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メモ:賢聖障子の研究(尾陽:徳川美術館論集2009年6月)
前の記事に続いて2018年11月24日土曜日昼、国会図書館に居た。元々、上野の国際子ども図書館にも行こうと思っていたけど、ここでやることが多そうだったので、中止。前提として、13時過ぎには出発して鈍行で帰ろうと思っていたから。
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四コマ三国志(バーガーSCデラックス1997年2月26日)
・東京本館|国立国会図書館―National Diet Library
http://www.ndl.go.jp/jp/service/tokyo/
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筆記インタビュー 江森備(活字倶楽部2007年秋号 10月25日発売)
閲覧申請していた、川本重雄・川本桂子・三浦正幸「賢聖障子の研究(上)――仁和寺蔵慶長度賢聖障子を中心に――」『國華』1028号(國華社1979年11月)p.2,pp.9-26,図3,6,7、川本重雄・川本桂子・三浦正幸「賢聖障子の研究(下)――仁和寺蔵慶長度賢聖障子を中心に――」『國華』1029号(國華社1979年12月)p.2,pp.7-31,図3,5がカウンターに届いたということで、取りに行く。
・賢聖障子の研究-上-仁和寺蔵慶長度賢聖障子を中心に|書誌詳細|国立国会図書館オンライン
http://id.ndl.go.jp/bib/2104154
・賢聖障子の研究-下-仁和寺蔵慶長度賢聖障子を中心に|書誌詳細|国立国会図書館オンライン
http://id.ndl.go.jp/bib/2105561
学術誌を閲覧申請したはずなのに雑誌カウンターで出されたのは小さな箱。まったく説明してくださらなかったんで、一瞬、小さい本が入っているのかと思ったら、もっていってあけてみるとマイクロフィルムだった。そのため、本館の複写カウンターの近くにある、マイクロ資料閲覧コーナーに向かう。
マイクロフィルムの閲覧は初めてで勝手がわからなかったがそれを見る端末のところにマニュアルが置いてあったので、それを読みながら操作するとあっさり要領がわかった。巻物状になっているマイクロフィルムをセットしてそれをハンドルを回してページ(フィルム)を送って端末に備え付けられたスキャナーとカメラを組み合わせたような読み取り機でモニターに映し出し、ほしいページを撮影しデータ化するという流れ。カメラを含めた読み取る機械はピントを自動であわせてくれるしすごくハイテクなんだけど、ハンドルを手で回してページを送るというアナログさとギャップがあって面白い。しかもそのマイクロフィルムは『國華』1006から1029号まで収録なんだけど、ほしい部分は一番後ろとあって、ずっとハンドルを手で回し続けていた(そして片付けるときは同じ分だけで逆回しにした)。巻物から探し出す苦労もおかげでわかったよ。そしてマニュアルどおり欲しいページをばっちりデータ化して送信した。つまりマイクロフィルムからデジタル化したデータをA4の紙にプリントアウトする作業というアナログ→デジタル→アナログな流れ(笑)。12時52分、25枚×14円でマイクロフィルムのプリントアウト。ついでに12時56分、10枚×23円 モノクロ複写 230円、前の記事で紹介した論文ね。
話を戻し「賢聖障子の研究――仁和寺蔵慶長度賢聖障子を中心に――」について以下に目次を示す。
1028号 (上)
9 はじめに
10 第一章 賢聖障子の成立時期について
11 第二章 平安・鎌倉・室町時代における賢聖障子の諸相
12 第三章 近世の内裏造営と賢聖障子
22 註
1029号 (下)
7 第四章 仁和寺藏慶長度賢聖障子
7 第一節 慶長度紫宸殿の仁和寺下賜と寛永・正保年間の仁和寺再興について
11 第二節 慶長度紫宸殿の仁和寺金堂
13 第三節 仁和寺藏賢聖障子の復原
19 第四節 慶長度賢聖障子と狩野孝信
23 第五章 狩野孝信の傳記と作品
26 註
目次からもわかるように(上)で賢聖障子の歴史変遷を論じ、(下)でサブタイトルにある仁和寺藏慶長度賢聖障子について論じられてある。(上)で明らかにされているが賢聖障子とそれを使う場の内裏とは密接な関係にあり、内裏を建て直す度に賢聖障子が描き直す傾向にあるそうで。それで内容が多いんで三国関連を記すと、(上)のp.18に「挿圖9 寛文度賢聖障子(東京藝術大学藏「常信縮圖」より)」「挿圖10 延宝度賢聖障子(東京藝術大学藏「常信縮圖」より)」があり、前の記事で触れた寛政度賢聖障子のとは違って、それらにそれぞれ葛巾羽扇の諸葛亮が描かれている。またp.25に「挿圖14 賢聖障子畫模本(冊子)」が載せられ、そこに葛巾を戴く諸葛亮の胸像が描かれる。また某家に現行の寛政度賢聖障子の縮小版が所蔵されており、それがp.25に「挿圖15 某家藏 縮小賢聖障子」として掲載されていて諸葛亮像も載る。