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▼USHISUKWさん:
>やはりサイズだけでなく品質のランクもあったのですね。
>ちなみに、ご存知でしたら「品質のランク」が具体的に掲載されている書物に心当たりありますか?
一覧表のようなものは無いと思います。見つけたら是非教えてください。『孫子算経』やら『全三國文』『全晋文』etc.に断片的に「中絹は○、下絹は△相当」「上麻は○、下麻は△相当」「紗は○、綺は△相当」の記述があるだけです。時代や地域もバラバラなので、まとめるのはたいへんだと思います。
>この辺に突っ込んでみたいと思ったのが、まさに今回の質問のきっかけです。
>蜀は農本主義のみに依らず、流通経済にも積極的に介入して富国強兵を推し進めたのではないか?と考えています。
>いかに巴蜀が「天府」といえども、戦時国家化して労働力(男手)が相対的に低下している当時の状況では、労働集約型の農業のみによっては経済力の強化は為し得ないのではないか?と考えるためです。
>物価の地域差を利用した交易の促進もそのひとつで、そのために「直百五銖」などの銅貨鋳造、公的な市の整備、塩鉄の官営化、現代でいう「一村一品」に近しい政策などなどの政策が実行されたのでは?と考えます。
>農業にのみ依らない各種経済政策と、結果(「決戦の資、ただ錦あるのみ」に表れる政策実施後の、しかし厳しい経済状況)とをしっかり見定める必要があるとは思います。
「農業のみによっては経済力の強化は為し得ないのではないか」とのご意見にはまったく同感ですが、それ以外の部分はわたしの感想とはかなり異なるようです (^^;
わたしも当時の三国(それ以外も含めて)の経済政策については再三まとめようと努力しているのですが、そのたびに挫折しています。
本気でやるなら、それぞれの政治的背景の解明・各施策のメリットデメリットの検討・他国政策との比較・民間の産業の調査・文献や物的証拠の吟味、などなどやるべきことは多いと思うのですが、三国志の時代の経済、とくに蜀の経済について満足に説明したものにはいまだにお目にかかっておりません。 むしろ、薄弱な(都合の良い)根拠で展開された「俺説」が多いという気さえします。せめて呉の長沙走馬楼呉簡みたいに詳細な資料が出てくると良いのですが。
蜀ファンのかたに喧嘩を売るわけではありませんが、正直にわたしの感想を述べるならば
「蜀の経済政策に独自色はあるが、先進的なものはない。むしろ短期間に税収を上げることに気をとられ、ゆがんだ産業になって年月とともに魏・呉に差を広げられたのではないか」
というところです。・・・・・・まあ、あくまでも個人的な感想ですが。わたしは蜀漢についてはどうも懐疑的(批判的?)に見てしまうので、聞き流していただければ幸いです。
余談になりますが、わたしの参考文献は
『東洋的古代』/宮崎 市定/中公文庫
『中国古代の社会と経済』/西嶋 定生/東京大学出版会
『貨幣の中国古代史』/山田勝芳著/朝日新聞社
『塩鉄論』(いろいろありますが、個人的には明徳出版社がオススメです)
『漢代都市機構の研究』/佐原康夫/汲古書院
『漢三國両晋南朝の田制と税制』/藤家 禮之助/東海大学出版会
『三国食貨志』/陶元珍/台湾商務印書館 (中文書)
『金泥玉屑叢考』/王仲犖/中華書局 (中文書)
など(順不同)です。三国志の時代ピンポイントのものは少ないですが、全体像を理解するにはいいかと。
長文乱文失礼しました。
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