『電脳中国学II』の編纂団体として、またサイト「Kanhoo!東洋学サーチ」の運営団体として、著名な学術団体「漢字文献情報処理研究会」には、下記に示すように1998年10月13日開設のサイトがある。
・漢字文献情報処理研究会
http://www.jaet.gr.jp/
この研究会は名前の通り東洋学分野における情報処理の研究に関連した会であり、年一回、会誌発行と大会開催を行っている。『漢字文献情報処理研究』は第1号から第7号までネット上にPDF形式で公開されている。今年2009年の第12回大会は12月20日に京都の花園大学で行われるとのこと。
この会は直接的に「三国志」に関係なく、強いて言えば会誌『漢字文献情報処理研究』第5号に『《三国演義》電子資料庫』という学術ソフトを紹介しているぐらいである。ではなぜ「三国志ニュース」で取り上げるかというと、研究会の取り扱う対象が東洋学に関わる文字コード、データベース、知的財産、語学教育と、ネットにおける「三国志」関連と切っても切れない関係だからだ。
また、『三国志平話』の訳者としてお馴染みの二階堂善弘先生や中川諭先生のお名前が見えるし、ネットにおける東洋史サイトでお馴染みの山田崇仁さん(「
睡人亭」)や秋山陽一郎さん(「
過立齋」)のお名前も見える。
※関連記事
道教の美術 TAOISM ART(2009年9月15日-10月25日)
第3回三国志シンポジウム 雑感2
リンク:20世紀の三国志サイトの話題
モバイル電子文献
※追記
リンク:「趙岐『孟子章句』の特徴」
この研究会では月一回、メールマガジンを発行しており、サイトからリンクを辿ることでバックナンバーも読むことができる。そのメールマガジンは主に一つは会員専用の掲示板への各トピックへのリンクとその要約が纏めてある。会員でないとその掲示板は閲覧もできない訳だけど、それでもその要約を時代順に読むことで、その時々の社会の動きがこの分野にどう影響を与えているか、垣間見ることができる。もう一つは自他共に認める「目玉」の「気まぐれコラム」がある。
『漢字文献情報処理研究』より先にメールマガジンのバックナンバーに目を通したものだから、それらの中で、個人的に興味のあったものをリンクとして下にピックアップしてみる。
・中文電子図書館サイトの勃興
http://archive.mag2.com/0000083458/20020515120000000.html
・テキストデータ・ロンダリング
http://archive.mag2.com/0000083458/20020615160000000.html
※清岡のコメント。ここらへんの中国の電子文献事情(もちろん『三国志』含める)は『電脳中国学II』でも少し触れられていたけど、サイト「中華文化網」の出来たいきさつとその後の影響力、つまり「中華文化網」とデッドコピーのサイトができている理由を知り得て興味深かった。「中華文化網」の電子文献はHTML形式なんだけど、そのソースを見ると、METAタグの「Author」のところが「呉恆昇」さんになっている。そのため、「中華文化網」の電子文献をまるまるコピーしたサイトかどうかはHTMLファイルのソースをみると知ることができる。元の「中華文化網」が無くなった今でもネットでよく見かけるんだよね。
・今年の中文電子文献
http://archive.mag2.com/0000083458/20030101233000000.html
※以前、『基本古籍庫』(もちろん『三国志』関連の史料が網羅されている)を利用する機会が一度あったんだけど、購入するとなると1000万円以上になるんだね。あれを使うとなると同時のアカウント数で制限し、シェアして使うわけだ。
・Googleブック検索と学会・研究会
http://archive.mag2.com/0000083458/20090601234500000.html
※どういった場合に検索エンジンを使うかに共感する。重要なことはほとんど使用しないし。一個人が検索エンジンを使う場合のモデルみたいなのを作った上で考察するのは
個人的な興味の一つだね。あと本題の学術出版社に関することも興味深いこと。こういった現象は他にも当てはまることだし、ある共通テーマで情報を一カ所に集結させ効果的に使用される需要というのを再認識した。
※リンク追記
・Twitterでのカンニング告白騒動
http://archive.mag2.com/0000083458/20110801200000000.html
※今を記録した資料としても良い。
あとこのメールマガジンの面白みの一つとして毎年4月1日に必ずエイプリルフールネタがあるのも取り上げないわけにはいかない(笑)。
※追記
京都で哲舟さんを囲む会(2013年2月5日)
※追記
官兵衛と軍師を描いた文豪たち展(2014年7月5日-8月24日)
※新規関連記事
デジタル時代の中国学リファレンス(1)(漢字文献情報処理研究17号2018年1月25日発行)
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