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2013年11月の雑記 |
2013.11.01.
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<<2013年10月の雑記
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このページは日記コンテンツです。本サイトでは全然、ジャンル違いなので注意です。 11/1 フュージョン・スタイル! ・<<第37回 秋の古本まつり(京都古書研究会2013年10月31日-11月4日)(※三国関連の記事) 上記記事にあるように午前中に京都の知恩寺で開催の「第37回 秋の古本まつり」に行った後、一旦、帰宅し、昼食の時間に当てていた。 13時20分ぐらいに家を出て、自転車で京都国際マンガミュージアムへ。13時40分ぐらいに到着。 ・>>京都国際マンガミュージアム ・>>・日本マンガへの憧れからフュージョン・スタイルのマンガへ - ドイツのマンガ家クリスティーナ・プラカの場合 | 京都国際マンガミュージアム - えむえむ 上記ページの研究会へ一般参加のために訪れたのだが、まず前々から誰かから聞いて気に留めていた、『もやしもん』7巻から探したが諸葛亮のコスプレしたオリゼが見つからず。続きの8巻も読んで、4巻ぐらいまで辿るが見つからず。ちなみに帰りも7巻をチェックしたが見つからず。もうちょっと情報を集めないとね。 14時に会場の研究室1を訪れると二人ぐらいが英語で話していた。誰かが今回の登壇者である、クリスティーナ・プラカ(Christina Plaka)さんだろうなと思っていた。よく知られた説明では、ドイツでの日本スタイルのマンガ家であり、近年、日本の京都精華大学へ留学し2012年3月に博士前期課程を修了されたそうで。そのうち、ベルント先生がいらっしゃって、今回の登壇者のクリスティーナさんとの感動の再会シーンを回りに見せていた。部屋はいつもの小学校の教室がベースになっていて、北の廊下に面しているため、北西と北東に出入口があって、西側の本棚前の南北の長い机が発表者のスペースで南西の角にスクリーンが立てられている。 14時30分開始なんだけど、ベルント先生が15時からと勘違いしいらして、10人ぐらいの観衆でシームレスに始まる。なんか調子にのっていろいろメモを取ってしまったが、以下、その時のメモ。 ・ベルント先生からクリスティーナさんの紹介。「ドイツを代表する少女マンガ家」とされがちと紹介 ・スクリーントーンは最近、使っていないそうな。以前は使っていたが疲れるそうで。 ・日本スタイルの表現で真似たのは、白ヌキ目、突然出てくるSDキャラ、コマ割り等 ・スクリーンに自作を映し出して、クリスティーナさんが自己評価や批評、というよりツッコミ。それがとても面白かった。例えば、驚いた顔が隠れているとか、詰めすぎとか、顔のバランスが悪いとか。 ・身体言語もまれに ・フキダシの中に顔を出す技法もマネ。『怪盗ジャンヌ』から。 ・その流れでマネした箇所をスライドでピックアップ。やはり母国語が日本語じゃないから「影響を受けた」とかオブラートに包んだ表現ではなく「マネ」 ・それはフォルム、視座、アゴと口のラインとか ・まず風景だけのコマを見せ、その下により幅広のコマでシーンに入る所をマネたそうで ・日本特有のコタツやキッチンなどを真似たそうで、それは日本特有のアパートの光景。自分で見せておいて「はずかしい」とコメントされていた。まぁ、そうだろう。 ・(ドイツで連載していたマンガは日本が舞台で、登場人物も日本人名。)ミネムラ カズヤはドイツで人気がなかったのでマネに気付かれないと思ったそうで。 (ここで質疑の時間が入る) Q 自分の場合、スケッチ→自分の絵と作画する。クリスティーナさんは、他人のマンガ→自分のマンガの流れだが、スケッチしたことはあるのか? A 実物を描いたことはあるがマンガっぽいスタイルが出てくる。 ・2巻3巻ではドイツで読者が厳しかった。「マネしすぎで、日本的過ぎる」と言われた。 ・3巻から他のマンガからマネせずロック雑誌だけを見た。 ●卒業制作の『Kimi he』の話 ・BDの影響 Q 日本に居る間、日本マンガのスタイルから遠ざかったのはなぜ? A 日本に居たらドイツを懐かしんだため。 