内輪の話なんだけど、今回の記事番号は3594であり、基本、語呂合わせは好きじゃない方なんだけど、検索で全然、思い入れがない記事が引っかかり続けるのも癪なので、比較的思い入れができそうな記事を放り込む。
※前回記事
第27回下鴨納涼古本まつり(京都古書研究会2014年8月11日-16日)
上記の前回記事にもあるように、毎年この時期に京都市の下鴨神社の「糺の森」、つまり神社の境内の青空の下で、京都古書研究会主催の「下鴨納涼古本まつり」が開催される。今回で第28回で、2015年8月11日火曜日から16日日曜日までだ。
・京都古書研究会
http://www1.kcn.ne.jp/~kosho/koshoken/
※関連記事
第33回 春の古書大即売会(京都古書研究会2015年5月1日-5日)
※追記
第39回 秋の古本まつり(京都古書研究会2015年10月30日-11月3日)
今回もなかなか都合がつかず結局、前回と同じく16日日曜日最終日ぐらいしかいける機会がなく、それと別件でプチオフ会シリーズ「関プチ2015」の期間中だったので、下記関連記事にあるように一応、設定してみると、想定通り最少催行人数の2名に満たず、例年通り一人で赴くことになった…こういう文も年中行事に盛り込まれそう。
※関連記事
関プチ2015:8/16京都の古本まつりで三国ブックハンティング(2015年8月16日)
前日までは下記の「三国志関連の前の記事」にあるように、唐突にいけることになった三顧会も含めた山陽地方旅行で、その疲れも残りつつも一人なんで、そこは時間に縛られない。
※三国志関連の前の記事
メモ:CafeBar曹操(広島県広島市中区流川町)
そのため、10時40分ぐらいに出町柳駅前で市バスを降り、そのままベタに下鴨神社まで歩く。快晴だけどそれほどは暑くない。すでに会場には人が多く集まっていて、後で得た集印帖によると、古書店が38店参加だそうな。ともかく、清岡はいつも通り、反時計回りに店を回っていく。やっぱりいつものエア・ブックハンティング気取り。
まず目が止まったのが、井上書店。『日本中國學會報』というあからさまな学会誌が平積になっており、こりゃ三国関連もあるだろうとパラパラめくると、
第二十三集1971年
岡村貞雄「蔡琰の作品の眞僞」
第三十八集1986年
田中順子「阮籍「獼猴賦」試論」
沼口勝「阮籍の四言「詠懷詩」について ─その修辭的手法を中心として─」
と三国関連が見えた。一冊300円だっけ。
・日本中国学会
http://nippon-chugoku-gakkai.org/
・日本中国学会報 論文目録
http://nippon-chugoku-gakkai.org/utf8/mokurokuJ.html
※追記
日本中国学会第64回大会(2012年10月6日7日)
※この記事の2012年にもサイトに「/utf8」が抜けていることを指摘しているね。
その北隣の紫陽書院には、やはり三国関連が詰まっているね。売り物なので出入りはあって種類の多さに波があるものの、どのときでも他の書店より多い。今回は尾鷲卓彦『三国志誕生―真のヒーローは誰か』(影書房2006年3月)、『中国の思想』刊行委員会『三国志全人名事典 (正史三国志英傑伝)』(徳間書店1994年11月)、小川環樹『完訳 三国志』8冊セット(岩波文庫、『三国志演義』の訳ね)2600円、李殿元・李紹先『三国志考証学』(講談社1996年3月、井波律子『三国志曼荼羅』(岩波現代文庫、岩波書店2007年5月16日)、
庄威『三国志』(三一書房1990年)、加地伸行『三国志の世界』(新人物往来社1987年11月)、『歴史読本セレクト 三国志の英雄たち』(新人物往来社)があった。
七つ北の古書シアルでは林田慎之助『諸葛孔明―泣いて馬謖を斬る』(中国の英傑、集英社1986年5月)と 狩野直禎/著『諸葛孔明』(中国人物叢書〈2〉、人物往来社1966年) があって諸葛亮の共演。
そこから6つ北のキトラ文庫では黒岩重吾『邪馬台国の時代』(大和書房1997年8月)、原田大六『卑弥呼の墓』(六興出版1977年8月) 、久保田穣『邪馬台国はどこにあったか』(プレジデント社1997年9月)と邪馬台国関連が固まっていた。
北隣の高山文庫では安野光雅・半藤一利『三国志談義』(平凡社2009年6月)とそれに『三国志 上巻 曹操・劉備・孫権、天下への大計』(歴史群像シリーズ 17、学習研究社1990年3月)と『三国志 下巻 諸葛孔明、中原回復への冀望』(歴史群像シリーズ 18、学習研究社1990年3月)があった。
その北隣の栞書房では小川環樹『完訳 三国志』8冊セット(岩波文庫、『三国志演義』の訳ね)があって、2800円だった。状態はともにわからないけど、同じ会場でも値段の差があるものなんだね。
