※前記事
新潟大学の入試で邪馬台国関連2017
上記記事で2017年分が終わり、2018年分に入ったのだけど、やはり大学入試の初っ端はセンター試験だってことでチェックしてみる。今年は1日目教科(2018年1月13日土曜日)の地理Bで「ムーミン」の絵が使われたことで話題になったし、日本史Bでは「ゆるきゃら」や「ひこにゃん」に言及されているし、期待感が増していたんだけど、昨年と違って特に三国関連はなかった。
※関連記事
大学入試センター試験で三国志関連2017(2017年1月14日)
なので今年初めのは私立大学の入試からとなる、下記の読売新聞のコンテンツによると。
・【大学入試2018】:大学入試:読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/nyushi/18/
それは関西学院大学の入試。
・関西学院大学 KG Kwansei Gakuin University
http://www.kwansei.ac.jp/
※三年前記事
関西学院大学の入試で倭国関連2015
※次年記事
関西学院大学の入試で倭人関連2019
まず「全学(2月1日実施)」(文・法・商・経済〈理〉人間福祉・国際・教育〈理〉・総合政策〈理〉・理工)の日本史〔IV〕の文が日本の馬に関するもので、冒頭に「弥生時代以前の日本列島には馬はいなかった、とされている」とあり、その二番目の理由で「第二に、「魏志」倭人伝に「その地には牛・馬・虎・豹・羊・鵲なし」とあることである」とあり、それに関する設問が2番目にある。えーと、下記関連記事にある徳島大学大学院教授 葭森健介先生によるツッコミを引いた方が良いのかな?
※関連記事
「魏志倭人伝」の世界(NHK文化センター徳島教室2017年4月20日-9月21日)
「「魏志」倭人伝」に下線が引かれ、それをうけて2番目に下記に引用するような設問が用意されていた。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2. 下線部bに関して、誤っているものを下記より選びなさい。なお、すべて正しい場合は「エ」をマークしなさい。
ア. 邪馬台国に使わされた裴世清の報告に基づいて記されている。
イ. 男子はいれずみをし、婦人は貫頭衣を着用していることを記している。
ウ. 大人と下戸などの身分があったことを記している。
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
裴世清って誰かと思ったら、「日出處天子致書日沒處天子、無恙」の時の使者ね。
次に「全学部(2月2日実施)」(神、社会、経済〈文〉、国際、教育〈文〉、総合政策〈文〉)の世界史〔I〕の文が今度は馬というより世界のポロに関するもので、その中で、「曹操の息子、曹植の詩作にもポロの描写があり、後漢末から三国時代の洛陽でもポロが流行したようである」とある。ネットで軽く検索すると、曹植の「名都篇」にそれがあるそうで、下に転載してみたがどういう風に描写されているか、残念ながら清岡のリテラシーでは読み取れない。
・『文選』巻二十七 樂府上 曹子建樂府四首
曹子建 名都篇
名都多妖女、京洛出少年。寶劍直千金、被服光且鮮。鬥雞東郊道、走馬長楸間。馳馳未能半、雙兔過我前。攬弓捷鳴鏑、長驅上南山。左挽因右發、一縱兩禽連。餘巧未及展、仰手接飛鳶。觀者咸稱善、衆工歸我妍。我歸宴平樂、美酒斗十千。膾鯉臇胎、寒鱉炙熊蹯。鳴儔嘯匹旅、列坐竟長筵。連翩撃鞠壤、巧捷惟萬端。白日西南馳、光景不可攀。雲散還城邑、清晨復來還。
※関連記事
三國志研究第七号(2012年9月1日)
試しに「名都篇」で「三国志ニュース」サイト内検索をすると、そうか上記関連記事で触れた、『三國志研究』第七号を読めってことか。
話を戻し、この箇所を受けたのが問い④(機種依存性文字)で、内容は誤りを選ぶ四択問題。「a. 張角ら五斗米道が四川地方で勢力をもった」を選べばいい。ほぼ関係ないけど、ちなみにその3番目の選択肢が「c. 曹丕は、後漢の皇帝から禅譲を受けた」とある。
※関連記事
早稲田大学の入試で曹丕関連2017
以上、戌年に突如、馬特集な関西学院大学の入試でした。
※関連記事
春期特別展 三国志をいろどる馬たち
※次記事
立命館大学の日本史世界史入試で三国志関連2018
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