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レポ:ムジカの幸福再び~さねよしいさ子ライブ
2013.07.28.
<<レポ:さねよしいさ子春のライブ


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>>はちみつレーベル

   今回のライブを知ったのが、開催11日前の2013日7月17日発行のメールマガジン『★☆★さねよしいさ子メールマガジン★☆★』第038号で、大阪での開催と知ってなんか自分の財布の中身を確認せず、すぐにライブのチケットの予約をしてしまった。

>>ムジカジャポニカ

   すぐにそれはちょうど3年前のライブと同会場だと知って、さらに後で気付いたのだけど、実は今度でそこでのさねよしさんのライブは2回目とのことだった。

<<ムジカの幸福さねよしいさ子登場レポ

   そのメールマガジンや会場のサイトを見ると、どうやら今年5月25日のAPIA40でのライブとメンバーは一緒のようで、二ヶ月も経っていないため、選曲も似たような感じになるだろうし、すでに前述のメールマガジンで「新曲『森の中のにわとりが』『空からのファンファーレ』『ピカレスク』も歌う予定です」と書かれており、新曲も含めより深く楽しめるんじゃないかと楽しみにしていた。

   当日はリサイクル・ステーションに紙の資源ゴミを捨てに行くこともあって、50分ぐらい京都市内を歩いた後、前回の京阪と違い、阪急で梅田まで行くことになった。天候は曇りで涼しいぐらいで京都市内を歩く分には助かったが、降雨の心配があった。
   18時開場のところ、16時54分梅田駅に到着してそこから梅田の地下を歩く。よく地下で迷うと耳にするが、道標があるのに何で迷うのだろうと思いつつ、泉の広場へ行き、そこのM10出口を上がり、ちょっと小雨を感じる道を東へ歩く。3年前の時はちょうど天神祭りで自動車の交通規制で車を一台も見ないという異様な雰囲気を北上していたが、今回はよく見る大阪の光景だ。
   ラストコーナーを曲がるときに傘を差して座っている方がいらっしゃって、何だろうとかすかに思っていたが、後で知るにその方もライブの観客だった。17時過ぎに店に近付くと誰も居ないということを知り、どうやらその時点での一番乗りだったようだ。前回同会場は開場5分前で行列の最後尾に着いたので、えらい違い。そういえば一番乗りは下記のリンク先の「2006年さねよしいさ子スプリング隊ツアー」の京都「拾得」(「じっとく」と読むとのこと)以来か。今日、真ん前を通って来たところだけど。

<<春のライブレポ

   それまでライブの予習でもないけど、5thアルバムCD『スプーン』(1999年5月8日、ミディ、MDCL-1345)をHDDプレイヤーで聴いていたのだけど、そういえば、こういうときってリハーサルの音が聞こえて来るんだよね、と思って、イヤホンを外すと、すぐにさねよしさんの声での「赤とんぼ」が聞こえてくる。おぉ、ついに生で聴けるんだ、と色めきたち、その数時間後に、今回のライブと同じ順番であることを知る。
   ともかく今にも雨が降りそうな空の下、リハーサルの歌を聴きつつ、図書館から借りた『アニメ研究入門』(現代書館2013年3月20日)、ちょうど鈴木真吾さんのpp.96-119「第4章 サウンド/ヴォイス研究   アニメを奏でる3つの音──アニメにとって音とは何か」のところを「音」という共通点を感じながら読みつつ、待っていた。

ノート:横山光輝『三国志』に見られる連環画の再構築(2013年7月6日)

