※前記事
第17回三顧会 前夜祭(2012年8月13日)
前日からの泊まりで三国志城の特別展示室の革張り椅子を二つ並べた上に眠っていた清岡は、その部屋で唯一点いている出入口付近の蛍光灯のまぶしさに気付いて、6:20起床。外に出てみると大雨。小降りになったところで駐車場の向こう側にある自販機で缶コーヒーを買う。どこのメーカーとは書かないがこのメーカーの缶コーヒーを買うのは十年以上ぶりぐらいかな。普段、缶コーヒー自体、買わないし、このメーカーのコーヒーは好きじゃないし。
・三国志城博物館
http://www3.ocn.ne.jp/~sangoku/
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第16、17回三顧会(2012年5月4日、8月14日)
※追記
メモ:第18回三顧会 前夜祭(2013年5月3日)
身支度をして、8時ぐらいに食堂で朝食となる。バイキング形式。食材が豊富でやはり美味しく頂く。以前の三顧会だったらこの食堂でスタートということもあったが、今回は特別展示室のみだそうな。雨が降っているし今回はそちらの方が良いだろうね。そして前の日にプログラムが特別展示室に貼られている。それとは別に小さい文字で印刷された貼り紙が三国志城のいろんな所に貼られていて、それによると以下のようなプログラムになる。
10時 あいさつ・自己紹介
10時半 諸葛連弩ゲーム大会
11時半 三国志発表会
12時 お昼・ごはん 休憩
13時 三国志的兵馬俑を作ろう!
14時半 三国志武将あてゲーム
特別展示室で待っていて、昨日もいらっしゃったお子さまと
教団さんとが戦っているのが印象的だった。あと一条さんプロデュースでそのお子さま(鎧姿)、とツクダ(弟)さん、女傑キティさん等がコスプレ姿で登場。前者二人は後の三国志発表会で要るとのことだけど。
それで特別展示室には「三国志発表会」用にプロジェクターとスクリーンが用意されていて折角だから、10時までの待ち時間の間、昨日見れるようにした『週末ちぐまや家族』の「第16回三顧会」取材の回を見ようと、ツクダ(弟)さんとの対策チーム(兄さんの方は残念ながら当日都合が付かず)でセッティングして見てた。
・tys 週末ちぐまや家族 - tys テレビ山口
http://www.tys.co.jp/program/chigumaya/
少々、セッティングに手こずったので、ちょうど良い感じでオープニングムービーみたくなる。コードがなかったので音声は拡声されず残念ながらノートPCからの音になってしまったが。
○あいさつ・自己紹介
やがて谷館長、英傑群像岡本さん、スタッフの方々が来られ(今回もスタッフの方は赤いスタッフTシャツを着用。不足ない人数)、そのまま三顧会の開始となる。英傑群像岡本さん司会。自己紹介では、ハンドルネーム可の名前、どこから来たのか、好きな三国作品を言うフォーマットだった…? 最後の項目はどこかの自己紹介で聞き覚えのある項目だ。清岡は三日前と違い、「『後漢書』や『後漢紀』などの歴史書、読んでいます」って言ったっけ。
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その場で土井晩翠「星落秋風五丈原」のことが二人から取り上げられていたのが印象的だった。
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そして、恒例の三顧会に3回来た人、つまり三顧目の方に対して谷館長手製の色紙贈呈。今回は10回の人にも色紙贈呈があって、清岡は初めの三顧会から第9回まで休みなく来て、そこから久々に来たという判りやすさの10回で、贈呈の恩恵に与る。女性が描かれた絵画だ。
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○諸葛連弩ゲーム大会
続いて特別展示室でセッティングされたのが、左の写真のような棚。左の写真では判りにくいが、上と下とで蜀漢と魏の人物(デフォルメ二頭身)に模した中国将棋の駒が並べてあって、それを右の写真の小さな諸葛弩(何かの製品)で狙って当てるというゲームだ。
一応、書いておくと、『三国志』巻三十五蜀書諸葛亮伝に「(諸葛)亮性長於巧思、損益連弩、木牛流馬、皆出其意」や、『三国志』巻三十五蜀書諸葛亮伝注所引『魏氏春秋』に「又損益連弩、謂之元戎、以鐵為矢、矢長八寸、一弩十矢俱發。」とある「連弩」をイメージしているんだろうね。
スタッフの方の誘導で一人ずつ挑戦していく。2007年5月4日開催「第六回三顧会」の野外で行われた「三国志連弩(もどき)大会 (2)連弩で武将を倒そう!」はワイルドな魅力があったが、これも精度の要求される魅力があるね。
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と理屈を並べているものの、結局、清岡は一つも倒せないどころか掠りもしなかったというオチ。その諸葛弩はレバーを引くと矢が一つずつ装填される仕組みで、ただし下に向けすぎると矢が詰まるようで、みなさんそれでしばし手こずっていた。みんな他の人のを見てやんやと歓声を出し、独自の攻略法を考えていたみたい。あるいはマトになっている三国志の人物で誰を狙うか決めていたり。結局、倒した数3個の同点で最後は二名による決勝戦になった。それを征し優勝した人、それに2位の方は賞品を貰っていた。
