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聖☆おにいさん 20巻(2022年7月22日)
2024年11月12日火曜日、表題のものを購入するのだけど、ウェブの『裏サンデー』掲載とは知っていたもののずっと小学館の青年マンガと思い込んでいて、書店で見つからず入荷していないものかと諦めかけ店内端末で検索すると在庫が8冊あって、それの導きで購入できた。少年マンガのところに各巻の表紙が見えるように棚に置かれていて人気作なんだな、と。その日から徐々に読んでいたのだけど、まず記念撮影からの基本情報
何を購入したかというと、下記サイトの下記ページにあるように小学館より2024年11月12日に松木いっか『日本三國』第6巻(ISBN9784098537099、2024年11月17日発行)が792円(税込)で発売されたという。ポータルサイト『裏サンデー』連載。
・小学館コミック – 小学館のコミック情報が全てここに。
https://shogakukan-comic.jp/
※関連記事
卑弥呼 -真説・邪馬台国伝- 第15集(2023年12月27日発売)
・日本三國 6 | 書籍
https://www.shogakukan.co.jp/books/09853709
※前巻記事
日本三國 第5巻(2024年7月11日発売)
・裏サンデー
https://urasunday.com/
まず上記ページから下記へ内容紹介文を引用する。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈 書籍の内容 〉
武凰攻め、開始。
天満王・平 殿器の日本統一を
見据えた武凰攻めが始まった。
仙台要塞の司令官・狩野 千代のもとへ、
奥和軍師団長の九羅 珀亜が迫る。
大雪の仙台が、血で染まる――
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
以下ネタバレ気味に書くのだけど、とりあえずの三国志ネタは
p.193 k.4
三角「なんっじゃその理屈…! まぁ確かに?儂があの時それに触れんかったのも悪かったですが… というか義兄弟の契りを結ぶなら、 儂は貴方となんか桃園とかで盃交わしたりとかそういうのやりた―――――」
と義兄弟の話題が主役まわりに出てきたときの主役による『三国志演義』ネタ、直接的な単語は「桃園」のみで、「第一回:宴桃園豪傑三結義、斬黄巾英雄首立功」の場面がほのめかされる。
そもそもこの作品は日本が3つの国に分かれた近未来の話であるが、そこで描かれるのは、せいぜい大砲ぐらいしか近代兵器(?)が出てこない、自動車の類がない白兵戦が中心の世界設定。外国の存在も感じられず、途中の巻の終わりに年表等で詳細な歴史が開示されていたがどうも実感としてはあまりない。作品本編としてはその舞台設定が徐々に程よく描写されている印象を受ける。今巻、そこらへんがセリフ中に現れるとても興味深いのがある。主役らが馬車を乗り継いでの移動の後、p.201 k.2で新幹線で大阪山口が2時間で行けたのにおどろく場面があって、なぜ前時代に新幹線がなくなった理由が、k.3「戦争回避を目的とした科学弾圧」があったと明かされる。次のページのk.1でその同時期に「世界では核大戦が起きてたとはいえ…」と何気ない一言で描写されるあたりが想像力を刺激されるね。「科学弾圧」ってのが妙なリアリティがあって怖いぐらいだ。6巻のこれ以前の場面で新幹線の遺構がうまく舞台装置に使われていてその前提説明でもあって面白いね。
戦争が起こる政治的な流れとか、前近代的な重厚な歴史を感じさせる場面や描写があって、時たま一般的でない単語などに注釈が入る時がああり、例えばp.39のコマ間に【輜重】に注釈が入ったりと。かと思えば現在の日本の文化と陸続きと感じさせる注釈、p.176 k.4内「【おまいう】お前が言うなの略」と。また前時代の書物にあった「タイムリープ」に言及するセリフのコマ(p.14 k.2)の本棚には 『ソクラテス転生』『34歳フリーターが人生やり直した件』と書かれた背表紙の本が並び、なろう系小説を彷彿とさせ前時代とのつながりを感じさせる。
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今回、三国ネタというよりむしろ戦国や幕末の日本史ネタを感じさせ、終盤の山口の壇ノ浦への視察はそこの当主が毛利家で、p.183 k.1での「明倫館」など、長台詞での幕末ネタのぶち込みようだし、この巻のメインとなる宮城侵攻では仙台要塞の場面転換には伊達政宗像が描かれており、何より、侵攻軍に右目に眼帯をつける「隻眼狼」と呼ばれる女性の将が登場する(いや歴史ものは既成事実があって、女性の将をなかなか出せないという縛りがあるんで、未来の話のこの作品の特長の一つとして敢えてこういう書き方をしたのだけどね)。北からの侵攻に対抗するのは仙台要塞で民を抱える「民ビッグラブ」と評判の司令官、こう書くと三国志ファンにとって新野に居た頃の劉備を彷彿とさせるが実は……という流れ。
この作品の圧は良い意味で強くて、ウェブの頃はどうか知らないが、ページの外側の余白がまったくなく、迫力ある画を見せる(その分ノンブルがまったくなく、ノド、つまり本の内側のところの各話のページ数があるぐらいで)。そのため、単行本の開く側を見ると見事に白と黒のまだら模様なんだけどね。同じ小学館の回想コマ外黒塗りページが多い『フットボールネーション』とは対照的。
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あと今さらだけど、大和、武凰、奥和の三国の行政区画はそれぞれ郡、県、省と違ってたんだね、そういう細かい設定面がこの作品の魅力でもあるわけだけど、今回、カバーを外したところにあるのは、模様のような幕末期についての縦書きの細かい文章。それには注番号が入っているけど、どっかにつながっているわけではなさそうだけど。
pp.222-223の次巻予告とSTAFFと参考文献。2025年4月中旬だって。参考文献には安定の『三国志』ちくま訳本と『全譯 後漢書』。
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全譯 後漢書(2001年12月26日-2016年12月5日)
次が発売するまで読み返して、『パリピ孔明』第18巻が発売したときの下記動画みたいなのを作りたいな、って思うよな。
・三国志ニュース定期便 パリピ孔明 18巻手前までなるべくネタバレ避けてのあらまし紹介 2024年8月11日
https://youtu.be/i1-R5IbthiA
日常の記述に戻り、22時10分三国志ニュースの記事「
パリピ孔明 19巻(2024年11月6日)」アップ。三国志ニュースの記事「
邪馬台国への国々をたどる(東京都新宿区2024年12月3日)」を書く、11月13日水曜日6時12分アップ。6時37分、それまでの前2回とも登録者数より少ないぐらいだったけど、下記の動画が初めて視聴回数3桁いった、登録者数の実に6倍。めでたい。
・三国志ニュース定期便 日本最古の幻の三国志マンガを求めて 2024年11月10日
https://youtu.be/tHXNYIxQVMM
11月14日木曜日5時45分、三国志ニュースの記事「
聖☆おにいさん 20巻(2022年7月22日)」アップ。アニメのリゼロ#57 原作未読。今までのスバルの行いがいい意味で報われる回。良いねぇ。
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