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レポ:さねよしいさ子春のライブ
2013.05.25.
<<レポ:さねよしいさ子with 山際英樹+鎌田ひろゆき


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   このページはレポート・コンテンツです。本サイトでは全然、ジャンル違いなので注意です。


<<美術鑑賞メモ「写実幻想絵画展」

   上記の雑記の続き。
   17時過ぎに展覧会会場から出たものの、そのまま次の予定のライブ会場に向かうと早すぎるので、Bunkamuraの外のベンチで時間をつぶすことにする。曇りがちの天候を気にしながらノートPCでネットにアクセスしていた。    東急東横線渋谷駅17時50分発の列車に間に合い、17時57分に学芸大学駅で降りる。
   そこまでは順調に行くが、そこから先が結構、歩く。歩いている内に、思っていた風景ではないと思い、おそらく角を曲がるのが早かったのだろうと頭の中で地図を描き、歩く方向を変える。つまり想定内で道に迷い、目的のライブハウスに到達する。APIA40青春18きっぷの発売決定報道を待っていたら、3月のAcoustic Live Bar harnessでのライブのチケットが売り切れてしまって行けなかったので、こうしてライブに来るのは感慨深いものがあった。

>>アコースティック・ライブハウス/ 東京 目黒 APIA40 (旧渋谷アピア)

   ところが店の外には誰も並んでない。とりあえず店の写真を撮る。下の左の写真がそれだ。左側に見える下に行く階段が地下にある店にと続く階段だ。あと階段前には下の右の写真のような看板がある。

ビルディング店の看板

   階段の下を覗いても人の気配がない。おそるおそる下がると、店の扉が開いていて、その前で関連商品を販売する方に聞いてみると、もう開場してお客さんが入っているという。まだ18時25分なのにね。
   とりあえずお会計を済ませ、ワンドリンクを注文する。3500円+ドリンク代。ステージに対して、だいたい5行×11列の横長の扇形の客席で、北向きのステージから見て左奥が出入口で、右奥には小さい部屋みたいに奥まっていてそこにも席が設けられているようだった。あとステージのある南の壁にはエレキギターのオブジェが掛けられており、東の壁には琴を弾く人のオブジェがあった。
   ともかくすでに客席が埋まっている中、よく見ると、ステージに向かって右側に空きがあったので、そこに座る。ドリンクをそこに置き、踵を返し、入口の外へとCDを買いに行く。この日発売のCD-R『鳩の太陽、まぶたのうてな』(はちみつレーベル HLSI-1301)を購入。1000円。記録のためにも曲目書いておこう。

   1. まぶた
   2. 太陽の蜜
   3. うてなのありか

   「まぶた」は意外とCD初収録、待望の、と言ってもよいかもしれない。それを言えば「太陽の蜜」もCD初収録で、こちらも待望で双璧をなすのだろうね。「うてなのありか」は4thアルバムCD『うてな』(1993年2月19日、フォーライフレコード、FLCF-30200)収録曲だが、最近、ライブで聴く分はその収録曲に比べ終わりの方で歌詞が多い。今回の収録はその部分もばっちり収録されていて、そういう意味では初収録なのかもしれない。その歌詞の部分はどの段階で書かれたか清岡は把握していない(勝手な思い込みでは元々あったのかな、と)。
   最前列は赤ちゃんが座るような小さいイスが置かれてあって、つまり後ろの人の視界の邪魔にならないような配慮なんだろう。その時点で1名だけが座っていて、あとは空いていた。清岡は羨ましがっていて、意を決して、席替えして最前列に座る。あからさまに膝が腰より高い位置にあるのだけど快適快適。それから上を一枚脱いで、緑地に様々な模様の組み合わのクマが左肩で逆さに象られそこに白抜きで“isako”と書かれたTシャツを顕わにする(今、自分のサイトを検索すると、CommonCafe[コモンカフェ]にて2005年7月10日開催の「さねよしいさ子・夏休みツアー2005」で購入しているね)。
   店内ではテクノっぽい曲が流れていた。多分、待ち時間は片野道郎、アントニオ・フィンコ『監督ザッケローニの本質   18人の証言で探る知将の戦略』(光文社2011年9月20日発行)を読んでいたかと思う……いや、毎度のことなんだけど、ライブが楽しみすぎて集中して読めない。
   そして、19時半に近付くと、そのうちBGMがちいさくなって、向かって右奥にある楽屋から島田篤さんが現れ、向かって左のピアノの席に座り、柴田奈穂さんも現れ、やや右側でヴァイオリンの調整される。そしてさねよしいさ子さん登場。もちろん会場から拍手が飛ぶ。
   さねよしさんは依然と同様パーマをあてられた髪形で、紺地に白水玉の模様の七分丈のワンピースでスカートの端はヒラヒラの装飾、首には三つのビーズのネックレス、赤いニーソックスに黒いシューズといったステージ衣装、ヴァイオリンの柴田奈穂さんはベージュの十分丈のワンピース、端に黒で描いた模様があり、ネックバンドをつけ茶色のブーツを履かれていた。
   「さねよしいさ子春のライブ」はじまり
   そして伴奏が始まる。とてもポップな感じでさらに口笛をふかれ、なので、一瞬、「プランテロンの結婚」かと思ったら、違った。

