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東アジアにおける皇帝権力と国際秩序(2020年3月27日出版)
2021年2月17日水曜日。これを読んでいる人にとって関係ない話だけど、下記関連記事のの記念番号5500のに続いて今回で記事番号5600で記念となる番号だ。
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流行病のご時世だし特に記念記事にふさわしいトピックもないのだけど下記関連記事に続く大学入試に三国関連がないか、下記サイトをチェックするシリーズの一つが結構、大作になったの記念記事にする。
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関西大学の世界史入試で三国志関連2021(2月5日)
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早稲田大学の国語世界史入試で三国志関連2021(2月12日15日18日)
・大学入試 - 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/nyushi/
下記関連記事の昨年と同様、今年もこの大学の入試に三国関連がある。
・同志社大学
http://www.doshisha.ac.jp/
※昨年記事
同志社大学の日本史世界史入試で三国志関連2020(2月5日10日)
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※次年記事
同志社大学の日本史入試で邪馬台国関連2022(2月5日)
全部で5本あって、まず「全学部(文系)(2月5日実施)」の日本史。〔I〕に6つの説明文とそれに対応する12の問題がある。その中で下記に引用する問題文がある。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【設問ク】下線部ク以外にも、九州北部には福岡平野の西に中国系青銅鏡が多数出土する遺跡がみつかる地域がある。その地域に相当し、『魏書』東夷伝倭人条に「一大率」がおかれたと記載された国の名称を解答欄I-Aに漢字で記せ。
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この答えは「伊都国」なのだけど、トピックはそこじゃなくて、引用部分の「『魏書』東夷伝倭人条」。下記関連記事にあるように三年前にも同大学で同様のことをやっており、書きたいことはそこに書いたのだけど、意地でも「三国志」と書かないスタイルなのか、同志社大学は正史の魏収撰『魏書』が存在しない世界線に居るのだろうか。しかも次の日の入試の世界史にはその北魏が出てくるのだけど。
※関連記事
同志社大学の日本史入試で三国志関連2018
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URL:伊都国「王墓」ガラス玉、「草原の道」から 中央アジア出土品と一致(朝日新聞デジタル 2021年9月18日)
いや日本史だけじゃなく、世界史でも下記関連記事にある調子のときが悪印象だったので、当大学の中国史は大丈夫なのか心配になってくる。
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同志社大学入試で三国志関連
それで次の日の「文・経済(2月6日実施)」の世界史の〔II〕は中国の思想史の長文で四段落目に以下に引用する箇所他、「魏晋南北朝時代」と出てくる。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
仏教の普及に刺激されて道教が成立したのも魏晋南北朝時代のことである。道教は五斗米道などの民間信仰や神仙思想および道家の説がもとになってできたもので、
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この引用部分の「五斗米道」に下線が引かれそれが宗教結社に関する設問9につながる。その設問では4つの文の正誤を判定する問題となり、2つ目の文が「華北の宗教結社太平道の指導者張角が困窮した農民を組織して黄巣の乱をおこした。」とある。「黄巣」が誤っており、文全体が正しくないものとなる。
次の日の国語に「政策・文化情報・生命医科・スポーツ健康科(2月7日実施)」の『建康実録』がでてくるものの、特に三国につながらなかった。
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メモ:[唐]許嵩撰『建康實録』
一報、日本史では〔I〕の「古代・中世の政治に関する文章」の4つあるうちの1番目の一段落目が三国、というより邪馬台国関連で、以下に引用する。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
邪馬台国の所在地については近畿地方に求める説と、九州地方に求める説がある。近畿説においては、古墳出現期の3世紀中頃の古墳で、この時期の最大の規模を持つ( ア )古墳が奈良県桜井市に存在することは注目されている。古墳は遅くとも4世紀中頃までに東北地方中部にまで波及した。
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「( ア )」には「箸墓」が入り、その引用部分に「奈良県桜井市」に下線が引かれ、それに対応する【設問a】では「2009年に3世紀前半頃の大形建物跡が発見され」た遺跡の名称を問う問題で、答えは纒向遺跡となる。
※関連記事
リンク:箸墓古墳立ち入り調査(2013年2月20日)
卑弥呼の宮殿?奈良で3世紀の大型建物跡出土(読売新聞2009年11月10日付)
最後は「神・商・心理・グローバル地域文化(2月9日実施)」の日本史。〔I〕が「古代から中世初期にいたる外交と国際関係」に関する文章の一段落目に次に引用する文、『三国志』巻三十魏書東夷伝の記述が見える。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2世紀後半には、東アジアの国際秩序の核をなしてきた後漢の滅亡が一因となり、「倭国大乱」とも酔われる混乱が長く続く。女王卑弥呼の共立によりようやく終息をみたと『魏志』倭人伝は伝えている。魏が238年に楽浪・帯方両郡を押さえたのをみとどけた卑弥呼は、夜後年速やかに使を遣して交渉を開始する。魏は「親魏倭王」の称号と金印紫綬を授け、卑弥呼が晩年の247年ころに( ① )と争った際にも、帯方郡大守に命じて支援させている。
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※「帯方郡大守」は原文ママ。「太守」じゃなくて?
「( ① )」には「狗奴国」が入るのだけど、それはさておき。前述したように「『魏書』東夷伝倭人条」とした四日後に「『魏志』倭人伝」といった先祖返りを起こしているんだけど、それは下記関連記事にある2年前の同大学の入試でも似たような状況だ。さらに共通点をさがすなら、2年前が「グローバルコミュニケーション」で今年が「グローバル地域文化」で、つまりこの大学はグローバルに「魏志倭人伝」の五文字を刷り込もうとする姿勢が見える。
※関連記事
同志社大学の入試日本史で三国志関連2019
ともかくこの大学の入試の日本史を見るに、下記関連記事にあるように、2013年から2016年までの間以外は『三国志』という史書名を奪う方向なんだな、と。
※関連記事
同志社大学の入試で三国関連2016
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