、と思いつつ。あと『スタートレック』(小説?)なんかも写っていた。
「2 マンガから劇画へ」というコーナーでは下記に引用する文があった。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1972年、「三国志」発表から約7年、大人を対象に、ある程度史実に立脚しながら複雑なドラマ性と漫画ならではの人物群像(キャラクター性)や、壮大なスケール感を持つという意味での劇画に専念して作品を創作する劇画作画としての態勢が整った。歴史小説マンガのジャンルの開拓者として劇画作家と自ら称するようになったのも、この時期と重なる。
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そして横山先生の名刺にはっきりと「劇画作家」と書かれていて、自他共に認める劇画作家だったんだな、と再認識する。
それと印象に残ったのが1950年の手塚治虫「黄金都市」の1955年リメイクを横山先生が担当していてその両ページの比較を行っていた。横山先生が担当する経緯は手塚先生の指名があったそうで。
それと中央のマンガ閲覧コーナーと映像コーナーの脇には詳細な作品リストがあって、さらに出典も書かれていた。
「横山光輝の軌跡(作品リスト)」まんが資料センター 1993年
「横山光輝の世界展」川崎市市民ミュージアム 2006年
『別冊太陽 子どもの昭和史 横山光輝マンガ大全』平凡社 1998年
そのリストにちょいちょい「水滸外伝」が含まれているのを確認した。つまりは『水滸伝』第8部に収録されている分だね。
マンガ閲覧コーナーには、いわゆるコンビニ・コミックの『横山光輝 時代劇傑作集 黒田官兵衛』(講談社2008年11月23日発行)があって、そこには三国志学会 第九回 京都大会 懇親会にて上原究一先生からご指摘のあった『蛟竜』が収録されていた。つまりは『水滸伝』ひいては『三国志』と連続性を為す作品かも?ということだ。
会場へ入って左の壁沿いには物品コーナーがあって、
図録 1200円
チェンジングカード 100円
(今回のフライヤの絵と白装束の関羽の絵が見る角度によって変わる)
ブロックメモ 300円
クリアファイル 300円
特別住民票 400円
絵皿 鉄人28号 2000円
絵皿 オールスター 2000円
というラインナップだった。すでに必要なところはメモを取っていたので、図録のページ数だけ照合しようと思っていたが、図録の作品リストがより詳細だったため、1万円札を出して買うことにした。
会場の外に出て、あれこれ写真を撮って、アンケートに答えて、あれこれしていると16時15分ぐらいになっていた。
そのまま予定していた次の目的地に行くにはあからさまに早いので、思い切って、さっき知ったばかりの中央図書館での企画展に行く気になっていた。
※次の記事
メモ:横山光輝展 豊島区立中央図書館(2014年10月4日)
※追記
横山光輝展(2014年9月27日-10月23日)
※追記
まんがのソムリエ(2014年5月31日発行)
※追記
ノート:「連環画」の転変(『月刊しにか』2000年10月)
※追記
メモ:はじめての京劇V~三国志「古城会」(2015年4月18日)
※追記
歴史コミックと馬(2015年4月25日-6月7日)
※追記
ノート:四川棒遣い人形展(2015年10月17日)
※追記
メモ:三国志サミットが始まるまで(2015年11月21日)
※追記
子どもに勧めたいダーク漫画TOP10(R25 2015年12月10日)
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山手線西の思い出巡り(2017年1月21日)
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ANIME COMICS 三国志 全5巻(1985年6月、1986年9月)
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メモ:サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん(テレビ朝日2021年2月13日)
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