1. 星のうた

   それより何より気になったのは、そういった整った楽器の音とは対照的な、さねよしさんのいつもとあからさまにちがうかすれた声。さらには左手のマイク以外にも右手で、例の黒に白い十字の書かれた譜面(歌詞カード)を持たれていた。声を耳にしすごい動揺したけど、ある意味、レアだし、それがこのライブの間にどう変化していくか聞き届けたいと頭を切り換える。喉だけでなく譜面が手放せないぐらい、歌詞が飛ぶような朦朧とした意識になる風邪をおして来て下さったのだろうと、むしろ有り難い気持ちになっていた。サビの部分や「涙が出ちゃうような…」とセリフっぽい歌詞の部分であからさまにかすれたのが出ていて、これをミスマッチと捉えるか、歌に込められた切実さと捉えるか。ちなみにマキシシングル「天使のほほえみ」(1998年12月2日、ミディ、MDCS-1020)収録。

   そして曲が終わり会場拍手。さねよしさんがお礼をおっしゃった後に曰く「今日はですね、ちょっと特殊な声でお送りさせていただくことになっておりますので」と、会場をわかせていた。そしてさねよしさんからメンバー紹介。あとでソプラノサックスやクラリネット担当の塩谷博之さんが来られるそうで。
   そしてさねよしさんが今日のコンサートのスケジュールをおっしゃっていて、間の休憩が10分か15分か忘れたとおっしゃり「それ(忘れたこと)が最大の失敗になるようにがんばります」とおっしゃって会場を笑いで和らげる。
   それとよく歌詞を忘れるので、全曲、歌詞カードを持って歌うとおっしゃっていたが。

2. いとことふたりで

   ピアノの音がリズムを刻み、ヴァイオリンの音が作品世界の雰囲気を作る。そして歌が入る。何より声がさっきより数段マシになっている。希望が見えてきた。あと譜面を持たれていない。これだと歌曲が織りなす世界にすんなり入れる。間奏では飲み水のペットボトルのフタを閉められていた。そしてピアノの音とヴァイオリンの音とのやりとり。のびやかな声。ヴァイオリンの音と口笛のの音の共演。ピアノのサイケデリックな音とさねよしさんの歌声との共演。そして「ホイホイ」との声で遠ざかりフェードアウト。場内拍手。
   4thアルバムCD『うてな』(1993年2月19日、フォーライフレコード、FLCF-30200)とライブアルバムCD、ライブレコーディングvol.1『チェリー!』(2006年2月、はちみつレーベル、HLSI-0601)に収録ね。

   そしてさねよしさんが「Gosh」は「God」を丁寧にした言葉と説明し、「Oh My Gosh」の方が丁寧と説明される。それを聞くと「ペクレナトルホポワ」のスタジオ・ライブ・バージョンを思い出すのだけど。

3. Gosh

   ピアノの曲とヴァイオリンの弦を弾く音でシリアスな世界へと誘われる。さねよしさんは途中まで譜面を持たれていたが、それに頼らなくなっているし、声ももう大丈夫そうだ。そして右手を胸の前から外へ動かし、サビのところの上昇感を表現されていた。
   最新のCD-R『宙から妹の仔馬に乗った神さまが』(はちみつレーベル   HLSI-1101)に収録。

   拍手が終わった後、事前におっしゃっていたように次の曲へ

4. ひみつ玉

   ピアノの短い音、ヴァイオリンの長い音で神秘的な雰囲気が漂う伴奏。のびやかに歌うときに右にマイクを持ち替えられていて、頭の片隅で何か法則性があるのか思っていた。間奏は情緒的。ピアノ、ヴァイオリンにさねよしさんの言葉ではない声が重なり、シームレスに歌詞が入ってくる。「リンドンダン」の歌詞で締めかと思いきや、間奏での似た声で終わる。
   自主制作ライブカセットテープ『りんご水晶』(1996年)、5thアルバムCD『スプーン』(1999年5月8日、ミディ、MDCL-1345)収録曲。結構、ライブでは定番なんで、1月の時に聴いたような気がしたが、今、見返すと個人的には2010年7月以来か。

