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アイディア:古物商としての三国志ショップ
前置きが長く三国とは無関係なところから始まるという意味では上記参照記事の続きかな。対象となる日の一つは次の日だし。
公認非公認を問わなければ、何か一つのテーマに沿ってメニューや内装を決めるカフェもしくはレストランと言えば、過去、京都の「お好み焼き 慈恩弘国」に触れていた。
・お好み焼き 慈恩弘国
http://www.ms-06zaku.com/
近頃、それ以外にも別のジャンルで見掛けるようになり、次に同じテーマで対照的な二例を挙げる。
・男子トイレのみで告知 (※個人サイトの雑記)
http://cte.main.jp/sunshi/2012/0301.html#28
上記の個人サイトの雑記で書いたように、今年の3月28日のランチ・タイムに、あるジャンルをテーマとしたカフェ・レストランに足を運ぶ。それが下記に公式サイトを示す「ACミランカフェ&リストランテ」だ。ACミランというチーム公認のお店とのこと。
・ACミランカフェ&リストランテ
http://www.acmilan-caffe.jp/
場所は名古屋の地下鉄の栄駅の南側で、それほどテーマを前面に出していないので、外から一見するとただのおしゃれなイタリアン・レストランだ。中に入るとテーマに沿ったチーム・カラーの赤が基調の内装で、イタリアの写真に混じってチームの写真が展示されていたり、ある2,3mぐらいの一面だけチームのワインやらユニフォームやらが展示されている。その展示スペースに近付き、よく見ると右半分はサイン入りユニフォームであからさまに展示物だが、左半分のユニフォームは背番号すらなく、一万円弱の値札が付いていて、つまり売り物だった。この店は2011年10月23日に開店したばかりで、開店した年はサッカー中継が頻繁だったことが上記公式サイトから伺えるが、今年に入ってからはほとんどないように見える。しかし前述でリンクした個人サイトの雑記で書いたように、ウェブサイトでの告知はないものの、店員からの口頭となぜか男子トイレでの告知があった。ウェブサイトで大々的に告知して何か問題があったのだろうか。そのためにサッカー中継を見に来る客をスクリーニングする必要があったとか、あれこれ想像してしまう。下記個人サイトの雑記にあるように、実際のサッカー中継の時間に入店したが、普段の時間外ともあって、メニューは限定的だったが、スポーツバーだと当然発生するチャージがなく、問題なく観戦できた。それに加えテーマに即したカクテルがあるのにも気付いた。
・誰?誰?!ノチェ?!ノチェ! (※個人サイトの雑記)
http://cte.main.jp/sunshi/2012/0401.html#03
他にランチタイムに行った際に気付いたのが、店員の対応だ。くどくならないようにテーマを前面に出していないのと同じように、店員も普通の服装で普段はテーマに沿った行動もない。ところが、ユニフォームのある展示&販売スペースに近付くと、店員が話し掛けて来て、何かマニュアルがあるような印象を受けた。勝手に想像するに、そのスペースに客が興味を持つ→「ミランはお好きですか」と声を掛ける→「誰がお好きですか」とより詳しい体で話す→「あそこにその選手のサイン入りユニフォームがあるかもしれませんよ」と展示スペースに誘導、みたいな流れだろうか。店全体としてはうまく客層(ファンか一般か)によって対応を分けている感じだろうか。決してチームの経営やフォーメイションを含めた戦術ではなく人物を話の切欠にしてファンの大多数を狙うあたり、当時の制度やヴィジュアルを含めた文化ではなくまず人物を好むファンが大多数の三国ジャンルに通じ、どのジャンルも一緒だなと妙に感心した。
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話を本筋に戻し、結局、その店はテーマだけを売りにしているわけでなく、そのテーマがなくとも、立地的に名古屋第一の繁華街の栄にあるので、イタリア料理だけでも充分売りとなっているのだろう。次に行くときには是非コースメニューを頼んで売りの一つのイタリア料理を楽しみながら、サッカー観戦をしたいものだ。
