・トップページ|NHKドラマ「蒼穹の昴」
http://www.nhk.or.jp/subaru/
上記サイトにあるように、NHK-BShiで放送していたドラマ『蒼穹の昴』(浅田次郎/原作)が今、NHK総合で毎週日曜日23時に放送されている。そのドラマは清代末を舞台とした歴史ものだ。
そのドラマの2010年10月24日23:45から放送された第5回「宮廷へ」の冒頭で、主人公の一人である春児(チュンル)がその雑劇の師匠に当たる黒牡丹と共に、住処としていた富貴寺の人々の前で、上演する。その時の作中劇で演じる春児の役が「馬超」だった。
このドラマの再放送は不定期であり、第5回は2010年11月10日16:05から放送される予定とのこと。※11/10追記。予想はしていたが、国会中継の影響で、次の日の11日同時刻にずれる。
それで話を戻し、その雑劇は宮中劇で、衣装等は素人目(つまり私)に今の京劇を彷彿とさせるものだった。春児の背中には例の旗が何本か刺さっていたし。
※参照記事
2006年1月29日 中国史人游行(神戸南京町・春節祭2006)
二将軍~張飛と馬超~(2009年10月10日)
※参考リンク
・京劇の武将達の衣装について (※「
三国志ファンのためのサポート掲示板」内ツリー)
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=2531
それで作中劇の演目は何かと言うと、画面に出てきた字幕によると、『冀州の戦い』だという。画面の字幕を下記へまとめて引用する。
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「冀州の戦い」
馬超は冀州の城主で
曹操軍の襲来に応戦する
しかし部下の謀反で
妻子は人質に取られてしまう
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
馬超といえば後漢末三国代における西の方面の益州、涼州や雍州を思い浮かべるんだけど、東の方面の冀州については思い至らず違和感があった。つまりはそういった州郡の冀州ではなく、『三国志』巻三十六蜀書馬超伝に「超果率諸戎以撃隴上郡縣、隴上郡縣皆應之、殺涼州刺史韋康、據冀城、有其衆。」とある辺りの涼州漢陽郡の冀県の意味だろうね。つまり「冀州の城」とは冀県の県城ということ。雑劇なので、時代が下って行政区分も変わって「冀州」といった方がその雑劇の時代にしっくり来るのかな。下記参照記事にあるように関羽の出身も後漢での呼称の「解県」ではなく「解州」と言ったりするし、通行する『三国演義』の第九十三回「姜伯約歸降孔明、武郷侯罵死王朗」に「孔明曰:「目今姜維現守冀州、使人持書來説:『但得駙馬在、我願來降。』吾今饒汝性命、汝肯招安姜維否?」」という漢代の州郡とは明らかに違う「冀州」の記述があるしね。
※参照記事
日立 世界ふしぎ発見!(TBS、2007年6月30日)
※追記。この記事の本文に誤りは無いが、タイトルが「蒼天の昴」と誤っていたようで、その誤ったタイトルを一ヶ月間ぐらい検索語句として見かけていたんで、「何、間違ってんだ」と思っていたんだけど、間違いの元がまさかここにあったとはね(汗) 検索語句は正直だ。
※新規関連記事
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