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※このとき番組で紹介された諸葛弩はトリガーを押していたら機械的に次々と矢が飛び出す仕組みだっけ。
終わった直後の5分の休憩時間では諸葛弩の撮影会になっていて、みんなネタで「目線お願いします」って言ってた。。でも、よくみると動物の顔が形作られていて、「目線」があるってことをツッコミ入れたが。
※追記
メモ:曹豹さんを囲む会(仮)(2013年5月4日)
○三国志発表会
講師は一条さんで、「中国衣装の変遷」について。2008年3月23日開催「第8回三顧会」の三国志講演会「三国時代の食」以来二回目とのことだ。
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(後で聞いたが)孫権のコスプレで一条さんが立ち、発表を始められる。イントロでツボだったのが、孔融になりきって、孔子の教えとして「まずご先祖を大事にすること、そして身だしなみをきちんとすること……みなさん、ハンカチちり紙は持ってきましたか?」と言うところ。確かに教えを要約するとそういうことだよね。
そこから礼について一番大切なこと、服装をちゃんとすることという話の流れで本題に入る。一条さんは毎回、仮装(コスプレ)の衣装を作っているそうな。まず、その前に中国史の大まかな流れから。
夏殷周、春秋、秦、前漢、後漢、三国の説明。そして三国時代と同時期の日本の邪馬台国の時代の説明。そして西晋から東晋の流れ。「隋」というのを言い間違えて「宋」といって、観客席(といっても茣蓙だが、まぁ後漢の「席」に近いんだけど)からまるで声を揃えたようにツッコミがあったのが印象的だった。それほどみなさん集中して聴いているってことで。隋の説明として聖徳太子と同時代という説明。それ以降、日本の時代と対比させながらどんどん話が降り、最終的に現代までくる。
そして次に当時の漢民族の説明。主に農耕民族である漢民族の文化風習についてだ(椅子に座るのではなく正座する等)。漢民族の服装について、三礼の一つ『周礼』に触れているときに、「しゅうれい」と発音されていたので、思わず「しゅらい」と読むと訂正してしまった。
学会大会で「長沙走馬楼呉簡」を「ちょうさそうばろうごかん」と言わずにずっと「ちょうさそうまろうごかん」と言っていた私が指摘するのも変だったけど、と心の中で自己ツッコミをしながら。
※参照リンク
・後漢末期の冠婚葬祭について (※「
三国志ファンのためのサポート掲示板」内ツリー)
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=3490
そこでは何が言いたいかというと、エリを合わせる服だったの話。上が衣、下が裳で、合わせて衣裳って話。その流れで今で言う「漢服」の話。チャイナ服は清の服というお断りをした上で、漢服と和服の違いについて、ツクダ(弟)さんの来ている衣装で説明。和服ではエリがそのまま下に行くが、漢服では着用時に後に行き前に戻ってくるように巻き込んで着るという説明だ。ここらへん馬王堆漢墓出土の服でも確認されると内心思っていた。
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三国志2 天上の舞姫(2009年7月10日)
『古代中国を発掘する─馬王堆、満城他─』(1975年)
三国志城に展示されている拓本に言及しつつ、進賢冠や武冠の説明。それで騎馬民族と衣裳の説明。馬に乗るのでズボンという話をプロジェクターでスクリーンに映した絵を交えされていた。
明の時代のゼッケンのようなのを付ける官服の話。韓国の時代ドラマにも反映されているそうな。そして後で聞くと、2011年10月9日10日開催「第五回三国志祭」での龍谷大学竹内准教授によるトーク&衣装再現「二人の曹操」でもこの衣装を一条さんの手により再現されていたとのことで。そのゼッケンで職種の違いや官位を表すそうな。
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第五回三国志祭(2011年10月9日10日)
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三国志祭(2022年11月6日)
さらに清の衣装まで話が降る。それと、上記の「第五回三国志祭」の企画での資料、宋の時代に描かれた曹操の絵もスクリーンで見せていた。それから異民族の左衽、衣の左前の話(※例えば『後漢書』でも異民族の描写として定型のように「被髮左衽」と書かれる)。
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三国志「張飛」にも不況直撃!? 重慶の街で串焼き売る(中国情報局)
鎧姿のお子さまを見せつつ、次に鎧の説明。袖のところとかね。明代の鎧も交えつつ。それと鐙がないんで三国時代での騎射はやりにくいって話。
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メモ:鎧 and リンク:東アジアにおける武器・武具の比較研究
前漢に鐙はあった?!