次にもう一つの店だ。
・昼は中国、夜はイタリア (※個人サイトの雑記)
http://cte.main.jp/sunshi/2012/0201.html#19
上記の個人サイトの雑記で書いたように、今年の2月19日の夜に、同じジャンルをテーマとした非公認のスポーツバーに足を運ぶ。それが下記にサイトを示すスポーツバー「ミラニスタ」だ。
・東京のスポーツバー ミラニスタ
http://www.milanista.info/
場所は東京のJR中央本線の阿佐ヶ谷駅の南側商店街内にあって、右の写真のように外に向けて旗を出すほど、テーマを前面に出している。中に入るとテーマに沿ったチーム・カラーの赤が基調の内装で、カウンターも赤く照明も赤い印象がある。カウンターに座るとちょうど一番大きなモニターが前に見えるという作りで、店員がそこを横切るときはモニターを遮らないように必ず腰をかがめて通るという気の配りようだ。そんな店員は私が見た限りではサッカー中継のある時間帯でほぼユニフォームを着用しており、テーマに則っている。店内には、ユニフォームはもちろんのこと、選手の顔写真の入ったカードが貼ってあったり、関連する雑誌や書籍がおいてあったりとテーマに即した展示で、先に触れた店より前面にテーマを打ち出している。また、前述した個人サイトの雑記で触れたように、そのテーマについて店員どころかオーナーや客同士で話せる雰囲気がある(と大げさにかいてしまったが、単なるおしゃべりのこと)。
店内は東西に長い作りで、以上のことは東三分の二ぐらいのことで、西三分の一は別の要素がある。西側の北の壁にはモニターがありサッカー観戦もできるようになっているが、その時間の多くは西の壁に三台あるダーツマシンが客により使われるというダーツのスペースに費やされている。私が見た限り、むしろサッカー中継の時間以外はダーツの客の方が多く、しかも途切れる所を見たことがなく、結構な頻度でダーツ大会を行うため、テーマ以外での売りと言えるのだろう。
以上のように同じテーマの飲食店でもそのテーマを店で押し出す強弱の違いがあるものの、テーマに則った確固たる演出が基板にあって、それとは別に店の売りがあるのは共通しているようだ。客の勝手な印象に過ぎないかもしれないが、前店はイタリア料理、後店はダーツといったところだろう。
あまり三国関連の飲食店に足を運んだことはないが、風聞だけで判断するに、この確固たるテーマ設定とテーマ外での収入源確保との両立できている三国飲食店は無いように思える。具体名は引き合いに出さないが、店名や少しのメニュー、少しの展示だけが三国関連であとは普通の飲食店という場合が多いような気がする。逆に、少なくとも店員が三国関連の話ができる程度の確固たるテーマ設定だけで、長続きしている飲食店があるように思えない。やはりこれら二つの両立が三国の飲食店に繁盛への道のように思える。
とは言っても、先に示した一例のように、テーマとあまり関係のない売りを設定するには既存の三国ファンからの反発がありそうだ。ここはもう一例を参考にして、中華料理をテーマ外の売りにするのが自然だろう。確固たるテーマ設定の一つの視聴に関しては、今は下記関連記事にあるように、三国関連のTV番組が複数、配信または放送されているが、こういう時期は稀だろうから、どこかコンテンツホルダー団体と提携し、当然、その団体のコンテンツの宣伝も兼ねて、定期的に視聴できるようにするのが自然なんだろうね。
※関連記事
GyaOで『三国演義』(中国中央電視台制作、2012年2月6日-)
三国志 Three Kingdoms BSフジ全話放送(2012年4月2日-)
横山光輝三国志(2012年5月1日-6日)
テーマ外での収入源確保のもう一つのアイディアとして、例えば、下記関連記事にある『三国志大戦トレーディングカードゲーム』の公認店やアンテナショップ的になるなど、ユーザー同士で遊べる場を提供できるようなコンテンツホルダー団体と提携することが挙げられる。
※関連記事
三国志大戦トレーディングカードゲーム(2012年3月8日)