   そうすると、徐々にお客さんがやってきて、私の後ろに並んでいった。その時、出入口の右側に室外機があってその熱風を避けるのに、私は自然と左寄りに居たので、列は自然と左側へと伸びていった。3年前は右側に伸びていたのに、と思いつつ。
   やがて開いた『アニメ研究入門』に水滴がいくつも付くようになり、慌ててカバンにしまう。そういえば、それ以前に、店から出てきた方が、雨が降って店の中へ声をかけてくれれば、傘を貸すって話をしていたな、と思いつつ。その数時間後に、ライブ中、知ったのだけど、その方は店のオーナーさんだった。
   依然、小雨程度だったので、特に何もせず居たら、だんだんと強い雨となり、後ろの方々はほとんど持参の傘を差すようになっていた。そうすると、店員がその天候に気付き、店に大量にあるというビニル傘を貸して下さる。さらにリハーサルが押しているとのことで、開場が少し遅れるとおっしゃっていた。
   18時過ぎ開場。東の北壁が入口になっている。3年前と同じく、マンションの一室をぶち抜いたような作りで大きく東西で分かれていて東の北側がカウンター席、東の南側が厨房、西の南部分がステージとなり、それに対して北に観客席がある。

<<ムジカの幸福さねよしいさ子登場レポ

   しばし予約の「清岡(きよおか)」が通じないながらも、前売券3500円とワンドリンク500円を支払い、ワンドリンク券を受け取り、会場へ入る。観客席は4人掛けの席が横に2台並び、それが5行程度連なるのがメインで、後は横や後ろに十数席ある。当然、最前列の真ん中の席を右よりを選ぶ。あとで「詰めて下さい」の意味で店員さんがおっしゃっていたが、実は4人掛けではなく普段は5人掛けとして使われているそうだ。
   ステージの向かって右奥にピアノがあり、それより手前ながら左奥にクラリネットと譜面立てが置かれていて、それより左の手前に譜面が立てられていてそこに柴田さんの位置なのだとわかる。さらに左には赤い扉(マンションにある鋼鉄のやつね)があって楽屋への通り道だとわかる。真ん中にさねよしさんの位置なのは良いとして、やや右寄り手前に譜面立てがある。始まるまで判らなかったがどうやらさねよしさんの歌詞ブック用とのことだった。今回は保険で見える位置に置くようだね。
   すぐに踵を返し、ワンドリンク券をドリンクと引き替える。自分の喉を気遣ってジンジャエールを注文。そうすると「甘いのと辛いのがありますが」と聞かれ、すかさず「辛いの」と答える。WILKINSONのビンごと渡されて、ちょっと怯んだが、まぁ、こちらの方がテーブルのないところでは扱いやすいんで良いか、と納得する。
   当然、客が次々入ってきて、客席が埋まっていくのだけど、中には肩出しの黒いドレスっぽいのを着ていらっしゃる方もいて、こちらも負けじ(いや負けているだろうが)と上を脱いで、緑地に様々な模様の組み合わのクマが左肩で逆さに象られそこに白抜きで“isako”と書かれたTシャツを顕わにする。CommonCafe[コモンカフェ]にて2005年7月10日開催の「さねよしいさ子・夏休みツアー2005」(下記リンク先)で購入したオフィシャル・グッズだ……とまさかこれが伏線になるとは。

<<ライブレポ・ダイジェスト

   それで妄想していたのだけど、ホームとアウェイのTシャツ、さらに夏冬で着分けられる半袖と長袖の2種類、計4種類を作ったり、その年のメンバーの名前を入れて、番号ではなく、「p」とか「vin」とか楽器の略号のそれぞれ入ったTシャツを毎年デザインをマイナーチェンジして売り出せば良いんだって思ってた。問題はそれを買う人がどれだけいるかの前に、ホントにやったらライト・ファン層が駆逐されそうな印象があるな。
   そしていろんな音楽の流れる店内で、ライブが楽しみでまったく集中できない中、『アニメ研究入門』を読んだり、前回、書けないでいたアンケートを先に書けるところだけ書いていたりと時間を消費する。
   19時20分ごろになると、塩谷博之さん、島田篤さん、柴田奈穂さん、さねよしさんが登場。会場が拍手で包まれる。2013日7月17日発行のメールマガジン『★☆★さねよしいさ子メールマガジン★☆★』第038号で「アルバム『スプーン』のブックレットで着た服」を着るとおっしゃっていて、暖色系のチェックの柄でノースリーブのツーピースを着ていらして、スカートは膝上で、手首側に白の飾りのある黒のアーム・カヴァーをつけていらして、黒い靴に短い白のソックスを履いてらして、頭は前回と同じくパーマがかかっていた。前回に比べステージにより近いせいか、さらに一周り小さくなった印象があった。柴田奈穂さんは膝下長袖のペイズリー柄のワンピースをお召しになっていた。
   店の音楽が消え、各々、楽器の調子を確かめていた。そしてすぐ一曲目に入る。

