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日中における中国四大名著のマンガ比較研究(同志社大学2013年3月21日)
上記関連記事と同じように…というより引き続き、2014年5月17日土曜日に博士論文を読みに行ったという話。
4時に目覚まし時計で起床。コーヒー豆を挽いていたがどうも器具がもう老朽化して空回りばかりしていて、強引にダラダラ回していたら、すっかり出発時間になってしまう。コーヒーを煎れてそれを飲みつつ、弁当にごはんを詰め、出発する。7時台の市バスに乗り、京都駅に7駅53分に到着する。81系統に乗り継ぎ。西大手筋を目指す。8時30分ごろ到着。東に歩き、途中、前回、三ツ矢ホワイトサイダーが90円で売っていた自販機で何か飲物を買おうとしたら、三ツ矢ホワイトサイダーが無く、よく見ると三ツ矢7種のフルーツミルクサイダーになっていた。それも90円で購入する。この7種はパインアップル果汁、うんしゅうみかん果汁、西洋なし果汁、マンゴー果汁、なつみかん果汁、日向夏果汁、さくらんぼ果汁で、果汁1%に詰まっているそうな。あとバスの中で気付いたのだけどボールペンを忘れたことに気付き、途中のアーケードのセブンイレブンで購入する。98円。相変わらず良さげな商店街で、今回は黒田官兵衛とか坂本龍馬とか意外と歴史推しの店があると気付く。
400円の切符を買い、ちょうど8時42分発の急行が来ていて、とびのり、時間調整のためやっぱり大久保駅で普通列車に乗り替え、その終点の新田辺で急行に乗り換える。そのまま新祝園駅の改札を出て、西側のバス乗り場に行くもやはり精華くるりんバスが来ていない。それまでもノートPCの開けないところでは、マンガ研究に頭を向けるために四方田犬彦『日本の漫画への感謝』(潮出版社2013年11月20日発行)を読んでいて、そこでもそうしていた。前回はギリギリに乗ったので、空席は無かったが、今回は充分に座れる。100円。行く先のロッカーでの100円玉使用にそなえそこで500円玉を両替する。やはりかしの木苑で一斉にお年寄りたちが降りる。前回と同じく9時55分ぐらいに国立国会図書館関西館へ到着する。資料が閲覧できるゲートが開く10時まで待つ。
・関西館|国立国会図書館―National Diet Library
http://www.ndl.go.jp/jp/service/kansai/
ゲートが開き、前回ゲートで止められたことを踏まえて、総合閲覧室に行くまでの西側にあるロッカーに弁当を預ける。
今回来た主な目的というのは、梁蘊嫻さんの博士論文と陳曦子さんのとを改めて読むことだ。
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模倣と創造『絵本三国志』における『三国志演義』遺香堂本の受容(2012年12月)
日中における中国四大名著のマンガ比較研究(同志社大学2013年3月21日)
これら博士論文2報と、折角だからもう1報を閲覧申請をして、待っている間、あれこれデジタルデータをチェックする。
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メモ:第20回三顧会 前夜祭(2014年5月3日)
まず上記関連記事で触れられている『三國志物語 燃える大平原』のデータがあるかどうか『小学六年生』1953年8月号をチェックするもデータベースでの目次にはその付録の名があるものの、リンクされていない。
・小学六年生 (小学館): 1922|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000000011184-00
それと前回、国会図書館 国際子ども図書館に行った際、プリントアウトしたものの本文をチェックし損ねた野村愛正『三國志物語』(大日本雄辯會講談社1940年)についてようやくチェックできる。
・三國志物語 (大日本雄辯會講談社): 1940|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004272000-00
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メモ:赤壁 ─苦肉の計(川本喜八郎人形ギャラリー2014年4月25日-11月4日)
三國志物語(1940)、少年三国志(1955)、羽石光志/絵
やはり吉川英治『三国志』の左腕と違い、『三国志演義』と同じく野村『三國志物語』では関羽は右腕の矢傷を治療する。無論、挿絵も右腕の治療なのだけど、ちゃんと確認しておかないとね。p.238から下記へ引用する。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『それはたやすいことだ。子供ではあるまいし、柱を立てたりするには及ぶまい。』
といつて、馬良を呼んで碁を圍み、酒を飲みながら右の腕を差出す。華陀が刀をとつて傷を切開いてみると、すでに毒が骨に染まつてあおくなつてゐる。それを削り取つて治療する間に、血は兵が掲げた盆に一杯になつたが、關羽はふだんのとほり談笑してゐて顔色一つかへなかつた。
