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どうも。真壁です。
御意見、どうもありがとうございました。
御意見に関連して、また、つれづれなるまま、三国志について
語らせて頂こうと思います。
>人形劇の呂蒙の話は私も聞いたことがあります(昔、見ているはずなのに気付かなかったです・汗)
>あれは三国演義とは無関係にただ番組の制作者が良かれと思って(わかりやすいと思って)子ども向けに勧善懲悪にしたんでしょうか(苦笑)
人形劇は、私も全部を見たわけではないので、断言はできませんが、呂蒙の話は
悲しすぎます。「わかりやすいと思って、子供向けに勧善懲悪にした」のだとしたら、
それは明らかに判断ミスだと思います。世の中の人々を啓蒙すべきNHKが、子供
向け番組で、「世の中は、善と悪とに割り切れる」というような単純化された世界観を
子供たちに教え込むがごとき物語をやるとは何事でありましょうか。
だいたい、『三国志』とは、ひとつの物事を三者(三国)の視点から捉えられる
物語であり、子供達にも「それぞれの立場によって、人々の考え方は異なる」
ということを理解させるにふさわしい作品かと思います。それをあえてブチ壊すとは、
「なんのために三国志を題材にしたのだ!」と思わずにはおれません。
日本での子供向け作品は、
「悪(とされるもの)は、かならずしも悪とは限らない」
「悪(とされるもの)は、彼らなりの論理で生きている」
というような、「物事は一面ではない」ということを(意識的にか無意識的にか)主張
しているものが多いように思われます。当時ヒットした『キン肉マン』『ガンダム』
『北斗の拳』『キャプテン翼』『ウルトラマンシリーズ(再放送)』なども、そういった
作品でした。子供達は物心ついた時から、そういう作品に触れているので、単純な
勧善懲悪モノを喜ぶのは、せいぜい小学校低学年ぐらいまででしょう。三国志を
理解するぐらいの、小学校高学年の子供が、単純化されたキャラクターを喜ぶとは
思えません。むしろ、「うさんくさい」「幼稚くさい」と思うのが関の山でしょう。
その点からも、「わかりやすいと思って、勧善懲悪にする」という考え方は、誤り
だと思います。
上の考え方から言うと、『演義』も、ひっかかってきそうですが、幸か不幸か、
『演義』の場合は、悪役曹操の悪行を、「これでもかこれでもか」と書き込んである
ために、かえって、曹操が魅力的になってしまっており、「単純化している」とは
簡単に言えない領域になっています。まあ、それでも鼻につくので、ホンモノを
求める人々が、『歴史系』へと誘われるのだと思います。
>
>「その時歴史が動いた 第64回三国志英雄伝」は予想以上の内容でした(汗)
>(第一部のテーマであるはずの赤壁の戦いでは、周瑜の名前すら出てませんでした。「呉の武将」と一言。)
>「その時歴史が動いた」の番組でわざわざやる必要がなかったと思います。どちらかというと「その時虚構が動いた」だと思いましたし。
>当時、何人かの三国志ファンは公式サイトにあるメールアドレスに意見を送ったと思うんですが、その公式サイトに載った意見は賛美するものばかりで批判的なものはまったく載せられてませんでした。
>サイトの都合上、載せられなかったんでしょうか。
『その時歴史が動いた』シリーズは、比較的真面目に歴史を考察しているように
見えたんですが、そんな調子では、この先「これ、ホンマかいな?」と懐疑的に
なってしまいそうです。それとも、『虚構が動いた』になってしまったのは、
三国志の回だけなのでしょうか。心配です。
>陳先生のは描写があっさりしているので、脚本家や演出家の腕の見せ所かあるのかなぁと想像してます……といっても陳先生の「琉球の風」の原作と大河ドラマを見比べたわけではないですけどね。
>歴史系だと、今、文藝春秋で連載している宮城谷三国志でしょうか。
>(http://gukko123.hp.infoseek.co.jp/←ぐっこさんのサイト「三国迷ぐっこのHP」
>の三国志掲示板 CAFE"a Bridge too far"の「★『宮城谷三国志』総合スレッド★」参照)
>しかし、私が見た印象ではドラマにするのは難しそうです、史書寄り過ぎて。
『宮城谷三国志』!!!!