   ここでさねよしさんの招きで、塩谷さんが右奥の楽屋からご登場される。そしてさねよしさんによる塩谷さんの紹介。
   次の曲は、アンケート用紙を通じてのリクエストに応えたものとのこと。

5. 中央高架下公園

   さねよしさんのMCの曲にヴァイオリンのミニマムな曲が乗ってきて、さらに汽笛を連想させるソプラノサックスの音が乗り、ピアノの音も入ってきて、シームレスに次の曲に入る。さねよしさんの元気な声が飛び込んできて、完全に曲の世界へ。間奏では各々、賑やかな音、さらにはさねよしさんの口笛が入り愉快な雰囲気。もちろん底流に流れる秘密基地な懐かしい感じは健在。あと印象に残ったのは「どこさすここさす」の歌詞のところで実際、さねよしさんが人差し指で表現されていたことか。最後のところのさねよしさんの声とソプラノソックスの掛け合いがよいね。
   自主制作ライブカセットテープ『りんご水晶』(1996年)、5thアルバムCD『スプーン』(1999年5月8日、ミディ、MDCL-1345)、ライブレコーディングvol.2『カナリア!』(2006年7月7日、はちみつレーベル、HLSI-0602)収録曲。『りんご水晶』にあるんで、ライブでは定番と思い込んでいたが、個人的には2003年6月29日「さねよしいさ子とかっぱ隊の梅雨時ツアー」がライブで聴いた最後だった。

6. (塩谷さんのインストゥルメンタルの曲)

   クラリネットの音がはじめに出てきて、一瞬、「君に寄り添う」と思ったが違った。後から聞くに塩谷さんの作曲の曲とのことだ。さねよしさんは口笛で参加。シームレスにピアノの伴奏で次の曲へ移る。

7. 太陽の蜜

   相変わらず、夏の気候と合って妖しいほど生命力を感じる曲だ。「高く高く」のときに、さねよしさんが右手でもそれを表現する。三つの楽器の音がそれを盛り上げる。今回から発売の『鳩の太陽、まぶたのうてな』(2013年5月25日、はちみつレーベル   HLSI-1301)収録。
   …とおもったら、しっかりさねよしさんがアナウンスされていた。そして休憩に入り、会場が拍手で包まれる。

   結局、10分強の休憩だったようで、アナウンスなしにピアノの伴奏から入る。

8. 月といもうと

   やはり夜の神秘性が出た良い曲。ヴァイオリンの音が印象的な間奏でさねよしさんがマイクに入らないように咳き込んでいらっしゃった。それでも伸びやかな声を出されていて歌の世界から聴く側を引き離さない。
   曲が終わり拍手。その後、ご自身で調子を確かめるように「月の国」と小声で少し歌っていらっしゃった。

   ここでMC。パンパパの話。急にパンパパの口真似をして話し出して、直後に「寸劇でやっております」と自己ツッコミをして会場を沸かせる。話によるとパンパパが夢の中で作曲をして、途中まで覚えていて、さねよしいさ子さんがどんな曲だったかきくと、「森の中のにわとりが」と歌い出したそうな。その経緯を聞いて、会場では笑いと拍手が起こっていた。その話から10年が経ち、昨年、さねよしいさ子さんが作詞作曲したそうで。
   そういう歌の誕生話を枕に次の曲が始まる。もちろん、新曲なので譜面を持たれている。

9. 森の中のにわとりが

   ピアノとヴァイオリン、というよりフィドルを連想させる曲調で(あとクラリネットも)、始まる。歌詞の内容はおとぎ話みたいで、曲と合わせてまるで旅の一座みたいな印象を受ける。曲が終わり拍手。

10. 空からのファンファーレ

   こちらも新曲。タイトル判らず、柴田さんの足下にあるセットリストを目を凝らして見ていたが、20137月17日発行の『★☆★さねよしいさ子メールマガジン★☆★』第038号でばっちりタイトルが出ていた。この前後の曲も同じ。世界名作劇場のエンディングを彷彿とする曲調。そういった印象を受けたもんだから懐かしさは元より、幸福な気分になっていた。