Q 日本でのゼミの影響は? A 他人との違いを見せたかった Q 日本でのゼミの影響は? ・『Kimi he』は日本マンガに興味のない人に初めて評価された。 ・初期の作品で線の太いのが細くなったのは意識したため。 ・読者のコメントが厳しかった。線が太い等。 ・そのため、新しい道具、丸ペンを買った。最初はドイツ製。 ・紙もコピー紙を使っていた。日本製のケント紙に換える。 Q 『DAISUKI』での編集者の影響は? A 日本と違う、自由。『Kimi he』のドイツ編集者は介入しすぎ。セリフ等、ドイツ語(グラフィック・ノヴェル)に介入。 →これに対して研究者で少女マンガ家でもある質問者が「論文に使わして貰います」と。 Q (スポーツものが好きという流れで)バレーボール・マンガを描く気は? A ドイツではスポーツ・マンガは無理なんで、恋愛メインで描いている。 Q 小さい頃からかいてきたので、マンガの描き方は感覚的に覚えた? ベルント先生が言うエピソードによると、 数年前、京都国際マンガミュージアム(※「ここの1階」と表現してたっけ)にて、マンガ理論家で世界的第一人者が言うに、日本のマンガに夢中になっていて自分の文化を忘れて、という批判に対し、クリスティーナさんが「日本マンガは私の文化だもん」とこぼしていたそうな。 ・当日、清岡は、お二人が出演したこれって2009年の国際学術会議「世界のコミックスとコミックスの世界」の第2日目「セッション2:グローバル化における越境とマンガ研究」と理解したが、違うかな? ・>>国際学術会議「世界のコミックスとコミックスの世界」| 京都国際マンガミュージアム ・<<京都国際マンガミュージアムへ。四日目(2010年12月19日の雑記) ・>>メモ:大半の三国創作と二次創作の相似点 ・ドイツの市場は2007年がピークで、その前提として2002年では代表的マンガばかり輸入されており、そのためクリスティーナさんのマンガがそれらと読者から比べられてあれこれ書かれる状況だったそうな。 Q 『Kimi he』は日本語に残した理由は? A 雰囲気を出すため。ドイツの読者はコメントがポジティブ。感動したとか。 ・2011年3月に(震災で)親に頼まれてドイツに帰る。 ・『Comics for Ladies』は大失敗。 ・ベルント先生によると、オタク層はマンガ文化が認められたことを嬉しく思っている。 ・日本でのマンガ家生活は人間の生活ではないという認識。 Q 自分のスタイルが確立したのに生活できてない? Q (ベルント先生)オンライン出版は考えれるか? A 実際の本を出版して欲しい。 Q 初期の頃はどういった制作方法か? A アニメのようなイメージで簡単にコマ割り Q 美術教育は受けたことはあるか? A ない。SDの表情をアニメーション(DreamWorks)風にしたかった。ポージングも →あとで実際、どんな感じかアニメーションを実際に見て確かに(日本のアニメでは見られないような、欧米人がよくみせる)豊かなキャラの表情と動きで、それらの影響を受けた海洋冒険もののマンガを見る。 ・>>DreamWorks Animation それからクリスティーナさんの現在の創作活動。表に出てくるのは下記のYouTubeのサイトで、マンガ関係やら、日本語を紹介する動画等がたくさんあって、話を聞いているととても面白そうだった。 ・>>Christina Plaka - YouTube 実際、会場で一つの動画が流される。それは左手でクリスティーナさんが『名探偵コナン』の江戸川コナンを描くというもので、下手になるだろうと思ったら、案外うまく描けたってものだ。 楽しくお話を伺っていて、17時前に終了する。 ※次のカルチョ関連の雑記・>>メモ:アットホーム・ミラニスタ交流会@名古屋ミランカフェ(2013年11月2日の雑記) テレビ大阪で映画『純喫茶磯辺』を見る。雨上がり決死隊の宮迫さん演じる父親が遺産を受け、建築業を辞めしばらく働かずにいたが、純喫茶を開業することに。娘役を『時をかける少女』の仲里依紗さんが演じる。アルバイト店員を演じるのはハリセンボンの近藤さん。なんかキャスティングだけでも惹かれてしまうね。そのまま雰囲気で見入ってしまった。ビデオの残り容量が少ないんで、面白くなければすぐ消そうと思っていたが。