1. まぶた

   まさかの前回の最後の曲から入る。前回は最後に持ってくる曲ではないと少し漏らしていたので、それが反映されたのかな?   声の調子は前回よりは良さそう。はじめ両手でマイクを持っていて、Aメロのところでは左手、Bメロのところでは右手、最後、両手で持たれていた。1曲目は依然、体が暖まってない感じなんだろうね。聴くこっちは今回は上昇感を味わっていた。それだとオープニングに相応しい。バイオリンののびやかさとあうね。あとその点では島田さんのコーラスも何げに効いている。それとクラリネットか。『鳩の太陽、まぶたのうてな』(2013年5月25日、はちみつレーベル   HLSI-1301)収録
   曲が終わり、拍手。そしてさねよしさんからムジカジャポニカ7周年のお祝いが述べられる。3年前にここへ来たことからの話と今回呼ばれたことを語られる。その後、思い出したかのようにメンバー紹介。
   ピアノの聞き覚えの伴奏が流れてくる。楽しげな曲調。

2. THE CHARMING STORY

   さらにヴァイオリンをギターのように弾いて引かれていた。それと今度はソプラノサックス。合いの手のように入る音が印象的。それとこの曲だったか忘れたけど柴田さんがステップを踏んでいたのが印象的だった。いやぁ、雰囲気出るね。「目を覚ますのよ」とか「ふとひらいた」とかの歌詞の部分でさねよしさんの右手が表現されていた。間奏では口笛も入る。あ、でも間奏で水を飲まれていたのでまだ少し心配だけど、聴いているこっちはすっかりのびやかで楽しい世界観に入り込んでいた。
   自主制作ライブカセットテープ『りんご水晶』(1996年)、5thアルバムCD『スプーン』(1999年5月8日、ミディ、MDCL-1345)収録曲、ライブアルバムCD、ライブレコーディングvol.1『チェリー!』(2006年2月、はちみつレーベル、HLSI-0601)。
   曲が終わり拍手。
   そのまま次の曲の伴奏が入る。

3. Gosh

   冒頭で咳をされていたのに気が向きつつ、ローテンションで入り、そして例の上昇する感じが来る。そして2番で再びローテンションになり、まるで上昇のパワーを溜めるように進み、タイトルの「Gosh」に近付くためか舞い上がる。歌詞の「空」の部分で右手で表現されていた。
   CD-R『宙から妹の仔馬に乗った神さまが』(はちみつレーベル   HLSI-1101)に収録。
   そのクラリネットの音がそのままシームレスに次の曲へと導く。

4. 夏の夕暮れ

   1stアルバムCD『風や空のことばかり』(1990年4月21日、フォーライフレコード、FLCW-31061)収録という懐かしい曲、他にはライブCD、ライブレコーディングvol.3『アイス!』(2009年12月12日   はちみつレーベル   HLSI-0901)収録。でも1stアルバムCDの頃と違って、間奏にさねよしさんのコーラスが入って雰囲気がより出ている(この部分はライブCDに入っている)。しんみりした曲なので、ほぼ動かず立たれている、「静」の印象。夏なので、前回の春に歌われた「encore 2. 花の街」とちょうど連続するのだろうね。ちなみにライブでは上斜め45°に視線を置かれているのだけど、今回、急に正面近くまで視線が下がったと思ったら、その先には歌詞ブックがあった。早速、保険が効いていた。

