以下、フォローし損ね分。
・二玄社書店 | 書道関連書籍
http://nigensha.co.jp/shodo/
・二玄社書店 | 心に響く三国志[英雄の名言]
http://nigensha.co.jp/shodo/bk_info.html?2021&INF=2157
上記出版社サイトによる上記書籍ページによると、二玄社書店より渡辺精一/文、南岳杲雲/書『心に響く三国志[英雄の名言]』が発売したという。上記ページによると、「乱世が生み出した45の名言とその背景をたどり」とのことで、上記ページの画像を見ると、本書のページの見開きで左側が書、右側が解説文という構成だ。amazon.co.jpでは2011年9月6日の発売になっている。
※関連記事
一冊でわかるイラストでわかる 図解三国志(2010年6月29日)
※追記
三国志 40人の名脇役(2012年6月)
・篆刻家 南岳杲雲 ko-un彼是
http://stoneseal.exblog.jp/
※書担当著者のサイト
・篆刻家 南岳杲雲 ko-un彼是 : 『心に響く三国志』英雄の名言 (※上記ブログ記事)
http://stoneseal.exblog.jp/13438413/
それでこの書籍のどこが『三国志』に関係するか、探る。タイトルに「三国志」と書いているからといって安心できない。なぜならば、前述の書籍ページに「複雑なストーリーや人間模様も、この一冊ですっきりと解消!」と煽り文句があって、それには史書の『三国志』に似つかわしくない「ストーリー」が引き合いに出されているからだ。まず前述の書籍ページでサンプル画像として出ている三つの文の出典を探る。
・『三国演義』第四十八回 宴長江曹操賦詩鎖戦船北軍用武
對酒當歌人生幾何
※ちなみに『太平御覧』卷七百五十三工藝部十投壺所載『東觀漢記』に次のような記述がある
對酒娯樂必雅歌投壺
・『三国志』巻十一魏書王脩伝注所引『傅子』
亡而不哭非義也
・『三国志』巻三十六蜀書張飛伝
但有斷頭將軍無有降將軍
そうすると、三例のうち『三国志』からのが一つしかないことがわかり「どういうことだ?」と思ったものの、文担当著者の学術的な背景から、まぁ大体予想が付くんだけど、確証を得るためにサンプル画像をもう一度、よく見る。
そうすると、見開きページ右側の末行、つまり見開きの真ん中の下を見ると、どうやら、書と同じ文が書かれてあって、その直後にカッコ付きで何やら回数が書かれてある。上から「第四十八回」、「第三十三回」、「第六十三回」だ。
これらは『三国演義』の回数で、つまりこの書籍にある書の出典すべては史書の『三国志』からではなく小説の『三国演義』からということなんだろう。
二玄社書店は下記関連記事にもあるように学術的な用途としても使える書籍も出版しているだけに、少なくともサイト上やタイトル上で『三国演義』を『三国志』と偽った上で販売したことは残念だ。
※関連記事
簡牘名蹟選 2:湖南篇(二)
前述の書籍ページより下記に目次を引用する。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【目次】
序 英雄の人知れぬ涙
第一章 乱世にうずまく野望
第二章 英雄たちの光と影
第三章 時は流れゆく
三国志略年表
主要人物紹介
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※追記
名言で読み解く中国の思想家(2012年8月25日)
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