ちなみに別れた妻を演じるのは濱田マリさん、お客がこないのに新たに入れたアルバイト店員を演じるのは麻生久美子さん。当然、先に入ったアルバイト店員は父親から辞めさせるプレッシャーをうける。というか麻生さんが出演される新作映画の宣伝もあって放送されているんだね。 11/2 番組いろいろ ・>>水沢アリーの「おっぱい」が話題!その真相は!? | ミシェル! BSフジで情報バラエティー番組『(有)マイニング ニュース』を見る。番組自体は適度にゆるい情報番組で面白い。社長という設定の水沢アリーさんとCOWCOWのお二人とで番組をまわす。見える化エンジン。こういうサービスはありがたいけど、学術的な有用性はどんなもんやろ。 ・>>ミシェル! ・>>アニメ「義風堂々!!」公式サイト テレビ大阪でアニメ『義風堂々!! 兼続と慶次』第十八話を見る。なるほど、『コミックゼノン』で連載していたんだね、原哲生先生原作で。しかし分裂からもう三周年なんだね。こちらはそのまま既存の「バンチ」路線で、新潮社の方はあからさまにターゲットを替えているし(後者については青木朋さんもおっしゃっていたが) しかし深夜アニメとはいえスポンサーに回れるだなんてゼノンの資本力侮り難し。 ・>>シリーズ日本新生熟年サバイバル~年金減額時代を生きる NHKスペシャル『日本再生 熟年サバイバル~年金減額時代を生きる~』を見る。毎度の宇野常寛さんが光っているのに加え関西でお馴染みの遙洋子さんが加わり面白いことになっていた。 ・<<男を会社から解放する(2013年4月6日の雑記) 11/5 メアリー・スー選手 ・>>Dragon Ball Multiverse - Webcomic 『Dragon Ball Multiverse』。つまりUniverseの複数形。いわゆる『Dragon Ball』の同人作品で、その名の通り平行世界もの。以前、見たとき英語版しか見付けられず途中まで読んで、URLを見失ったんだけど、ちゃんと日本語もあって(フランス語はもちろんイタリア語もある!、今回、780ページ中一気に633ページも読んでしまった。戦いだけで魅せるのではなく、ファン心理をくすぶる小ネタが満載。そして各平行世界にはその都度、サイドストーリーが用意されている。バーダックがフリーザを倒した世界の話は良いね。 ・>>Page 284 - Dragon Ball Multiverse あと(『Dragon Ball』にあまり関係ないだろうが)その名もズバリ、メアリー・スー選手。良いね。いや、このページ自体、遊んでる。まぁ、それはちゃんと30ページ後ぐらいにオチがつけられるのだけど、それ以外に平行世界ネタ、それもドラゴンボールでふんだんに使われていて面白い! 人造人間の天津飯対『西遊記』の孫悟空とか、原作者を出場させたり、メタフィクション的なネタも入れ込んでいる。 ・>>Page 359 - Dragon Ball Multiverse ・>>日経スペシャル ガイアの夜明け - テレビ東京 ・>>"不屈の町工場"新たなる挑戦! テレビ大阪で情報番組『ガイアの夜明け』を見る。テーマは「"不屈の町工場"新たなる挑戦!」。愛知ドビーの密閉性の高い、無水調理鍋「バーミキュラ」での料理がどれもおいしそう。特に魚料理が食べたい。ガイドブックがついてくるなら購入しようかな……って人気が高くて買えない情況だけど。 ・>>鋳造から機械加工まで一連生産 - 愛知ドビー株式会社 - ・>>究極の無水調理が出来る人気の鍋| Vermicular(バーミキュラ)公式サイト ・>>NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」 - NHKオンライン NHK総合のNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』を見る。大阪編はもっとドロドロしたものになるかとおもったけど、お膳をひっくり返されて、「そんなに食べ物が大切なら食べればよろし」と言われ床に落ちたのを食べる主役の打たれ強さが見ているこっちをイヤな気分にさせないね。 11/6 「捨てられた食べ物がかわいそう」 ・>>NHK連続テレビ小説「ごちそうさん」 - NHKオンライン NHK総合のNHK連続テレビ小説『ごちそうさん』を見る。「捨てられた食べ物がかわいそう」という思いで、意地を張らず、懐柔する切り替えは良いね…ってその後の展開はそれまでの東京編には見られない西日本朝ドラ的展開。