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掲示板 件名 最新投稿

1548年 三国演義の葉逢春本


  • 2006年2月 7日(火) 23:44 JST
  • 投稿者:
    清岡美津夫
  • 閲覧数
    4,655
古典文学  下記のサポ板の周瑜命日ツリーですでに書いたんだけど、こちらでも書く。
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=1899

 三国演義ができたころは抄本(写本)で広まり、その中で弘治七年(1494年)のいわゆる弘治本が有名で、どうも史書によって改訂された部分があるらしい。
 初めての刊本(木版印刷)は嘉靖元年(1522年)のいわゆる嘉靖本とのこと。さらにこの後、時代変遷があるため、これらの本が中央研究院でみられるような現在に伝わる三国演義と内容が所々、ちがうところがある。

・中央研究院
http://www.sinica.edu.tw/
※たどり方 →中文→公共服務/研究資源→漢籍電子文獻→瀚典全文檢索系統 1.3 版→小説戲曲→三國演義

 その中の一つが冒頭でリンクを張った周瑜の命日だろう。

 自分で実際、目にしたいとおもって、検索していると思わぬものを見つけてしまう。それが三国演義の葉逢春本のDigital Imagesだ。下記サイトのリンク先にある。

・BabelStone
http://www.babelstone.co.uk/index.html
※ここの→「Ye Fengchun Edition」→「Table of Contents」

※2024年9/9追記。久々にみたらさすがにディレクトリ構造がかわっててたどり着けないので、わかりやすいページにリンクしておく
・BabelStone : Sanguo Yanyi : Ye Fengchun Edition
https://www.babelstone.co.uk/SanguoYanyi/YeFengchun/index.html

 ここのサイトによると、葉逢春本は1548年刊行の三国演義とのこと。
 不完全なコピーながらthe Royal Library of the Escorial Monastery outside Madrid in Spainにあったとのこと。そういや三国志シンポジウムでスペインにあったと言っていたのはこのことかな。

 で、周瑜の亡くなるところ(諸葛亮三氣周瑜)を探してたけど、亡くなるページが「NOT PHOTOGRAPHED」とでてきた(汗)
 それでも周瑜が孫権にあてた遺書に今の三国演義(中央研究院のやつ)にはない「至建安十五年冬十二月朔周瑜謹書」の文字を見つけた。

<追記>
 冒頭に示した掲示板のツリーの最後の方に書いているが、三国演義の葉逢春本が関西大学出版部から『三國志通俗演義史傳』(上下巻)というタイトルで出版されていて、それによると、

而亡壽年三十六時建安十五年冬十二月初三日也

と書かれている。



※追記 「四大奇書」の研究(2010年11月10日)

※追記 クイズマジックアカデミー賢者の扉 三国志検定(2012年4月24日-5月20日)

元刊雜劇三十種(中央研究院漢籍電子文獻)


  • 2005年11月29日(火) 18:38 JST
  • 投稿者:
    清岡美津夫
  • 閲覧数
    3,958
古典文学  史記、漢書、後漢書、三国志など正史類の電子文献を読めるサイトで台湾の方の本家は「中央研究院 漢籍電子文獻」とページの上部に書いてあってミラーサイトの大東文化大学の方は「中央研究院 漢籍全文資料庫」とページの上部に書いてあるということに昨日気付いた。

 さてそんな「中央研究院 漢籍電子文獻」では「二十五史/新校本三國志」や「小説戲曲[既/旦]其他/三國演義」が見ることができて知識系の三国志ファンには重宝されている。さらに大東文化大学の方では漢晉史三種が見ることができる。

・中央研究院
http://www.sinica.edu.tw/
ここのサイトの「中文」→「公共服務」→「研究資源」→「漢籍電子文獻」とたどる。

・大東文化大学
http://www.daito.ac.jp/
ここのサイトの「学部・学科」→「中国学科」→「漢籍全文資料庫」とたどる。

 三国志やその他の史書、三国演義が読めてなおかつ検索できるものだから、ある三国志関連の事柄についてその出所(ルーツ)を探ることができる。

 三国志(それと後漢書と晋書)と三国演義を見比べて、前者には存在せず後者には存在する事柄があると、すぐ三国演義、その撰者・羅貫中の創作にしたがる三国志ファンをネットでたまに見かける。どうも三国志と三国演義の二元論で語りたがるファンが結構、いるみたい。個人的にはそれまでの講談や雑劇に見られる三国志関連の物語を一つの大長編にまとめ上げたところに三国演義の偉大さを最近、私は感じている。さらに三国演義自体も版を重ねるごとに削られたり足されたり移り変わりがあるところも面白い。
 三国演義以前の三国志をモチーフとした物語はなかなか現代に残っていないものの、なくはない。例えば、絵入りの「新刊全相平話三国志」(三国志平話)とか。

・三国志平話について
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=1762

 それから冒頭で紹介した「中央研究院 漢籍電子文獻」にもそういった「三国演義以前の三国志をモチーフとした物語」が掲載されている。
 それが「小説戲曲[既/旦]其他」の「元刊雜劇三十種」のところ。つまり元の時代の雑劇30目。全部が全部、三国志関連ではないが、二つある。上冊の「關大王單刀會雜劇」と下冊の「諸葛亮博望燒屯雜劇」。
 詳しくは読んでないが「關大王單刀會雜劇」は後の時代の三国演義の「第六十六回:關雲長單刀赴會、伏皇后為國捐生」に受け継がれるんだろう。さらっと読むと、三国志などの史書に見られない「青龍刀」や「偃月刀」の武器の名を見ることができる。また三国志などの史書に見られない「小可如我千里獨行五關斬將」という千里行のエピソードのことにも触れられている。
 「諸葛亮博望燒屯雜劇」は三国演義の「第三十九回:荊州城公子三求計、博望坡軍師初用兵」に受け継がれるのだろう。こちらは「青龍偃月刀」や「赤兔馬」の文字を見かける。

8月23日は三国演義での諸葛亮の命日


  • 2005年8月23日(火) 21:26 JST
  • 投稿者:
    清岡美津夫
  • 閲覧数
    6,912
古典文学 http://cte.main.jp/newsch/article.php/148
↑微妙にここの続き?

 最近、サポ板で、周瑜の命日が12月3日だという出典が三国演義の嘉靖本かもしれないというので妙に納得したんだけど、
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr&tree=1899
今回の記事は諸葛亮の命日について。

三国演義の第一○四回:隕大星漢丞相歸天、見木像魏都督喪膽によると

孔明不答。衆將近前視之、已薨矣。時建興十二年秋八月二十三日也:壽五十四歳。

ということで、三国演義では8月23日は諸葛亮の命日とのこと。

ちなみに、三国志蜀書諸葛亮伝だと

(建興十二年)其年八月、亮疾病、卒于軍、時年五十四。

ということで、日付までは書かれていない。
 私自身、特に探してないが、NHK「その時歴史が動いた」で取り上げられた日付だから何か史書に記述があるかもしれない(ないか…)
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=one&no=1606

※追記 三国志館プレオープン(2009年8月23日)

※追記 川本 喜八郎 先生 逝去 2010年8月23日