いきなり予防線だけど、「十八史略」というワードの検索で来られた方は下記リンク先の記事の方が目的にそったものかも。そちらを参照してくださると幸い。
・「捜神記」で検索される訳
http://cte.main.jp/newsch/article.php/264
さて、2006年12月8日に十八史略の訳本の文庫本が出た。そのことは以前、記事にした。
(余談だけど、十八史略は「じゅうはっしりゃく」と読む。いや私のパソコンで「しじつがん」とか「つてん」とか打っても正しく変換されないのにこちらは一発で変換されて感動したので)
・2006年12月8日 十八史略 3 梟雄の系譜(文庫)
http://cte.main.jp/newsch/article.php/443
それで実際に買ってさらっと読んでみた。
やはり三国志ファンだと中身を知っているだけに現代語訳の細かい粗が目に付いてしまうのかな、という感想を持った(そういう箇所に原文と書き下しがあると問題なさそうだけど)。例えば「舒」が「舒州」と訳されていたり。
まぁ、そういった些細なことを抜けば、上記記事で書いたように、三国志ジャンルの入門者向けの本といえるかも。
あと読んでいて知ったんだけど、現行の十八史略は元代の曾先之の撰となっているが、現在通行している十八史略は明代の劉剡が補正した刊本とのこと。そのため、三国の正統は蜀漢になっているとのこと。天子(皇帝)のいない一年間がある、ってのも補正後の記述なのかな。
というわけで、以下にこの文庫の三国志関連およびその前後の目次をまるまる引用しておく。三国志ファンで購入しようかどうか迷っている人はご参考までに。
I たそがれの漢帝国
四、外戚と宦官
関西の孔子──楊震
「一を聞いていくつを悟るか」──左雄
車輪を埋めた男──張綱
天子、手をこまぬくのみ
登竜門
党人の争い
党錮の禍
黄巾の乱
「治世の能臣、乱世の姦雄」
宦官二千人を誅殺──何進と董卓
II 三国鼎立
一、群雄割拠
劉備と孫策
曹操、献帝を許に移す
官渡の戦い
「天下の英雄は、ただきみと操とのみ」
天下三分の計
赤壁の戦い
呉下の阿蒙
劉備の自立
関羽の死
「魏は漢に代わるべし」
二、魏・呉・蜀の滅亡
劉備、帝位に即く
九品官人法
蜀と呉の攻防
「施すところなし」
曹丕の死
出師の表
巨星落つ──諸葛亮の死
泣いて馬謖を斬る
司馬氏の台頭
魏帝、臣下に刺される
魏軍、蜀を急襲
蜀、滅びる
III 貴族の世の中
一、忍びよる影
「人臣の相にあらず」
仁義ある戦い
「青蓋、洛陽に入らん」
礼法を軽蔑
実現した予言──呉の滅亡
羊車に乗って
「この座、惜しむべし」
三語の掾
清談の流行
八王の乱
「どうして肉粥を食わぬのか」
劉淵の台頭
匈奴、漢王を称する
土塀の下敷きとなる
※追記
早稲田大学の入試で三国志・晋書関連2013
※追記
十八史略(2014年7月9日)
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