これがグダグダになるか綺麗にまとまるか、見てみよう(イタリアスポーツ新聞記事翻訳風)。 11/7 「「趣向」が重視される」 ・>>剽窃の文学史 甘露純規『剽窃の文学史──オリジナリティの近代』(森話社2011年12月19日発行)を読む。翻案マンガに見られる文化の伝達を見ている身としてはあれこれ参考になったなぁ。というわけでその書籍のpp.196-197からの引用を下記に示す。個人的に念頭に置いておきたいところだ。 ━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 戯作でストーリーやプロットを作る際には、「趣向」が重視される。「趣向」とは、人々にとって既知の物語に新たな膨らみを持たせることを狙って、物語に仕掛けられるものである。たとえば山東京伝の『忠臣水滸伝』は、全体の大まかなストーリーやプロット、場面や登場人物の設定は近松門左衛門の『仮名手本忠臣蔵』に従い、その登場人物の設定には『忠義水滸伝』の諸星の属性が「趣向」として付与されている。こうした趣向は戯作にとどまらず、江戸時代の人々の最大の娯楽である歌舞伎でも頻繁に用いられ、趣向を仕掛ける有名な歌舞伎や浄瑠璃を「世界」と呼んだ。つまり、趣向とは、読者にとってすぐになじみのある物語や場面や登場人物に新たな膨らみを持たせるために、その場面や登場人物に新たな設定を加えることでもあり、それは既知のストーリーやプロットに対して、多彩なプロットの展開・表現上の緒効果をを生むものだった。加えてそれは、技巧的な巧みさを目指すものであって、美的な調和を目指すものではない。見事な趣向について誇られるべきは、その美的調和ではなく、作者の巧みな手腕なのである。 ━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 11/8 「見込み」だけで売り込み ・>>飛雄馬、インドの星になれ! - 講談社BOOK倶楽部 結局、ほぼ行き帰り+休みで読む。何かというと、古賀義章『飛雄馬、インドの星になれ! インド版アニメ『巨人の星』誕生秘話』(講談社2013年1月28日)だ。初動の報道はじつは古賀さんがほぼ何も決まってない状態で日本経済新聞やNHKに「見込み」だけで売り込み、それが結果的にいろんな団体を動かすきっかけになったという素晴らしい手腕だ。 ・<<スーラジ(2012年12月22日の雑記) ・>>七人のコント侍 - NHK NHK BSプレミアムで『七人のコント侍』を見る。ネタ番組、コント番組の数がピークを迎えすっかり廃れてしまった中で、このクオリティの高さは素晴らしいね。単に演者に脚本を押し付けるのではなく、演者のキャラクター性を活かしていて面白い。例えば、アニメ『一休さん』とかけて、NON STYLEの井上さんが演じる小坊主役に、悪口を言われてもポジティブなことを言い返すキャラ設定を与えるだなんて。アニメの終わりみたく、顔の回りの円以外の部分が黒くなって「怒らない怒らないポジティブにポジティブに」と言う演出。面白いね。 11/9 買収が通じるあの世 ・>>ステキな金縛り - 映画|東宝WEB SITE フジテレビ系列で映画『ステキな金縛り』を見る。映画館で見逃した映画で、やはり三谷作品は面白い。深津絵里さんにドジッ娘を演じさせるだなんて。そして買収が通じるあの世(笑) しかし未だ全部見てないけど、番組のデータにある草彅剛さんってどこで出てくるんだろう、すでに出てきたのか?……ってそういうことか。笑いの中に感動が混ざっている良い映画だった。 11/11 当たった! ・>>MOW(モウ)アイスクリーム MOWのQuoカードのプレゼントが当選した……といってもネット上で申し込める方式なもんで、溜めたポイントを次から次へとQuoカードの応募につぎ込んでいってた。 11/12 演じ分け変遷 ・>>ANIME ROOM | 読売テレビ アニメ総合サイト - YTV よみうりテレビ 季節ごとに変わるMANPAガールはもう六代目なんだけど、MANPAちゃんの声がそのたびに変わるのは良いとして代を重ねるごとに演じ分けがどんどんひどくなるのはどこまでいくのだろう。 11/14 本の宣伝までも! ・>>奇跡体験!アンビリバボー - フジテレビ フジテレビ系列で番組『奇跡体験!