『ミステリーボニータ』で連載してる青木朋先生/著『八卦の空』。三国志およびその注に名が見える人物、紀玄龍や管輅(字、公明)のコンビが奇々怪々な事件を解決するオリジナリティ豊かな漫画なのだ。
近頃、読み切りものが続いたけど、『ミステリーボニータ』2007年7月号では久々の続き物の第一回目。一番、近い続き物では司馬子元(司馬師)が出てきていたけど、今回も司馬子元が登場している。
前回、司馬子元が登場した話はおそらく今月15日発売の単行本3巻に収録されているので未見の人はそれと合わせて読むとより面白い。
・『ふしぎ道士伝 八卦の空』3巻、6月15日発売決定
http://cte.main.jp/newsch/article.php/572
・司馬師登場
http://cte.main.jp/newsch/article.php/466
というわけで、いつものように関連リンクから。そういや今回の『ミステリーボニータ』の裏表紙の裏かわにちいさくだけど単行本3巻の表紙がカラーで描かれてあった。なるほど涼しげな格好だ……というか微妙に工□くないか?(笑) 表紙の親トラ、裏表紙の仔トラで対になっているんだね。
※関連リンク
・秋田書店
http://www.akitashoten.co.jp/
・青木朋先生のサイト「青木朋HP++青青」
http://aoki.moo.jp/
・青木朋さん(私設)ファンクラブ
http://bluefan.exblog.jp/
・ミステリーボニータ7月号に「八卦の空」(ブログ『
青青日記』)
http://blog.aoki.moo.jp/?eid=643117
<前回>2007年5月7日『八卦の空』(ミステリーボニータ6月号)
http://cte.main.jp/newsch/article.php/585
<次回>2007年7月6日『八卦の空』(ミステリーボニータ8月号)
http://cte.main.jp/newsch/article.php/640
それで以下、ネタバレ気味にたらたらと書いていこう。というわけで数行先ネタバレ注意。
先月11日から27日まで奈良県文化財研究所飛鳥資料館でキトラ古墳壁画「玄武」(石室内北面)の特別公開があって、昨年は「白虎」(石室内西面)が特別公開されたものだから、来年は「朱雀」(石室内南面)もしくは「青龍」(石室内東面)で、再来年は残りの一つ、三年後の2010年はその四枚、つまり四神が一辺に特別公開されると噂がある。
今回からの『八卦の空』はそんな四神や木火土金水の五行に深く関わる話なのだ。
・メモ:五行相生説
http://cte.main.jp/newsch/article.php/562
今回の表紙は見開き上二分の一てな感じ。朝服姿の祝英青&玄龍くん。読み進めていくと、のっけから結構、遊び心たっぷりなコマが多く(特に薬を気軽に飲む官吏二人はすごくウケた)、なんか気持ちよく読んでいた。その調子なものだからてっきりそのまま行くかと思ったけど、前回登場時、あれだけコミカルに崩れた姿を見せていた司馬子元がシリアスなままなもんで、これは何かが起こる予感。そして次々出てくるキャラクターたち。情報の並べ方からいくとこりゃ読み切りで済まないな、と思っていたら案の定、続き物。
話のメインは都で流行っている寒食散という薬を巡る話。詳細は見てのお楽しみなんだけど、ワクワクの新展開でビックリした。
鍛冶師の朱親方は寒食散のおかげで病から立ち直ることができていた。その親方の元にいる朱火煙は同じく鍛冶師で、コンテスト用に鳳凰の銅像を作っていた。ところが頼みの綱の炉が破壊され、自分の力ではどうすることもできないんで、力をつけてくれると言われる寒食散を飲むことに。そうすると見事な鳳凰像を作り上げ、コンテストに優勝。しかし、火煙はそれ以上の力が目覚め、司馬子元に操られる立場となる。実は、寒食散を流行らせていたのは司馬子元でそれには目的がある。寒食散で人々に眠る力を覚醒させて、その中から優れた力を持つ者たちを「五星将」として手元に置こうと画策している。すでに司馬子元の配下には「水星将」の秀水(おかっぱ好きの人お待たせしました(?)。おかっぱの男の子がでましたよ)。それと楽器が巧い「木星将」の女の子(名前不明。法則からいくと「青」とか「木」とか名前に付きそうだけど・笑)。これに新たに「火星将」の火煙が加わる。それぞれの額に玄武、青龍、朱雀のようなマークが浮かんでいるし、たびたび力の象徴として四神が出てくる(それにしても「土星将」はどのマークが使われるのか意地悪っぽく思ってみる)。この力というのは「火星将」であれば火炎を出すし、「水星将」であれば水を出す(進化すれば鉄砲水みたく強力になるのかな?)。それにしても未登場だけど「木星将」の力って絵的にかなりグロくなりそうな予感(『幽☆遊☆白書』の蔵馬みたいな?)。
司馬子元の命令で祝英青を殺そうとする「五星将」の三人。ところが間一髪のところで阻止される。密かに阻止した人物は真の黒幕、魏伯陽って呼ばれる男。そこで次号に続く。
うーん、先が気になるな~
ちなみに魏伯陽って軽く検索してみると、
舊唐書經籍志に
周易參同契二卷 魏伯陽撰。
周易五相類一卷 魏伯陽撰。
周易林四卷 管輅撰。
と出ていて、管ちゃんの著作と並んで、その著作が出ている。
また、抱朴子内篇卷之十九 遐覽の注に
魏伯陽内經 魏伯陽、後漢會稽人、著周易參同契、論錬丹之意。見葛洪神仙傳。
とあり、葛洪の神仙伝を読めってことだけど、もってないや(汗)
<6月15日追記>
というかコミック3巻みて気付いたんだけど、魏伯陽ってもしかして五石先生? 話の終わりの欄外の煽り文も既知の人って感じだったし……いや話の作りが似ているのは偶然だと思って、話を越えた伏線って線を考えなかった(汗) そうだとしたら物語に深みが出てくるね。三巻はまだ見ぬ四巻への伏線が散りばめられているって感じで。
※追記
京都国際マンガミュージアムメイン展示に三国演義連環画(2010年4月?)
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