前に見た時は、まだまだ一般的な「三国志」の範疇外の部分をやっていたので、
しばらくすっかり忘れていましたが、そちらのサイトのスレッドを見ると、もう
だいぶん「三国志」領域に入っていたようですね。迂闊でした。『宮城谷三国志』を
読まずして、「歴史系の三国志小説がない!」と嘆いていたのだから、我ながら
「無知とは恐ろしい」、といったところで、非常に恥ずかしい思いです。
これを教訓とし、さらなる精進を重ねていきたいと思っております。
したがって、まだサッパリ読んでいませんが、『歴史系』の「柱」となるべき
作品として、たいへん期待しています。
陳先生の作品を、そのまんまドラマにしようとすると苦しいので、女性の視点、
民衆の視点、人間ドラマ、という要素だけを頂戴して、あとは脚本家や演出家の
腕に期待する、といったところが理想です。
>歴史創作と解説って小説でもマンガでもドラマでもそのさじ加減は難しそうですね。
>あまり多すぎると本編の創作と見ている人と距離ができてしまって感情移入できなくなってしまう恐れがあります(距離をおくと冷めた視点で創作を見てしまうと思います)。
>歴史としての面白みだけを出すんだったら解説をいっぱい入れれば良いんでしょうね。
>(と書きつつ、『独眼竜政宗』を見たことないんで、それはうまく解説を入れ込んでいるのかもしれませんね)
>
>かと言って、まったくないと読んでいる人、見ている人にとって意味がわからなくなりますし。
>うまく物語に組み込めれば良いんですが。
>これがスポーツの創作ものだと、なにもそのスポーツについて知らない主人公が失敗したりさせて、そのスポーツのルールとか傾向とか主人公に慣れさせる、ひいては主人公に感情移入している(主人公視点である)読者に解説できるっていう少年マンガにありがちな技法を思いつくんですけどね。
>だけど、歴史創作の登場人物はすでにその歴史舞台に慣れて当時の常識なども体得しているので、その技法もできそうにないですね。
>(ファンタジーだと、現代人の主人公をその異世界に放り込むって技法ですかね)
>
>そういった問題を解消しようとしたのが、歴史小説でよく見られる、導入部分をエッセイにしてしまう技法でしょうか。
話は少しズレるかもしれませんが、私は昔、「三国志」の小説や漫画を読んだ
際に、必ずといって良いほど、大きな不満を持ったのです。その不満とは、
「現在地や、戦場、勢力範囲などの情報が、わかりにくい」ということです。
日本の話だったら、駿河・三河などという地名が出てきても、だいたいどこら
へんのことかがわかりますが、中国の地名ではそれがまったくわからない。
「現在の河南省」とか言われても、どこのことやらサッパリです。話の主役は、
今どこにいるのか、どこで、どこから攻めてきたどのような勢力を持つ敵と
戦っているのかを把握していないと、「三国志」の話も、三分の一は、楽しめ
ないような気がするのです。陳舜臣『秘本三国志』では、比較的何度も地図が
登場しましたが、多くの作品は、巻頭か巻末にテキトーな地図がついているだけ
です。これでは、どうにもなりません。戦争や移動のたびごとに、丁寧な地図を
表示してくれれば、登場人物達の感情も、より理解しやすくなると思うのですが。
NHK大河ドラマ『独眼竜政宗』では、当時ではまだ斬新だった(?)CGを
駆使して、地図を広げて、今、どこでどうなっているのかがわかりやすく解説
されていたりもしていました。『三国志』をドラマ化するなら、こういったこと
もやってもらいたいところです。
さらに、空想(妄想)を進めて、NHK大河ドラマ『曹操』では、第一話は、
劇画『蒼天航路』の導入部のように、ちょっとした曹操への解説から始めて、
ババンと主題歌(曲)へ。主題歌が終わると、いきなり張角の顔のドアップが。
私が考える張角役の第一候補「京本政樹」なら、クールに「蒼天すでに死す、
黄天まさに立つべし」と唱えます。第二候補「ショーケン」なら、『利家とまつ』
の明智光秀役で見せた「愛宕百韻」のように、「蒼天すでに死すゥー。黄天まさに
立つべしィー」と特徴のあるイントネーションで絶叫する。そこで、「西暦
184年…」と簡単な解説が入り、いよいよドラマが開始する。
…以上、妄想でした(妄想三国志ドラマ・キャスト案募集中)。
>
>国産で三国志もののドラマってあったんですね。
>参考までに見てみたい気がします。
>(…とよく思い出すと、国産ではスーパー歌舞伎がありましたね。このツリーの主旨からだと論外ですね・苦笑)
国産ドラマは、どうということはない内容だったと記憶しています。
確かテレビ東京系でやっていたと思うのですが、ビデオになっているのか
どうかはわかりません。
感心した覚えも、怒り狂った覚えもないので、まあ無難な内容だったのだと
思います。
スーパー歌舞伎は、テレビで「泣いてバショクを斬る〜死せる孔明」のあたりを
ちょっと見ましたが、あれはあれでよくできていると思いました。客席・視聴者の
皆様が、「あれはフィクションだ」と理解していることを祈ります。
ということで、今回もかなり雑談でしたが、いかがだったでしょうか?
御意見、御感想、御指摘等を賜れれば幸いです。
ジョージ真壁
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