アンビリバボー』を見る。遠藤誉先生がスタジオにもVTRにも出まくり! そして本の宣伝までも! ・>>中国動漫新人類(2008年2月12日) ・<<バリー・ホワイト降臨(2012年11月29日の雑記) 11/16 食狙い? ・>>NHKアニメワールド ログ・ホライズン - NHKオンライン NHK教育にてアニメ『ログ・ホライズン』「クレセントムーン」を見る。強制的に放り込まれたMMORPGのゲーム世界、しかも好き勝手するプレイヤーの中で、経営の理屈を持ち込んで、秩序を作っていく様が面白いなぁ。同じゲー無関係のアニメでもアニメ『ドラゴンクエスト』(「ダイの大冒険」ではない方)とはえらい違い。そして文字通り「味のない」世界にゲームの抜け目を狙ったハンバーガー作り、そして大繁盛。今のNHKは朝の連続テレビ小説『ごちそうさん』と共に食狙い? ・<<NHKが素晴らしいのかプロダクションなのか(2013年10月5日の雑記) ・>>NHKアニメワールド ログ・ホライズン - NHKオンライン その『ごちそうさん』はここ数年にありがちな従来通りのドロドロ展開ながら、主人公のひたむきなどのキャラクター性でそれを浄化させるような構造になっていて、安心して見れる、今のところ。今までの大阪制作はそのドロドロに主人公が流されて汚れていく展開だったけど、今回は新しい。 ・<<「捨てられた食べ物がかわいそう」(2013年11月6日の雑記) CSの契約一周年無料サービス(正式名称失念)でAT-Xのアニメ『赤い光弾ジリオン』#1を見る。オープニングの歌詞の字幕が徐々に出てくるだなんてカラオケ文化だな。 11/17 遠くドイツの次は近く台湾 ※前回訪問時・<<フュージョン・スタイル!(2013年11月1日の雑記) ※前回・<<立ちはだかる前カピターノ(※カルチョ関連の2013年11月3日の雑記) 上記雑記から二週間後の日曜日。14時に自転車で家を発ち、馴染みの図書館に行き、1冊返して増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社2011年9月30日)を借りる。その後、自転車で京都国際マンガミュージアムへ。15時前には到着する。 ・>>京都国際マンガミュージアム ・>>台湾女性漫画家AKRU~その制作を語る | 京都国際マンガミュージアム - えむえむ 上記ページの研究会へ一般参加のために訪れた。今月の始めに外国人マンガ家を呼んで、その半月後にはまた外国人マンガ家を呼ぶという構図だ。今回は、台湾のマンガ家のARU先生だ。以下、その時のメモ。 ・最初に京都精華大学マンガ研究科の池田美香さんによる作品説明(dynabook ASUSを使いつつ、スクリーンにプロジェクターで資料を投影しつつ)。 ・劇情マンガとはストーリーマンガのこと。 ・『コプレの翼』(原題『柯普雷的翅膀』)は19世紀末にオランダ人のトーマがサシャを捜しに台湾に来る話。トトはガイド。縦書き右開きの作品。 ・花びらが魚に見える。 ・サシャについてネタバレされていた。 ・小説や映画を参考にせず資料からオリジナリティを膨らませる。 ・以下、池田さんとAKRU先生のQAで進行 Q 外国人を主人公にした理由は? A 漢人と台湾人の仲が悪く、ヨーロッパ人は敵の敵だったので、ヨーロッパから好意的にかかれたため。 Q ネームはどうやってつくった?→紙の大きさの話 A A4サイズ、コピー紙に描いていた。ネームが下描きになっていく。(時間がないため)バスの中で描いたりする。ペン入れ、仕上げのときにテレビを見ながら。 A 一ヶ月に30ページのペース。プロではなかったので自分で決める。 A キャラより物語を先に決める。 A ペン入れ、トーンはPC作業。ベストな方法。 A まず鉛筆で手書きしていた。このといぐらいからオリジナルの作品を描き始めていた。 A ゲームの会社に勤めていた。例えばゲームの背景を描いていた。 A 台湾でマンガの道具が手に入りにくい。 A 回想シーンでコマの外が黒とか自然に日本のマンガを学んだ。自然に、読んでいた漫画がそうだった。 A アシスタントの経験はない。経済的理由により台湾のマンガ家にアシスタントはいない。 A マンガの仲間、グループがあってアドバイスをしあう。 Q プロデビューしたきっかけは? A コンテストに参加し賞を取ったからその副賞で出版した。 