※前記事
メモ2:「アクセス集計に見られる現代日本における三国志由来事項の変容と浸透」
2009年8月8日にようやく2005年3月1日から2007年12月31日までのアクセス集計のルーチンワークを終え、データ解析の部分は創造的かつスムーズに行えると思ったら、しょっぱなでつまづく。
何かというと、小分類を加算し中分類ごとに合計する作業だ。手元の環境だと、表計算ソフトの動作が遅くフリーズしやすく、またそれを緩和するためにこまめに保存するも、保存する最中にフリーズする状況だった。これで待ち時間ばかりの9日、10日と丸々二日費やし、絶望感を漂わしていたんだけど、10日の深夜にあるアイディアを思い付く。
今まで計算に際し、集計結果とリンクさせていたわけだけど、それを「形式を選択して貼り付け」し、リンクを切断すれば負担が軽くなるんじゃないかと気付く。機転の効く人だったら二日も費やさずに一瞬で気付くんだろうな、と自分をイヤになりつつ、そのアイディアを実行してみると、表計算ソフトの動作は速くなり、かつフリーズ頻度が激減し、ようやくデータ解析の作業を進められることに。
11日、12日は計算に誤りがないかチェックしつつ、グラフ作成をしていた。そういう苦労は発表で出るわけはないので、この際だからメモとして出そうとしたのが、今回の記事の本題というわけだ。
まずは総アクセス数に対しどれぐらい検索サイトからのアクセスが含まれているか、またどれぐらい三国由来事項を含む検索があるかをまとめてみる。それが下の円グラフだ。おおよそ検索によるアクセスが四分の一で、三国由来事項を含む検索が五分の一という結果になった。まぁ、有意性を見出すには充分な割合だろう。
次に三国由来事項を含む検索の日数変遷。2005年の頃はあまり検索サイトから認知されておらず、アクセス数は少なく不安定だが、2006年に入り、100 counts以上でほぼ安定する。
なお、2007年2月4日に2200 countsを越えるアクセス数により鋭いピークを成している理由は「ゲーム/無双OROCHI」に係わる検索の影響となっている。
※関連記事
2007年2月2日「無双OROCHI 」公式サイトオープン
それでアクセス集計により得られた検索語句は三つの階層で分類されている。大分類が30項目、中分類が765項目、小分類が9167項目に及ぶ。どんな項目があるか全部書かないが、大分類に関しては
歴史、古典文学、場所、研究、教育機関、書籍、ムック、雑誌、攻略本、作家、新聞、小説、漫画、ショー、テレビ、ビデオ、アニメ、映画、ラジオ、音響作品、映像作品、展覧会、絵画、書、物品、玩具、ゲーム、パチンコ・パチスロ、ネット、二次創作
の30項目となる。ゲームは、例えば家庭用、業務用等でさらに細分化できそうだが、異機種への同タイトルの移植が活発に行われており、分類が困難であるため大分類としては一つにしている。
三国由来事項を含む検索全てについて、大分類の階層で分類した結果が下記の円グラフとなる。主要な項目については項目名と少数第二位四捨五入の割合(%)を表記している。以下、同じ。
前提が無ければ、何のコメントも残せないので、さっさと次の年ごとの分類に移る。
まず2005年の三国由来事項を含む検索を大分類の階層で分類した結果を下記に示す。
前述したように全体的なアクセス数が少ないが、その中でも観測点となる「三国志ファンのためのサポート掲示板」は「三国志ニュース」より検索サイトより認知されており、その両サイトの性質の違いが「歴史」の割合が大きくなっている理由だと考えられる。また大分類の他の項目と比べ、「歴史」や「ネット」は発売情報やイベント情報などの話題性に影響を受けにくく安定したアクセス数を得ている。
次に2006年の三国由来事項を含む検索を大分類の階層で分類した結果を下記に示す。
2005年に比べ「ゲーム」の割合が大きくなっているのは前述で示唆したように「三国志ニュース」がより検索サイトに認知されたためだと考えら、主因は「ゲーム/SLG三國志11」「ゲーム/三国志大戦」によるものだと考えられる。その他、特筆すべきは「教育機関」の割合が大きくなっていることであろう。これは「教育機関/漢文」が主因となっており、漢文の授業における課題や試験が一部の高校生や大学生の必要性を誘発していると推察される。