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ちなみに野村『三國志物語』は諸葛亮が亡くなり柩が成都に届けられるまで描かれ1ページでその後の中国がどうなるかが書かれてある。
それで3報の博士論文が届き、まず初めて読む方を手に取る。それが下記リンク先にある柴生芳「中国における墓主図像の研究 : 魏晋南北朝時代を中心として」(神戸大学2002年9月30日)だ。
・中国における墓主図像の研究 : 魏晋南北朝時代を中心として ([柴生芳]): 2002|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004271778-00
「墓主図像」ってあたりに惹かれたものの、「魏晋南北朝時代」と銘打たれていて、どうせ南北朝時代ばかりなんだろうと高をくくっていた。それの入った封筒から取り出すと二冊組。梁蘊嫻さんの博士論文と同じく本文編と図版編の二冊だ。まず図版編を見ると、その画質に驚く。あからさまに写真をプリントアウトしたようなものだったが、返って大量印刷の普通の出版より鮮明かと思えた。博士論文で少数刷るだけで良いだろうからコピーを重ねなくて良いからか、と勝手に解釈していた。それにほとんどの図には「墓主」を拡大した画像もあり、『漢代の文物』(1976年)のスケッチや『西北出土文献研究』第5号(西北出土文献研究会2007年3月)のように写真を印刷したものの白黒な上、画像が鮮明でないものに比べ、格段に良い。もちろんそれでも判別が付かないところがあるので、依然、スケッチの長所に敵わないところはあるんだけどね。
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1976年 林 巳奈夫/編「漢代の文物」
メモ:「中国服飾史上における河西回廊の魏晋壁画墓・画像磚墓」
しかもタイトルの割には後漢の図像が多く、清岡が見たかった進賢冠の写真がばっちりあった。本文は、中国の死生観などが当時の辺境からやってきてやがて融合する異族の影響でどう変容していくかを「墓主図像」から読み取っていくのだけど、その大事なことをそっちのけで図像編ばかり見ていた。
そんなふうに時間を消費して気付けば11時になっていて、その博士論文3報を総合閲覧室から少し出たところのロッカーに預け、代わりに弁当を出し、そのまま4階に行き、昼食をとる。やはり『20円の缶コーヒーを買って、
エレ片のポッドキャストをききながら食事をとる。
一時間ぐらいで戻ってきて、再び件の論文の図像を見る。結局、今、レシートを見ると、12時57分にB4カラーコピー130円×2枚+税=280円という感じでカラーコピーをとったようだ。コピーを取ったのが、p.19の図36 主車と従者 洛陽朱村墓車馬出行図の中段、図37 洛陽朱村墓車馬出行図の主車、p.24の図46 男墓主と男侍 朱村墓の墓主夫婦宴飲図の部分(一)、図47 男墓主、図48 男墓主の頭部の五つの図だ。図37は三本の梁と二本の梁が並んでいるし、図47ではバッチリ一本の梁でそれに附随する透明度のある幕が表現されているところが見れた。両方も下記のブログ記事でスケッチされてた画像だ。共にC図。
・青木朋HP++青青
http://aoki.moo.jp/
・冠 (※上記サイトのブログ記事)
http://blog.aoki.moo.jp/?eid=222921
p.24の方の後のページには女墓主の図像もあって、下記関連記事のときにそういえば三国時代の女性の服装について聞かれたな、と思い出していた。
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メモ:赤壁 ─苦肉の計(川本喜八郎人形ギャラリー2014年4月25日-11月4日)
この鮮明な図像を見たとき軽く興奮気味でニヤニヤしていたんだけど、仮に他の三国志ファンが傍にいても共感や理解して貰える自信がまったくもってないな、と思っていた。
あとp.45の図91には、林 巳奈夫/編『漢代の文物』の押圖p.82にある「5-22 幕を張った宿營 魏晋 墓室壁畫 嘉峪関」のスケッチ元となる画像石の写真があり、それもp.46の図92に拡大写真があったものの確かにスケッチじゃないと判りづらいと納得した。
※関連リンク
・三国志の時代の陣営について (※「
三国志ファンのためのサポート掲示板」内ツリー)
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=3472
あとムックでよく使われる、ボストン美術館所蔵の唐代の歴代帝王図の写真を見かけたり。今、ざっと三国志ニュースを見返すと、『図解 すぐに理解できる! 中国歴代王朝と英雄たち』(綜合ムック、ISBN4862980856)の表紙に使われている……唐代ね(メモ)。
※関連記事
三国志 真の最強は誰だ?(2013年8月2日)
※次の記事
メモ:江戸文学における『三国志演義』の受容 (東京大学2010年10月28日)
※追記
漢代二十等爵制の研究(2014年2月28日発行)
※追記
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