回 | 日程 | 講座内容 | |
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1 | 05/17 | 『論語』は東洋人のバイブル? むしろ無声映画の台本です | 『論語』は、国語の漢文の授業の教材でも出てくる有名な古典です。しかし、どこがどう面白いのか、さっぱりわからない、という日本人も多いと思います。実は『論語』は中国古典のなかでも抜群に古く、他の書物とは本質的に違うのです。『論語』は書物であるという思い込みを捨てて、白黒の無声映画の台本のようなものだ、と、原点回帰的な読み方をすると、『論語』は俄然、面白い本になります。 |
2 | 05/24 | 『孫子』の兵法は戦争のテキスト? 実は日常の人間関係の哲理が満載です | 中国文明の「文」を設計したのが孔子なら、「武」を大成したのは孫子(孫武)です。戦争の本質は心理的かけひきです。最良の勝利は不戦必勝、つまり、そもそも敵に戦争を起こす気を起こさせぬことだ、と喝破する孫子の軍事思想は、歴代の中国に受け継がれています。武田信玄をはじめ、歴代の日本人は『孫子』をどう受容してきたか。わかりやすく説明します。 |
3 | 05/31 | 『老子』は世捨て人の思想? 本当は実用的な処世術の指南書です | 日本人の多くは、『老子』を、世捨て人的な心の安らぎを説く本だと誤解しています。しかし、すなおに『老子』を読むと、「弱者が強者に負けない方法」を説く処世術や、無為自然による政治の有効性を主張する人間くさい書物であることがわかります。古来、中国人は、庶民も権力者も、建前では『論語』的な繁文縟礼を尊びつつ、本音では「老子の兵法」にあこがれ、これを実践してきたのです。『論語』と並ぶ世界的な古典『老子』のエッセンスを、わかりやすく紹介します。 |
4 | 06/07 | 『三国志』の英雄たちは強い? 強いけど中国の英雄は努力も職人芸も嫌いです | 『三国志』には、漢文古典の『正史三国志』と通俗小説の『三国志演義』の2種類があります。三国志は、日本でも江戸時代から大人気ですが、その理由は、三国志の英雄たちの人間関係が、日本にはないものだからです。日本人は宮本武蔵でも星飛雄馬でも、苦労して修行をつむ自己研鑽(じこけんさん)型の英雄豪傑を好みます。中国人は逆です。関羽も張飛も諸葛孔明も、修行はしません。彼らは生まれつきの超人であり、努力や自己研鑽はしません。どんな主人に仕えるか、どんな仲間と組むか、という人間関係のフォーマットで、勝負が決まります。日本人は職人気質。中国人は商人気質。三国志から見る、日本人と中国人の本質的な違いを、近現代の現実の事例を具体的にあげつつ、わかりやすく説き明かします。 |
5 | 06/14 | 『西遊記』は子ども向け? もとはアダルトな成人向けエンターテインメントです | 日本人は『西遊記』を、孫悟空、猪八戒、沙悟浄が三蔵法師のお供をして天竺にお経を取りに行く子どもむけのファンタジー物語だと思っています。原作である中国の古典小説『西遊記』は実はオトナ向けの物語で、エロ・グロの設定が多々ある、オトナ用娯楽作品だったのです。オトナの視点で『西遊記』を見直すと、現代に至るまで中国人を呪縛する「予定調和的世界観」とか、中国人が理想とする人間関係のフォーマットなど、面白い発見がたくさんあります。手塚治虫のテレビアニメ『悟空の大冒険』(1967)や、堺正章主演のテレビドラマ『西遊記』(1978)など、日本化した西遊記との決定的な違いについても、わかりやすく解説します。 |
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