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三国志とは


  • 2005年11月21日(月) 20:31 JST
  • 投稿者:
    清岡美津夫
  • 閲覧数
    6,587
歴史

 「三国志」って何? と思って検索された人も多いと思うけど、そんな初心者・入門者に「三国志」を簡単にわかりやすい説明。


『三国志』とは歴史書のこと。魏、蜀漢、呉の三つの国の記録。正史類の一つ。
中国の三国時代あたり(2世紀の後半から3世紀の中盤あたり)のことが人物別に書かれている歴史書。
陳寿(西暦233年~297年)という人が編纂した。


間違ったことや紛らわしいことを省くとたったこれだけのこと。

※ちなみにこの記事では『三国志』に書かれたこと、つまり『三国志』の内容については触れない

ただ後の時代の人がその歴史書の中身やその時代以降の言い伝えにドラマ性を見いだしたのか、唐の時代あたりから、講釈やお芝居など物語の題材に使われるようになった。
もちろん講釈やお芝居などだから正確な歴史的事実より面白くなければならないので、いろんなフィクションが入り込んだ。

そんな三国志や三国時代の話を元にした物語をまとめあげ、さらにあれこれ創作を入れ、時系列順に一つの物語にしたのが『三国演義』(『三国志通俗演義』)という書籍。14世紀の羅貫中という人が編纂したといわれている。
この本は版を重ねるごとに細かい部分で内容が変わっていくことになる。そして翻訳され外国へも伝わることになる。

日本では『三国演義』を湖南文山が翻訳(翻案?)した『通俗三国志』が1689年から1692年に刊行され、好評を博し版を重ね、絵入りのものが刊行されることもあった。

その後、日本で今で言う小説の形にしたのが、吉川英治がそれまでの三国志関連の物語を元にし1939年から1943年まで執筆した『三国志』であろう。

※この小説と前記の歴史書は同名だけど似て非なるもの。以下の「三国志」と名の付く作品も同様。

その後、多くの人が三国志関連の物語を題材に小説を書いている。代表的なものでは、

・柴田錬三郎/著『三国志 英雄ここにあり』(1966年~1968年)、
・陳舜臣/著『秘本三国志』(1974年)、
・北方謙三/著『三国志』(1996年)、
・宮城谷昌光/著『三国志』(2001年~)

また、三国志関連の物語は書き物や小説の類にとどまらず他のメディアにも広がる。

・主に吉川英治/著『三国志』を元にし、横山光輝が漫画の『三国志』を1972年から1987年まで連載した(※発売日からだと1971年から)。
・1982年にはテレビ番組で人形によるドラマ『人形劇三国志』(NHK制作)が放送された。
・1985年には光栄(現、コーエー)からコンピューターゲーム『三國志』(シミュレーション)が発売されその後、続編が発売され、テレビゲームにも移植された。
・王欣太が漫画の『蒼天航路』(途中まで原作・李学仁)を1994年から2005年まで連載した。
・本場中国では1994年に中国中央電視台製作のテレビドラマ『三国演義』が放送された。
・1999年には『三国演義』を元に舞台化された市川猿之助スーパー歌舞伎『新・三国志』が上演された。
・2000年にはコーエーからテレビゲーム『真・三國無双』(アクション)が発売され、その後、続編が発売された。
・2005年にはSEGAからアーケードゲーム『三国志大戦』(リアルタイムカードアクション)が稼働開始した。
・2007年にはバンダイから『三国演義』と『BB戦士』(SDガンダム)を融合させた玩具(プラモデル、フィギュア)『BB戦士 三国伝 風雲豪傑編』シリーズが販売開始された。

このように三国志関連の物語はいろんな時代でいろんなメディアでいろんな作品として存在している。
そのため、一言、三国志ファンといっても、あるファンは『三国志』や関連の史書を読んで史実を見据える歴史ファンであるし、またあるファンは『三国演義』等を読み楽しむ古典文学ファンだし、また一方では大元に『三国志』を題材とした小説を好む読書ファンだし、他にも漫画ファン、ゲームファン、グッズやカードのコレクターなど、いろんなファンを想定できる。

『三国志』に書かれた歴史はすでに3世紀には終わっているものの、今でも多くの人々に語られ愛され、ニュースとして取り上げることができるのは、こういった三国志関連の物語が今も多くの人々の間で生きているからなのかもしれない。

もしあなたが初心者・入門者で、フィクション混じりでも三国志関連の物語を大まかに一通り楽しみたい場合は次にあげる作品をおすすめする。同じ三国志を題材にしている作品といっても受け手に合う合わないがあるので、購入の前にまず借りるなりして試すのが良いだろう。

○小説
・吉川英治/著『三国志』
・陳舜臣/著『秘本三国志』
・北方謙三/著『三国志』

○漫画
・横山光輝/著『三国志』
・王欣太/著『蒼天航路』

○映像作品
・『人形劇三国志』(NHK)
・『三国演義』(中国中央電視台)

○ゲームソフト
・コンピューターゲーム『三國志曹操伝』(シミュレーションRPG、コーエー制作)
・テレビゲーム『真・三國無双』(アクション、コーエー制作)、1,2,3,4,5のどれか一つ

※ノンフィクションとしては、少し初心者・入門者向けから外れるが次の本がおすすめ
・高島俊男/著『三国志 きらめく群像』


というわけで当ブログ「三国志ニュース」では今も生きる三国志関連のニュースをお伝えしている。

三国志のことを全く知らない人にとって、わかりづらいブログなので、とりあえず三国志の説明をしてみた。三国志の中身の説明や三国志関連の物語もまた別の機会で書いてみたい。

※より詳しい三国志関連作品の年表は下記URL先へ。
http://cte.main.jp/newsch/article.php/588

※2007年11月14日加筆修正
※追記 三国志ニュースの利用案内  

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