11. ピカレスク

   こちらの新曲は塩谷さんの譜面を裏から見るとずっとそのタイトルが見えていたので。タイトルからは連想できないような、浮游感のある雰囲気で内向的といった印象を受ける歌詞。機会があればちゃんと歌詞も把握しないと。間奏のクラリネットの音が印象的。曲が終わって拍手。終わってみれば新曲3連続だなんて!
   MCなしにピアノの綺麗なメロディーが流れ、クラリネットの曲が乗る。何かと思えば…

12. ムーンライトパーク

   はじめの歌詞からそのタイトルで、もう懐かしさでいきなり涙が出るところだった。1stアルバムCD『風や空のことばかり』(1990年4月21日、フォーライフレコード、FLCW-31061)収録、しかもアルバムの最初の曲なんだけど、それはオープニングを飾るに相応しくちょっと若者の青さや勢い良さ、それでいてセンチな感じも含まれている。ところがこのライブでは懐かしむような、All good thingsのような、しんみりと歌い上げられていて、胸の底から込み上げるような、ぐっとくるものがある。後から考えてみると、新曲3連続の後の、いわば最初の歌だんて素晴らしい戦略なんだよね。話を戻し、ピアノだけでなくコーラスでも島田さんが加わる。サビの部分ではまるでさねよしさんが泣き声を乗せているようで、ホント、心をぐっと掴まれた心地だ。そしてどんどん盛り上げていく曲音と歌声で終わる。会場拍手。(生で初めて聴いた曲かもしれない)

   そして最後の曲として次の曲を紹介。曲名を「まぶた」だとおっしゃって、曰く「わりとゆったりした曲」なので「最後の曲」にしたくなかったがそうなってしまったと。『鳩の太陽、まぶたのうてな』(2013年5月25日、はちみつレーベル   HLSI-1301)収録の曲だともしっかりおっしゃっていて最後の曲になった理由にもされていた。

13. まぶた

   10年以上前に初めてライブ会場(吉祥寺のスター・パインズ・カフェだっけ?)で聞いて、まずは途中の歌詞の語呂の良さが印象に残り、今ではそれ以外の歌詞や曲調の神秘性に惹かれ、個人的に心の中で成熟していった歌なので、CD化、おめでとう、といった気分でいた。それに呼応して下さったようにBメロで、のびやかな歌声がとどく。ここでも島田さんのコーラスが盛り上げる。

   曲が終わり、拍手の中、さねよしさんがメンバーの名前をコールして、最後、柴田さんがさねよしさんの名をコールして右の楽屋へ退場。そして拍手がやがて揃ってきて、通過儀礼的なアンコールの要求。すぐにさねよしさんらが顔を見せ、告知のコーナーとなる。タイトルコールして曲へ入る。

encore. プランテロンの結婚

   曲も詞もあいかわらず愉快な曲で楽しくなってしまう。これだとますますライブから離れたくなってしまうではないか。ソプラノサックスの音が印象的。もちろん口笛も音に乗る。
   ライブアルバムCD、ライブレコーディングvol.2『カナリア!』(2006年7月7日、はちみつレーベル、HLSI-0602)収録曲
   曲が終わり拍手。もう譜面も引き上げられている。もう店内には終わったことを報せるBGMがなっているのにお客さんは拍手をやめずあのアンコールを求める規則正しいものになっていた。
   (個人的には途中で咳き込むお姿を拝見して気が引けていたのだけど、それだけファンは感謝を示したい、ってことだろうか)

   さねよしさんが一人で出てきて、今日は用意ができてなく、できる範囲ってことで、「花の街」にしようかとおっしゃっていた。歌詞を覚えているかどうか自信なさげに、音響に「リバーブ多めに」と指定して歌い出される。

encore 2. 花の街

   1stアルバムCD『風や空のことばかり』(1990年4月21日、フォーライフレコード、FLCW-31061)収録のカバー曲だ。「泣いていたの」で実際に泣き顔になるぐらい歌の世界に入り、披露して下さった。
   曲が終わり拍手。さねよしさんが右に去られる。

   今度はすぐに拍手が終わり、店内のテクノな曲がよく聞こえるほどだった。
   そこからみなさん、アンケートを書いて帰られていく。私は今回、完全には集中してライブに入ってなかったので、そんな状況でアンケートを書くと失礼だと思い、そのままライブ会場を後にしていた。
   もちろん戻る夜道は幸せな気分だった。

※次の雑記・>>史上初のドイツ対決(カルチョ関連の2013年5月26日の雑記)




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