そこの店では『別冊宝島1133 三国志 僕たちの英雄伝説』(宝島社2005年3月28日発売)があった。下記関連記事にあるように今でも印象に残っているのが、ネットでの騒動、いわゆる「曹操と張飛は親戚」報道の顛末記が載っていて、そういや一目も見た記憶がないな、と思いつつ、そのページをめくる。どうやら各コーナーの合間に1ページずつ各界著名人にインタビューするページの一つに、岡部さんによる伊藤晋太郎先生へのインタビュー(するという体の記事)があった。10年前の伊藤晋太郎先生の写真があって、その記事の内容というのはタイトルどおりで、沈伯俊先生によるインタビューでの何気ない発言が中国のマスコミでさも新発見のように伝えられてしまって(つまりは「曹操と張飛は親戚」報道)、それがネットを通じ日本に伝わり「何が新発見?」と日本の三国志ファンの間で騒動に発展したんだけど、それについても言及されている(とよくよく考えたら懐かしさのあまりちゃんと読んでなかった。国会図書館で読んで追記するかも)。
※8/30追記。研究材をコピーするついでに確認してた。「僕たちの三国志レビュー」という企画。本誌は縦書きだが横書きで、左の段が親戚騒動の顛末(日本の三国志ファンが中国の学者を軽く見たのも含め。一人歩きした発言の真相を沈先生が語るまで)が書かれてあって、右半分が伊藤先生が発起人の一人である三国演義学会についてと伊藤先生の卒論や修士論文とか。
※関連記事
2005年3月28日 別冊宝島1133 三国志 僕たちの英雄伝説
それから同じくムックの『群雄三国志―諸葛孔明と勇将、激闘の軌跡』(歴史群像シリーズ 28、学習研究社1992年5月)があった。
四つ先に児童書コーナーがあって、そこから通りの西側へいく。そのはじめの店(つまり一番北西にある店)が古書ホップで、吉川英治全集の『三国志』1巻2巻3巻(講談社 1979年10月等)全3冊で500円で売られていた。他には中国詩人選集がセット販売されていた。4500円。もちろん『曹植』(中国詩人選集 3、岩波書店1958年11月20日)が含まれる。
暑くて汗がダラダラ出ていたんで、タオルを肩にかけて歩いていたんだけど、ここでそれが無くなっていることに気づいた。あわてて通りに出て、南下しつつ、地面にタオルが落ちてないか見たが、見つからないまま入り口に来てしまう。そこで、店の裏側を通って見続けると一番北、児童書コーナーの南隣の石川古本店の本棚の下に置いてあった。見つかってよかった。特に踏まれた形跡もないし。
それで思い出したかのように会場の写真撮影。やっぱり絵になるわ。
それで古本屋めぐりを再開。五つ南の吉岡書店では、梓書院の『季刊 邪馬台国』がずらりと並べてあった。いやぁ、そんな雑誌があっただなんてまったく知らなかった。しかも現在も刊行され続けている。そして福岡の出版社なんで何の説を支持しているかは自明なのかもしれない。
・九州・福岡の老舗出版(書籍・マンガ・電子書籍)企業:梓書院
http://www.azusashoin.com/
・季刊邪馬台国 - 九州・福岡の出版企業:梓書院オンラインショップ
http://azusashoin.shop-pro.jp/?mode=cate&cbid=1090040&csid=0
ちなみに手にとってぱらぱらめくると80年台あたりの記事で福岡で卑弥呼のミスコンがあったのが印象的だった。確か今世紀ぐらいに奈良県でも創設されていたような気がする。
南隣の小亀屋に立間祥介/訳『三国志演義 上』(平凡社2000年)、藤田至善/訳『後漢書』(中国古典新書、明徳出版社1970年12月)、宮川尚志『三国志』(中国古典新書、明徳出版社1970年6月)、王樹村/著『図説・読み切り 年画・三国志』(集英社1994年6月)があった。『三国志』を手に取りぱらぱらめくると、いわゆる抄訳というやつで三国志魏書、蜀書、呉書からそれぞれいくつか伝が選ばれ訳されてあるある。
そこから七つ南の欧文堂の100円コーナーに『三国志 上巻 曹操・劉備・孫権、天下への大計』(歴史群像シリーズ 17、学習研究社1990年3月)と『三国志 下巻 諸葛孔明、中原回復への冀望』(歴史群像シリーズ 18、学習研究社1990年3月)があった。
そこから三つ南の先の赤尾照文堂が一番西北の店になり、それで一通り回ったことになった。
時刻は12時過ぎで市バスで帰り行きつけのスーパーマーケットによっておかずを足すつもりで200円強のかつおのたたきを購入し、家で昼食をとる。おいしい。
少し居眠りして15時前に図書館へ出発し、横山光輝『別冊コミックトム 三国志』の各巻のはじめとおわりのページのメモをとる。どこか単行本を揃っているところで照合するつもりで。
※次回記事
第29回下鴨納涼古本まつり(京都古書研究会2016年8月11日-16日)
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