但し、その場合だと提携したコンテンツの流行り廃れにダイレクトに店の収入が影響されてしまうだろうから、長期的にはあまりお勧めできないだろう。
ここで今までの議論の進捗を大幅に戻し、別系統のアイディアについて記す。
・暫定が消えた! (※個人サイトの雑記)
http://cte.main.jp/sunshi/2012/0301.html#04
上記個人サイトの雑記で触れたように、2012年3月4日放送の関西ローカル番組『ビジネス新伝説 ルソンの壺』「誰でも簡単! 手芸を手助け」にてニットカフェという店が紹介されていた。
・ビジネス新伝説 ルソンの壺
http://www.nhk.or.jp/luzon/
そのニットカフェはそこでくつろいで手芸をできるカフェで、その気になれば店員に編み方等、手芸について気軽に質問できるという。今、下記の番組で紹介された会社のサイトを確認すると、ニットカフェに「お茶とスイーツで和みながら、ゆったりとあみものを楽しむイベント。」と説明文が添えられているので、常設のカフェではなく既存のカフェを借りて1日程度、イベントとして開催される形態のようだね。
・クロバー株式会社
http://www.clover.co.jp/
ともかくそのニットカフェを知ったときに連想したのはやはり「三国志カフェ」だ。ニットカフェについてはイベントではなく常設店と勝手に思い込んでいたが、三国志カフェについては単なるアイディアなので今の段階ではどちらでも良い。
三国志カフェには『三国志』はもちろんのこと、『後漢書』『晋書』『後漢紀』『華陽国志』『資治通鑑』等の史書や『太平御覧』『通典』『藝文類聚』『文選』等の周辺の文献、辞書や地図等の工具書が揃っていて、必要に応じ著作権法の許される範囲内で店内にあるコピー機を使えるし、ネットに繋がるPCも完備しており、落ち着いて『三国志』や関連する文献を読む場が提供される。そうなれば、前述したニットカフェのように、分からないことがあれば店員に気軽に尋ねられる雰囲気も要るだろう。最近は多様な店があるが、やはり大半の飲食店は客の回転率を上げようというアーキテクチャ(仕組み)になっているが、それだと三国志カフェには不釣り合いなので、時間当たりに料金が発生する方式の方が良いだろう。それと飲食以外は無料にする等の売りは当然あるだろうね。そういう時間制のカフェはマンガ喫茶やネットカフェの例を挙げずとも、最近のゆっくりできるのが売りの店でありがちのことだろう。
そういった三国志カフェの店員には当然、ある程度の専門知識が要るだろうから、塾講師ほどの給料は払えないものの、文学部の中歴、中文、中哲系の学生に向けての雇用創出に繋がるのかもしれないね。別に画像磚石や明器等の当時の文物を参照に、店員は制服として冠を戴いたり単衣を着たりする必要はないと思うが、メイド喫茶のように店員の勤労意欲に繋がるのであれば、そういった仮装もありなんだろう。
…とここまで書いて気付いたんだけど、『三国志』にはカフェはもちろんのこと、稀少事例的に『三国志』巻六十五呉書韋曜伝に「曜素飲酒不過二升、初見禮異時、常為裁減、或密賜茶荈以當酒、至於寵衰、更見偪彊、輒以為罪。」とあるものの、「喫茶店」の「茶」は当時にほとんどなく、不似合いだね。
まぁ、もし運営し始めて三国志カフェの運営のノウハウが溜まれば、これが三国故事カフェや三国演義カフェを併設あるいは合設しても良いかもね。
※追記。地域によって放送日時に差がありそうだが、2012年5月3日の夕方にNHKでドキュメンタリー番組『マンガ家喫茶物語』が放送された。名古屋の大須の、マンガを描けるスペースのあるマンガ喫茶だそうな。読んでも描いても480円/時だという。ニットカフェみたく店員相手じゃなく、店長が相談役。
・漫画空間 日本初!漫画が読めて、漫画が描ける!名古屋は大須発の漫画喫茶! 漫画空間
http://www.mangakukan.com/
※追記
三国志ファン、コア層こわそう、再燃
※追記
レポ:兀突骨に行くまで(2015年8月1日)
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