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リンク:「漢代の飮食」
趙岐字邠卿は『後漢書』列伝五十四に立伝されており、後述する生没年を見るに年九十程も長生きした人物だ。その生きた時代は後漢末の激動期でいろんな事件が起こったもののそれらに特に関わり合いがなく、歴史の表舞台に出たとは言いがたい人物だ。しかしながら『孟子』に注釈(というより章句)を入れた『孟子章句』の著者として有名らしく、それほどであれば、何か論文が書かれているのではないかと思い、下記のバナーのリンク先にあるCiNii(国立情報学研究所提供サービス)で検索すると、下記のページが出てくる。
齊藤 正高「趙岐『孟子章句』の特徴--「注釈」と本文の語彙頻度比較を通した問題発見 (特集2 N-gramによる漢字文献の分析)」(『漢字文献情報処理研究』第5号 (200410) pp.82-92 漢字文献情報処理研究会 )
http://ci.nii.ac.jp/naid/40006661695
ここでは特にオンライン上でこの論文が読めそうにないが、実は下記の漢字文献情報処理研究会のサイトで閲覧可能だ。「書籍と雑誌」のところにPDFファイルがある。
・漢字文献情報処理研究会
http://www.jaet.gr.jp/
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リンク:漢字文献情報処理研究会
本として購入でき、下記の好文出版から2100円で出版されている。
・株式会社好文出版 【ホーム】
http://www.kohbun.co.jp/
・株式会社好文出版 【電脳】
http://www.kohbun.co.jp/mokuroku/dennou/dennou.html
目次は下記のようになる。aが左のカラム、bが右のカラム。
82a はじめに
82a 『孟子章句』の基本的性格
83b 趙岐の生涯と学問
84a 方法
84b データの構築
85b 数量化
86a 結果
86b 意
87b 名
88b 注釈頻度が0の文字について
89a 本文頻度が0の文字について
90a N-gramからみた特徴
91a まとめ
91a 注
この「『孟子章句』の基本的性格」のところで「趙岐(109-201)」となっており、肩文字で「[3]」と注番号が振られている。それを辿ると、本田 濟「趙岐『孟子章句』について」1980(『池田末利博士古稀記念東洋学論文集』所収)からの説となる。この節でタイトル通り、『孟子章句』の概要が判り、次の節の「趙岐の生涯と学問」でタイトル通り趙岐の概要が判る。それにしても「結果」の「名」に書かれる「仁義之道」を多用する背景を唐氏の脅威に見て取っている辺り、妙に納得した。
※次記事
リンク:曹操と殊礼(2012年6月)
※追記
ノート:三国志学会シンポジウム(2013年9月21日)
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デジタル時代の中国学リファレンス(1)(漢字文献情報処理研究17号2018年1月25日発行)
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