前回の記事で下記、出版社のサイトを見たときに気付いたこと。
・コアマガジン
http://www.coremagazine.co.jp/
どうやらコアマガジンから2009年1月9日に『もっとも不思議な世界史ミステリー画像』というムックが発売したという。定価600円。上記サイト内での煽りの一つが「1800年の時を超えレッドクリフの謎を解く!」となっており、どうやら一部、映画『
レッドクリフ』の写真が使われているとのこと。
良い悪いは別として、三国志ファンの気付かぬ内に三国志関連に取材したムックが出ているだなんて、『レッドクリフ』の影響力はすごいんだな、と。
それでどれぐらいの三国志関連があるかというと、「第一章 三国志ミステリー」と銘打ち、一章まるまる18ページもあるそうな。
というわけで内容を上記サイトより下記へ引用。
--引用開始---------------------------------------------------------
◆[特集]三国志の漢たち!!1800年の時を超えレッドクリフの謎を解く!
◆人妻を喰ってしまった劉備!!
◆諸葛孔明の妻はブスではなく異国の美人だった!!
◆関羽の呪いで曹操死す!!
◆任侠に生きていた劉備三兄弟!!
◆曹操は孔子の子孫すべてを処刑した!!
◆張飛は曹操の親戚だった!!
--引用終了---------------------------------------------------------
……えーと、どこからツッコミを入れていいか判らないが、とりあえず、本のタイトルに「世界史」とあるものの、フィクションに基づいているものもベタに混じっているんだね。以下、個々に対し適当にコメントを残す。
「人妻…」ってのは『三国演義』第十九回:下邳城曹操鏖兵、白門樓呂布殞命の「至曉將去、往後院取馬、忽見一婦人殺於廚下、臂上肉已都割去。玄徳驚問、方知昨夜食者、乃其妻之肉也」を基にしているんだろう。もちろんフィクションね。
※参考リンク。
・ゲソの三国志ブログ
http://blog.goo.ne.jp/gesotoku/
・三国志に登場する「人肉」シーン (※上記ブログ内記事)
http://blog.goo.ne.jp/gesotoku/e/a4083d525ade1a100e98c4a9b13cb3d8
「諸葛孔明の妻…」はどうせ『三国志』蜀書諸葛亮伝注引『襄陽記』の「身有醜女、黄頭黑色、而才堪相配。」を金髪黒肌とか言って妄想を重ねたんだろう。
「関羽…」は『三国演義』第七十八回:治風疾神醫身死、傳遺命奸雄數終の「卻説曹操在洛陽、自葬關公後、毎夜合眼便見關公。」あたりかな(テキトー)。
「劉備三兄弟」ってのは『三国演義』第一回:宴桃園豪傑三結義、斬黄巾英雄首立功などの作品で、劉備、関羽、張飛が義兄弟の誓いを立てたことを指しているんだろうね。世界史で言うならば、『三国志』蜀書関羽伝には「先主與二人寢則同床、恩若兄弟。」と度合いを示した表現に「兄弟」とあるが別に義兄弟になったわけではなく、『三国志』蜀書先主伝に「瓚年長、先主以兄事之。」とあるんでむしろ公孫瓚と劉備との二兄弟と言った方が近い。
「曹操は…」は『後漢書』孔融伝の「書奏、下獄棄市。時年五十六。妻子皆被誅。」あたりかな? いやその前に、子孫すべて処刑したんだったら、今、孔子の子孫が居ないということになるんだけど(笑)
「張飛は曹操の親戚だった!!」についてはどうせ『三国志』魏書夏侯淵伝注引『襄陽記』の「初、建安五年、時霸從妹年十三四、在本郡、出行樵採、為張飛所得。」あたりから親戚を繋げていく話なんだけど、これには三国志ファン現代史のトピックがあるんで、それが書かれているかどうか気になるところ(まぁ本のテーマからいって書いてないだろうけど)。
※関連記事
2005年3月28日 別冊宝島1133 三国志 僕たちの英雄伝説
※関連リンク
・質問するならOKWave
http://okweb.jp/
・三国志に衝撃的事実が… (※上記サイト内投稿)
http://okwave.jp/qa1292895.html
・逸聞三國志(仮)
http://nobmatsu.sakura.ne.jp/itsubun/
・上記サイト内掲示板投稿
曹操と張飛は親戚だった?
※追記
三国迷ぐっこのHP復活(2009年9月7日)
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図解 三国志ミステリー(2008年10月3日)
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メモ:川本喜八郎人形ギャラリー(2013年4月7日27日)
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