A 歴史マンガの需要にマッチして依頼が来るようになった。 A 同人作品の読者は女性が多い。 A 小さいときは少年マンガを読んでいた。 ・『北城百画帖』(The Bai Hua Café, 2010)について。20世紀初頭の日本統治時代が舞台で、山下(仮名)と小城が台北博覧会にて飛行機好きで意気投合する。半年に一回の雑誌で連載。今、その雑誌は三ヶ月に一回。 ・日本の人類学者が台湾に行ったが戦後、隠蔽される ・ベルント先生曰く、90年代から再発見される。 Q 人気が高いのはストーリーか、マンガだからか。→※清岡が聞き逃した A 出版社、編集者関係なく自分から描いた。編集者は資料集めを行った。 A 元々、1935年の博覧会(台湾のことだけなので万博とは違う)のことをかかないかという話があった。 ・コマ割の話。(池田さんによるQ)始めの3ページでコマを重ねた理由は? ・まずオーディエンスによる議論が起こる。 A (ページ上部がコマが重なりページ下部の大きなコマを指して)おじいさんの感情を強調したかったから。 Q PCに取り込むとよりみやすくなった。見開き単位でよくデザインされている。そういう雑誌掲載をイメージしているか? A あんまりイメージしていない。 Q 単行本はどこまでたずさわっているか?→※清岡が聞き逃す Q 男性向けマンガより女性向けマンガの自給率が台湾で高いのはなぜか?他にもAKRUさんのようなマンガ家はいるのか? A みんなが日本マンガを読む、女性の方が日本、台湾両方を読む。 ・AKRUさんのマンガほど、AKRUさんのパートナーのマンガは日本マンガスタイルではない。 ・ベルント先生曰く、ほとんどの国は日本マンガスタイルを借りたローカルスタイル。 ・AKRUさん自身としては自分のテーマがマンガ化されてないから、マンガ化したい欲求があった。 Q 表紙が日本マンガに似ているから人を惹き付ける? A わざとじゃない。キャラクターの視点、読者の視点で描いている。 Q 単行本巻末に解説文がつく形式はなぜ?読者が知りたがるから? A 作品を読んだ人たちも読みたがったから Q どうやって時間を節約したか、どうやって早く描く? A 都市は借用。大自然は自分で描く。古い写真を見て背景を描く。時々加工。 Q 男の子の年上女性へのあこがれが両作品にあるのはなぜか? A AKRUさんにお姉さんがいたから。 A 同人誌は歴史マンガじゃない。 Q 美術教育は? A 小学生のときぐらい。ゲームの会社でいろんなことを学んだ。大学では考古学を学んだが、マンガは関係ない。資料を集めるのに役立った。 Q もしマンガ学科に行く機会があったら? A 多分、行く。 ・しばし大学議論。 Q 台湾でマンガで食べていけるか? A だから同人をやる。同人誌の方が儲かる。あとイラストも財源。(単行本1冊2年、2冊目3年) A 台湾ではサークル数が少ないので、全部読まれる。 Q 国のコンテストは? A 自費出版でコンテストに参加した。賞の後、改めて出版した。 Q 台湾の同人誌はオリジナルが多いか、二次創作が多いか? A 二次が80%ぐらい。 Q お金以外で同人誌を好む理由は? A 両方あれば一番良い。長い作品なので出版されたら良い。同人の発表は年二回。 Q インターネットを使うか? A E-BOOKでも変わらない。 ・制作にPCを使うのとネットに抵抗が無く、前回の人(=クリスティーナ・プラカ(Christina Plaka)さん)は抵抗があった。 ※次回の記事・>>三国志ファン、コア層こわそう、再燃 11/18 発表の時期 ・>>「青春18きっぷ」の発売について:JR西日本 例年と同じで一安心。しかも春の分も発表されている! ━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2 発売期間とご利用期間 ・冬季用 発売期間 平成25年12月1日から平成25年12月31日 利用期間 平成25年12月10日から平成26年1月10日 ・春季用 発売期間 平成26年2月20日から平成26年3月31日 利用期間 平成26年3月1日から平成26年4月10日 ━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━< ・>>青春18きっぷ無事発売(※2013年2月15日のカルチョ関連の雑記) 11/20 ロンくん&ロンちゃん ・>>ごぶごぶ - 毎日放送 MBSの番組『ごぶごぶ』にて。