   曲が終わると拍手。ここでさねよしさんによる今までの曲の解説。CDの歌詞カードにも書かれてある「CHARMING」は「お守り」って言う意味、それと「Gosh」は「God」の丁寧な言い方とおっしゃられる。「夏の夕暮れ」は夏以外の時にやりづらいとおっしゃっていた。
   ヴァイオリンの弦を弾くミニマルな音が流れてきて、それに汽笛のようにソプラノソックスの音が乗り、その音を背景にさねよしさんは次の曲の紹介をする。前回のライブ同様、アンケートでリクエストがあった曲と告げられていた。

5. 中央高架下公園

   そしてさねよしさんによる「中央高架下公園」と言う元気な声が飛び出る。ここでふと思ったのだけど、さねよしさんのファンは「中央高架下公園」とすっと言えず、「下」にアクセントを置くあまりまるで「高架」と「下」の間が離れているような発音をしてしまう、少なくとも私はそうだと自覚してしまっていた。いやぁ、ステキな影響だな。やはり前回同様、ソプラノサックスの合いの手のような音が効果的で、歌声をポップで勢いづけていた。間奏では口笛を吹かれていた。そういった聴きどころ以外のやはり見どころは「どこさすここさす」とか歌詞と連動した右の手の動きが体の動きだろうね。後半は右で右を向き、公園の狭いスペースを表現されていた。前曲の「静」に対してあからさまに愉快な「動」。このギャップが堪らない。そして楽器の音が止まり、例の唇をぶるぶるさせた後、「はっ」と言って、その場でジャンプしてその勢いのまま、楽器が奏でられ賑やかにそして「中央高架下公園」という繰り返しの詞の歌声が続く。そのジャンプがとても印象に残った。サックスメインで各楽器と掛け合うように、例の言葉ではない、はしゃぐような声を乗せ、曲が終わる。会場拍手。
   ちなみに自主制作ライブカセットテープ『りんご水晶』(1996年)、5thアルバムCD『スプーン』(1999年5月8日、ミディ、MDCL-1345)、ライブレコーディングvol.2『カナリア!』(2006年7月7日、はちみつレーベル、HLSI-0602)収録曲。
   特にMCなしでサックスの音が続く。

6. ムーン(塩谷さん作曲のインストゥルメンタル)

   月夜を連想させるおだやかな曲。さねよしさんは口笛で参加。そのまま朝になったのか、シームレスに次の曲へ。

7. 太陽の蜜

   やはり私にとって妖しいほどの生命力を感じる一曲。間奏でものびやかな楽器の音も印象的。かと思えば「ランタンタン」という歌詞のところではヴァイオリンは弾くように引かれていた。『鳩の太陽、まぶたのうてな』(2013年5月25日、はちみつレーベル   HLSI-1301)収録曲。
   「はい」とおっしゃって曲終了。会場拍手。そしてそれまで引いた散曲のタイトルコール。もちろん、「太陽の蜜」の収録される『鳩の太陽、まぶたのうてな』が売られていることをおっしゃり、休憩に入り、四人は左の扉へ去っていかれた。場内拍手。

   休憩中は忘れない内に前半の曲の感想をアンケートに書き込んでいた。それと手元のメモにもね。

   20分強の後にさねよしさんらが帰ってこられて会場拍手。各人楽器の調子を確かめ、さねよしさんはマイクを両手で持つ。伴奏が流れる。

8. 赤とんぼ

   前回は休憩を挟んで一気に夜に行って、「月といもうと」だったけど、今回は夕方に留まり、しんみりと歌い出す。みんな知っている童謡ね。十何年か前にネットに流れていた「赤とんぼ」はもっとテンポが速くジャズっぽい感じだったが、今回は情緒豊かにゆっくり歌われていた。CD未収録曲。曲が終わり拍手
   「赤とんぼ」の作詞作曲者の名前をおっしゃって、紹介していた。