というわけで終了し満場拍手。司会の英傑群像岡本さんから今回のオリンピックでのレスリングの衣装と明代のゼッケンの話とを絡めてコメントされる。
○お昼・ごはん 休憩
先程の発表で進賢冠を思い違いされている感じだったので、2008年11月3日開催「東洋史研究会大会」での「魏晋南北朝時代における冠服制度と礼制の変容―出土文物中の服飾資料を題材として―」のレジュメをたまたま持ち合わせていて、それを手に取り、一条さんのところへ歩み寄り、進賢冠を見せ、しばしトーク。宦官も武冠も付ける話とかしてたっけ。
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「魏晋南北朝時代における冠服制度と礼制の変容」ノート
※参照リンク
・貂蝉冠と恵文冠 (※「
三国志ファンのためのサポート掲示板」内ツリー)
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=3031
<追記>
それでどのタイミングで話したか忘れたが、ついでなんで、或る方むけの話。作者とか絵画名とか覚えようとしていなかったが、今、記憶を頼りに画像検索してみると、確かに安田靫彦/画「鴻門会」では前漢期の武弁ではなく後漢期の武冠が使われていて、2006年10月19日-12月3日開催「始皇帝と彩色兵馬俑展 ~司馬遷『史記』の世界」でその絵画の写真をパネルにして展示されていて、同行者にそのツッコミをみせていた記憶がある。今、見てみると、武冠(の籠部分)は馬王堆3号西漢墓と武威磨嘴子62号新莽墓から出土したってことなんで一瞬思い違いしたかと思ったが、蔡邕『独断』によると武冠の構成要素である幘の方は漢の元帝の頃から使われたってことなので、楚漢までは遡らないだろうね。
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2006年10月19日-12月3日「始皇帝と彩色兵馬俑展 ~司馬遷『史記』の世界」(京都文化博物館)
メモ:武冠のあみあみ
東京大學東洋文化研究所漢籍善本全文影像資料庫
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メモ:兵馬俑と古代中国(京都市京セラ美術館2022年3月25日-5月22日)
<追記終了>
それと獬豸冠(かいちかん、別名、法冠)の話。昔、竹内真彦先生の研究報告で出ていたな、と。十一月兎亭さん(※今のハンドルネーム失念)から獬豸(一角の獣)は罪を犯した動物を刺し殺すとフォローか入る。なるほど。あと孔明帽は葛巾ってことで。
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三国志学会第一回大会ノート4
第7回三顧会午後2
※参照リンク
・諸葛亮の羽扇について。 (※「
三国志ファンのためのサポート掲示板」内ツリー)
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=1452
そしてみなさんは昼食のため、食堂へ行かれる。清岡は一日二食のため、特別展示室で待機。一回、食堂の方に行ってお茶を頂いていた。
そして十一月兎亭さんと一条さんとのトークの中に入る形で再びトーク。下記関連記事で作成した進賢冠の画像を見せつつ。
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一梁?メモ
ある陶俑では梁の上部から抑え込む形で紐が通っている描写があると清岡。先程のレジュメもあるし、内容が進賢冠についての細かいことだし、口には出さなかったが、話しているうちにデジャブを感じていた。
※参照リンク
・三国志フェス2011関連 (※個人の雑記)
http://cte.main.jp/sunshi/2011/0909.html#101241
その流れで、長沙市金盆嶺9号晋墓の青磁騎馬俑の写真(出典:富田哲雄/編著『中国の陶磁 第2巻 陶俑』(平凡社1998)、「永寧二年五月十日作」(紀元302年)とある)をノートPCから探し出し見せる。
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メモ:「中国服飾史上における河西回廊の魏晋壁画墓・画像磚墓」
誰かから騎馬俑を見て「今日(「三国志的兵馬俑を作ろう!」で)、これ作るんですよね?」と言われ「それ、良いですよね!」と答える(伏線)。あと資料として清岡が昔、三国志城に寄贈した『ふしぎ道士伝 八卦の空』1巻を本棚から取り出しそこに持ってきたり、ネットからサイト「青木朋HP++青青」にアクセスし、『八卦の空』のところを見ていたり。
※関連記事
2006年4月14日「ふしぎ道士伝 八卦の空」1巻発売
・青木朋HP++青青
http://aoki.moo.jp/
一条さん曰く「(『ミステリーボニータ』で)一時期『カルラ舞う!』と一緒に見ていた」とのこと。あと、その流れで頂いた二日後発売の『三国志ジョーカー』4巻の話になって、或る方がその読者さんだったようで、嬉々として頂いた4巻を借りていった。
※関連記事
メモ:コミックマーケット82 3日目(2012年8月12日)
そして一条さんに進賢冠制作をそれとなく勧めておいた。そうするとコスプレで梁の材質をどうするかと小雪さんと真剣な話になっていた。
※追記
第17回三顧会 午後(2012年8月14日)
※追記
第18、19回三顧会(2013年5月4日、8月14日)
※追記
メモ:第19回三顧会 後夜(2013年8月14日)
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メモ:明日をより良くする、趙雲思考(時re風2023年3月10日)
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