東アジア史をリードする著者が、中国を中心とした東アジア諸国の新たな世界像を提示
中国を中心に、邪馬台国・倭国、渤海、突厥、高句麗、百済など、周辺諸国を含む古代東アジアの国際秩序を、論考25本で解き明かす。
【内容説明】【本書のみどころ】
①東アジア史研究の第一人者、待望の最新論文集
東アジア史をリードする著者、待望の論文集。『隋唐の国際秩序と東アジア』(名著刊行会、2001年)の論考11本に加筆、さらに新稿3本と旧著未収録11本の合計25本の論考と索引を収録。
②東アジア世界論の再検討
これまで定説とされてきた「冊封体制論」「東アジア世界論」を徹底検証し、あらたな世界像を提示。古代中国を中心に、日本(倭)や渤海など周辺諸国で形成された東アジアの国際環境を知る必読文献。
③邪馬台国や倭国・古代日本の実像に迫る
古代日本に関する中国史料を中国史から検証し、古代日本の実像を明かす。邪馬台国の所在を記す「魏志倭人伝」や倭の五王を記した「宋書」を読み解き、東アジア世界における倭国の位置を検証する。
④外交文書(国書)の最新研究
好評につき増刷した『訳註日本古代の外交文書』(八木書店刊行)の代表編者である著者の、外交文書(国書)に関する論考を収録。従来顧みられなかった北朝や東南アジア諸国の国書などを検討し、外交文書の特質を明らかにする。
⑤渤海や突厥、高句麗・百済など周辺諸国も
渤海や突厥、高句麗・百済など、中国を取り巻く日本以外の周辺諸国を取り上げ、国際関係とその秩序を具体的かつ複眼的に考察する。
⑥新発見史料を用いた最新研究
近年新たに発見された史料である百済人墓誌「禰氏墓誌」や、古代日本人を描いた絵画資料「梁職貢図」など、新出史料を用いた最新知見の数々を収録。
【目次】はしがき
[第一部 東アジア世界研究の課題]
序 章 古代東アジア研究の課題―西嶋定生・堀敏一両氏の研究に寄せて―【旧著『隋唐の国際秩序と東アジア』未収録】
第一章 東アジア世界論【旧著未収録】
第二章 東アジア世界論庶遺【旧著未収録】
第三章 中国皇帝と周辺諸国の秩序
附論一 中国西北の蛇鈕印
附論二 倭奴国王と倭国王帥升をめぐる国際環境【旧著未収録】
[第二部 魏晉南北朝期の東アジア世界]
第一章 二~三世紀の東アジア世界
附論三 『魏志』倭人伝の字数―卑弥呼の時代と三国―【旧著未収録】
附論四 倭人と漢字
第二章 中華王朝の分裂と周辺諸国【旧著未収録】
第三章 『宋書』夷蛮伝に関する覚書【旧著未収録】
第四章 北朝の国書【旧著未収録】
第五章 「後魏孝文帝與高勾麗王雲詔一首」について【旧著未収録】
[第三部 隋唐時代の東アジア世界]
第一章 東アジアの国際関係と遣隋使【旧著未収録】
第二章 隋唐交代と東アジア
第三章 唐代の国際文書形式
第四章 唐代冊封制一斑―周辺諸民族における「王」号と「国王」号―
第五章 唐代の異民族における郡王号―契丹・奚を中心にして―
第六章 禰氏墓誌と唐朝治下の百済人の動向【旧著未収録】
第七章 唐代国際関係における日本の位置
第八章 唐朝より見た渤海の名分的位置
附論五 突厥の冊立をめぐる諸問題
附論六 則天武后治政下の国際関係に関する覚書【旧著未収録】
[第四部 歴史的存在としての東アジア世界]
第一章 唐以前の東アジア諸国に授与される称号の特質について【旧著未収録】
終 章 古代東アジア世界の特質【旧著未収録】
あとがき/索引(事項・人名・史資料・研究者名)
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