   ここでMC。パンパパの話。その前に前回の5月25日の東京でのライブと同じ話だとお断りを入れて会場を涌かせる。そのため、ここでは割愛するのだけど、一回目に聴いたときに比べ印象が違うことを書くのだけど、パンパパの口真似をした後、それを自ら「小芝居」と称していたことと、昨年、さねよしいさ子さんが歌を仕上げて披露したときの、パンパパが口にした一言の「感無量」というところだろうか。特に後者は歯切れの良さもあって、ウケた。サックスとピアノの曲が鳴り始まる。

9. 森の中のにわとりが

   やはり新曲とあって、さねよしさんは歌詞ブックを左に持って右にマイクを持っている。今回は歌詞を中心に聴いていたけど、にわとりなんで、時を司るような内容なんだね。おとぎ話みたいな。あとヴァイオリンで鳴き声を再現されていたのも印象に残った。曲が終わり拍手。続けて伴奏がなる。

10. 空からのファンファーレ

   こちらも新曲なので、やはり同じく歌詞ブック持ち。サックス。歌詞のポジティブなメッセージとそれによくあった曲調、帰郷を連想させる安心感からくる幸福感ってところかな。間を開けず、音を続け次の曲のピアノの伴奏が入る。

11. ピカレスク


   こちらも新曲で左に歌詞ブック、右にマイク。クラリネット。手紙ぐらいの距離感で相手に語りかける印象がある。やはりゆったりとした曲調も印象的。
   ここで音が途切れ拍手。しかしもう次の曲の音が入る。ゆったりとした雰囲気から入るが、予備知識がなければ次の曲をまったく予想できないね。

12. ムーンライトパーク


   さねよしさんの第一声でその曲目が明らかになる。1stアルバムCD『風や空のことばかり』(1990年4月21日、フォーライフレコード、FLCW-31061)収録のしかも第一曲。新曲3連続の後に、「ここにもどるよ」といった感じで落ち着いて入るが、素人耳に聴き、だんだんとテンションが上がってくるようだった。島田さんのコーラスもそういった傾向を後押しする。元々の夜の神秘性に聴く側の心情だろうが懐かしさも加わった感じだ。サビの部分ではテンション・マックスな感じだ。すっかり心を掴まれたね。
   曲が終わり拍手で包まれた。

   さねよしさんがそれまでの4曲のタイトルコール。
   そして締めのような言葉をおっしゃった後に、「これでも今年やったライブの中で一番良い方のライブだった」とおっしゃり会場を涌かせていた。それから5月25日のライブの話で、やはり風邪で声が出なかったそうな。その時の心情は「心しかあげるものがない」とことで。そういった状況に限ってムジカジャポニカのオーナーさんからお誘いの電話がかかってきたそうで。そういった話の流れで、そのオーナーさんが好きだといってくれた曲、という紹介で、次は「手足」だそうな。確かに3年前のアンコールの2曲目で歌っているね。

13. 手足

   力のない音でゆったり入り、比較的ローテンションでの声が入る。それはしばらく続き、ネガティブな状況が表現されているように感じ、一筋の自己肯定が入り、それがきっかけで歌も曲も力がこもってくるように思えた。力強い低いピアノのメロディーに支えられ、さねよしさんの声がサビの部分にかかり、そして歌詞にないパートにさしかかり、顔、声、右手が「哀」や「悲」を表現していて、思わず見入ってしまう。まるで泣いているようだと思い、集中して感じているとそれらの顔、声、右手がやがて「喜」や「楽」に変わっていき、とても救われた気分になる。聴くこっちが集中していたせいか、そこの部分はいつもよりとても長く、そして深く感じていた。
   ちなみに3rdアルバムCD『手足』(1991年11月21日、フォーライフレコード、FLCF-30119)、アルバムCD『夜光杯』(2003年12月10日、ミディ、MDCL-1454)、ライブレコーディングvol.2『カナリア!』(2006年7月7日、はちみつレーベル、HLSI-0602)収録曲。
   音が途切れ拍手で包まれ、さねよしさんからメンバー紹介。そして前回と同じく、柴田さんから「さねよしいさ子」のコール!   会場はさらに盛り上がって、拍手が強くなり一部、声を挙げていた。