まさかの龍谷大学のゆるキャラ、ロンくん、ロンちゃんのきぐるみが出てくるとは。ゆるキャラまつりで見た以来だ。 ・<<あ、小坂城ね(2013年1月29日の雑記) ・>>「ゆるキャラまつりin彦根」に孔明わん&関うーたん(2012年10月20日21日) 11/28 「集団調和の抑圧」 ・>>トップ|NTT出版 ・>>少女と魔法 ガールヒーローはいかに受容されたのか|書籍出版|NTT出版 図書館から借りた須川亜紀子/著『少女と魔法──ガールヒーローはいかに受容されたのか』(NTT出版2013年4月30日)を読み切る。なかなか読んでいる途中でメモを取れなかったので、p.262以降の「第六章 まとめと展望」を今、見ながら記憶を辿る。p.265「第二章では、大衆文化を通じた日本の「少女」文化の発展に関して、三つの側面を論じた」とあるように、歴史順に日本のその文化の概要を社会的視点から俯瞰できて興味深かった。pp.265-266「第三章では、オーディエンス調査に基づき、各世代で人気のあった女の子向け「魔法少女」テレビアニメ六作品──『魔法使いサリー』、『ひみつのアッコちゃん』、『魔女っ子メグちゃん』、『魔法の天使クリィミーマミ』、『美少女戦士セーラームーン』シリーズ、『おジャ魔女どれみ』シリーズ──をとりあげ、テキスト分析を試みた」とのことで、各作品の概要はもちろん、それぞれで内包する要素が解説されてあって、興味深かった。こうやって先に各「少女と魔法」作品を解説、いわば理論(テキスト分析)を展開し、それを踏まえ実験で探るかのように、次に移りp.267「第四章では、成人女性たちへのインタビューと、小学四年生の少女たちへのグループ討論によって得られた言説を分析し、実際の少女オーディエンスが女の子向け「魔法少女」テレビアニメをどう消費し、使用しているのかを論じた」とある。個人的にはこういったインタビューを通じ社会動向を調査する技法の有用性が判らずにいて、多くの数で説得力を持たせようとする方向に行っていたのだけど、ここでは前者を「質的分析」、後者を「量的分析」としており、確かに読んでみると量的分析では得られないような要素が質的分析で「析出」してあるのが興味深かった。そして意外と「サリー・アッコ世代」は人前で関連玩具で遊ぶのは恥ずかしいこととして、『ひみつのアッコちゃん』のコンパクトを買ってもらって(人によっては密かに購入して)、一人で密かに「テクマクマヤコン」と唱え変身できるか試したりと、興味深い事例が語られていた。「恥ずかしさ」は幾分か緩和されるもののこの一人で遊ぶ状況は「メグ・マミ」世代にも引き継がれるそうな。ここらへんで個人的に興味深い用語が二つあって、一つは「集団調和の抑圧」。p.204に「集団調和の抑圧が、学校生活で強く働いていたため、集団調和からの逃避場として、変身や変身ごっこが個としての自己の再確認手段であり、自己表現の場であった」とある。もう一つは「テキスト密漁」、つまり「二次創作」も含む言葉で、ここでは夢の話に適応され、p.206「エミを占有化し、自分の物語に書き換え、しかもそれを鮮明に覚えている、というのは、「テキスト密漁」によるエミの私有化であり、エミとしての自分というファンタジー内での自己表現であった」とある。それがセーラームーン・どれみ世代になると、pp.211-212にあるようにグループで遊ぶアイテムになっていて、時には友達の家でコスチュームを渡され、歌って踊ったりするまでになったそうだ。まさに「少女」の、ここではロー・ティーンだが、ハイ・ティーンも、それ以上にも通じる「閉じた世界」が表象されている印象があった。個人的にはここらへんの「閉じた世界」には日頃から気持ち悪さを感じているので、それを理解できる一端に触れたようで興味深かった。p.268「第五章では、二〇〇三年以降の「魔法少女」アニメの多様化と、視聴方法の多様化ゆえに、それまでの方法論を一旦放棄し、『プリキュア』シリーズに焦点をあてたテキスト分析の試論を試みた」(と今、気付いたが文の最後は重語だね。「展開させた」とかになるのかな)とあり、再び、第三章の展開と似た形となり、それまでの章の流れを承け、現況を説明するようで面白かった。 |
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