※参照記事
「捜神記」で検索される訳
また「パチンコパチスロ」の割合が大きくなった主要因は、「パチンコパチスロ/真・三國無双」の2006年のアクセス数が612countsとなり、検索者が正確に情報を記憶していないため、曖昧検索が誘発され「パチンコパチスロ/パチンコパチスロ」の2006年のアクセス数が1142countsとなったこととが合わさったためと推察される。
※参照記事
パチンコ機「CR真・三國無双」(ビスティ社製)
終わりに2007年の三国由来事項を含む検索を大分類の階層で分類した結果を下記に示す。
前年までと比べ「玩具」が飛躍的に割合及び絶対数が増えている要因は「玩具/BB戦士三国伝」に関する検索によるものだ。
※参照記事
BB戦士 三国伝 風雲豪傑編
また「アニメ」の割合が大きくなっている主因は「アニメ/鋼鉄三国志」によるもので、「テレビ」の割合が大きくなっている主因は「テレビ/三国演義」によるものであろう。
※参照記事
鋼鉄三国志 歌劇舞台~深紅の魂よみがえりしとき(2008年9月17日)
中国歴史ドラマ『三国志』放送まとめ
大分類について以上のようになる。次に中分類について触れていく。
次に年度毎にアクセス数が多いものから順に1%以上のものを掲げる。一つ一つについて特に説明したりリンクを張らないが、知りたい方はそれをキーワードに三国志ニュース内で検索してくださると幸い。
●2005年
歴史/三国志 27.7%
ゲーム/三国志大戦 11.2%
ネット/サイト 5.5%
ネット/掲示板 2.7%
ゲーム/SLG三國志11 2.6%
漫画/コミック三国志マガジン 2.3%
ゲーム/SLG三國志X 2.1%
古典文学/三国演義 2.0%
漫画/漫画 2.0%
二次創作/同人誌 1.7%
漫画/蒼天航路 1.5%
ゲーム/三国志大戦 乱世の群狼(Ver1.1) 1.4%
小説/小説 1.3%
●2006年
歴史/三国志 18.5%
ゲーム/SLG三國志11 12.9%
ゲーム/三国志大戦2 6.3%
ゲーム/三国志大戦 6.0%
二次創作/同人誌 4.0%
ネット/サイト 3.1%
ゲーム/ゲーミックスVol.1 横山光輝 三国志 3.1%
漫画/ブレイド三国志 2.9%
教育機関/漢文 2.5%
パチンコパチスロ/パチンコパチスロ 2.0%
漫画/蒼天航路 1.7%
ネット/掲示板 1.5%
古典文学/三国演義 1.5%
二次創作/オンリーイベント 1.3%
ゲーム/SLG三國志 1.3%
漫画/DRAGON SISTER!-三國志 百花繚乱- 1.3%
ゲーム/恋姫†夢想 1.2%
パチンコパチスロ/真・三國無双 1.0%
●2007年
玩具/三国伝 18.4%
歴史/三国志 9.8%
ゲーム/無双OROCHI 4.7%
パチンコパチスロ/パチンコパチスロ 4.6%
アニメ/鋼鉄三国志 3.9%
漫画/ブレイド三国志 3.8%
ネット/サイト 2.5%
二次創作/同人誌 2.3%
教育機関/漢文 2.1%
ネット/サーチ 1.7%
ゲーム/三国志大戦 1.6%
ショー/レッドクリフ 1.4%
古典文学/三国演義 1.2%
ゲーム/真・三國無双5 1.0%
漫画/海皇紀32ex 1.0%
二次創作/オンリーイベント 1.0%
こうやって2005年から2007年までの三年間について大まかに三国由来事項がどういった変容をしどのように浸透していったか見たわけだ。2008年について少しもアクセス集計をしていないが、おそらく「玩具/BB戦士三国伝」の他に「ショー/大三国志展」や「映画/レッドクリフ」が大きく加わってくるだろう。
※次記事
三国志学会 第四回大会プレノート
※追記
激突! 三国志武将かるた(2009年7月)
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