   そして観客の拍手の音が止む前に、早くも同じリズムになり、アンコールの通過儀礼。それにしても「ムーンライトパーク」と「手足

   さねよしさんを含みメンバーが帰ってくる。
   拍手が止まない中、会場を見回すさねよしさん。当然、私の頭の上に視線が通り過ぎていくのだけど、なぜかふと私の着ていた“isako”Tシャツに気付いて下さって、驚いて下さる。その後、他の観客にも解るように、昔作ったTシャツとおっしゃっていた。
   しかし、今、思い返すと、いろんな色のヴァリエーションのあったTシャツなのによく気付いたな。ひそかに期待していたといえども、いやぁ、嬉しい驚きだった。

   さねよしさんから柴田さんのCDも今回売られていることが告知される。会場は拍手に包まれる。そこでさねよしさんがぼそっと「拍手だけじゃないと良いですね」といじわるくおっしゃって、会場を涌かせていた。
   そしてピアノの伴奏が入って、曲の世界へ引っ張られる。愉快な曲調。

encore. プランテロンの結婚

   さねよしさんによる愉快な歌詞が綴られる。サックス。左に歌詞ブックと右にマイクなんだけど、「影法師」の歌詞のところを実際に踏まれているような感じを体で演技されるなど、ホント、始終、体全体で曲の世界を表現されていた。最後は口笛も入り、楽しいまま終わる。そしてメンバーが左へ捌ける。
   ライブアルバムCD、ライブレコーディングvol.2『カナリア!』(2006年7月7日、はちみつレーベル、HLSI-0602)収録曲
   しかし拍手がなりやまずやはり観客みんなが同期させてアンコールを促す。今度はさねよしさんと柴田さんの二人が現れる。さねよしさんが柴田さんのことを「うちのカワイ子ちゃん」とおっしゃっていたのが印象的で、良い仲なんだなぁ、と思っていた。そして同時に「死語(笑)」とも思っていたが。会場は拍手と声を挙げて盛り上がる。宮沢賢治作詞作曲の歌。

encore 2. 星めぐりの歌

   柴田さんはヴァイオリンをマンドリンでも扱うように指ではじき出しメロディーを奏でる(ちゃんと見てなかったがもしかしてヴァイオリンじゃなかったりして)。それが詞と歌に合っている感じがしてた。楽器の音と口笛の音の掛け合いも聴けた。いやぁ、完成度が高い。曲が終わり拍手で満たされる。
   アルバムCD「夜光杯」(2003年12月10日、ミディ、MDCL-1454)とライブCD、ライブレコーディングvol.3『アイス!』(2009年12月12日   はちみつレーベル   HLSI-0901)収録曲。

   そして音響さんの紹介をしてさねよしさんと柴田さんは左奥へと去っていかれた。

   拍手も止み、会場に録音された無関係な音楽が流れ、ライブの終わりを告げていた。
   気付けば21時過ぎ。高いテンションの残っている間に、勢いでアンケートにあれこれ感想を書く。今、思い返すと、そういや「感無量」とかあれこれ書き忘れていたな。
   書いている間に島田さんが近くに座ってくつろいでいらして、誰かにコーラス部分を感心されていた。
   アンケートを書き終え、カウンターで店員さんに渡して、店を出る。

   混んではいないが座れそうにない列車に乗って、京都市内に戻り、行きと同じく、京都市内を長く歩いていた。小雨が振っていても、幸せな気分で帰路についていた。

※次の雑記・>>メモ:横浜中華街 武器屋(三国関連の2013年7月31日の記事)




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