(下)のp.14に「表2 仁和寺藏賢聖障子寸法表」があって、「裏端書」(p.15によると「賢聖障子が立てられた場所」)の欄で、諸葛亮は「東ニノ内」(後の論考を見ると東は二間分しかない)とあって現行のと同じだけど、鄭玄は「五ノ」(現行西二間、あとの論考を見ると、中間を抜いた東からの位置で西一間)、羊祜は「四ノ」(現行西三間、あとの論考を見ると、中間を抜いた東からの位置で西二間)となっている。p.15によると、その場所の記述は筆跡の違いから同じく裏に書かれた人物名より時代が下ると推察されており、さらにその通りに配置するとp.16「不自然で、再吟味する必要があろう」とのこと。その「仁和寺藏賢聖障子」だけど、p.15に「挿圖9-b 仁和寺藏賢聖障子 諸葛亮圖」があって延宝度賢聖障子と違って羽扇を持たないがそれと同種の葛巾らしきものが描かれている。そのことについては人物像の順番についての考察の流れで触れられておりp.16に「獨特の被り物(孔明頭布)をつけた諸葛亮、手には羽毛の團扇ようを持ち、被物をつけた傅説、齢百餘という太公望の姿など、制作年代の差や畫家の違いにもかかわらず、仁和寺藏のいくつかの賢聖圖と他の賢聖像との一致を見出すことができる。」とある。
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賢聖障子に諸葛亮、鄭玄、羊祜(京都御所紫宸殿2018年11月1日-5日)
OVERLOAD III #11(2018年9月18日)
またそういったp.16には以上の論考も含めた「表3 賢聖障子配列順序」(5行分)があり、そこに『太平記』からのも含まれる。同じくp.16の本文に「(I)の『九条家本延喜式』、『太平記』、『拾芥抄』や、(II)の『古今著聞集』は、いずれも平安時代の平安宮内裏における賢聖障子の配列順序を記述したものである。」と説明される。時代変遷があることは下記のTwitter Accountの下記Statusで気付いてどんなものなのか興味があったので。本文ではそこから配列に関する論考が続く。
・おもも (omomo_u) on Twitter
http://twitter.com/omomo_u
・Twitter / omomo_u: 岩波文庫の太平記(西源院本)からの引用ですけど、東の一間に、馬周、房玄齢、杜如晦、魏徴、二間に諸葛亮、蘧伯玉、張子房、第伍倫、三間に、管仲、劉向、子産、蕭何、四間に、伊尹、傅説、太公望、仲山甫。→ ...
https://twitter.com/omomo_u/status/1059061804255465472
・Twitter / omomo_u: 西の一間に、李勣、虞世南、杜預、張華、二間に、羊祜、揚雄、陳寔、班固、三間に、桓栄、鄭玄、蘇武、倪寛、四間に、董仲舒、文翁、賈誼、叔孫通でした。書き写した人が途中で自分の好みで書き換えたりとかもあったのかなぁ…… ...
https://twitter.com/omomo_u/status/1059062003359133696
それで当日の話に戻すのだけど、帰宅への出発の時間までノートPCの充電に粘っていたら、予定していた13時17分発の列車に乗り遅れて23分発のにのり東京駅で2分乗換えになった。13時37分発東海道本線快速アクティー(熱海行)。14時ぐらい横浜駅で座れる、しかもロングシート端。せっかくなんで「「明光甲」考」を読んでた。いつの間にか眠っていて小田原駅で目覚める。熱海駅で乗り換え、沼津駅での待ち時間で17アイスのクッキー&クリーム160円を買ってすぐ食べる。「「明光甲」考」を読み終えると、古い方の「賢聖障子の研究」の論文を読む(中身は前述の通り)。
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メモ:「明光甲」考(美術史研究 38 2000年12月)
静岡駅→用宗駅、眠る。17時、三国志ニュースの記事「
「三国志」の世界とその魅力(10MTVオピニオン2017年11月10日収録他)」のかけるところをかいておくか。磐田駅で大勢人が入ってきた。サッカー観戦?18時20分、古い方の「賢聖障子の研究」を読む。挿絵には葛巾と羽扇が描かれていたし(上)、本文にも触れられていた(下)(※いやこれも前述のとおりなんだけど時間をあわせるとこのタイミング)。18時35分、頭がそこそこ痛い。豊橋で食料+薬だな。18時49分、贅沢にも豊橋駅の成城石井で酸辣湯面(サンラータンメン)529円を買う。レンジであっためてうまい!そしてEVEを飲む。そして気づけば千円札が2枚しかない。19時59分、名古屋駅で「
「三国志」の世界とその魅力(10MTVオピニオン2017年11月10日収録他)」をできる分を書ききる。そして柏原駅までばっちり眠る。22時22分京都駅に到着。
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