三国志ファンのためのサポート掲示板 ※共同掲示板。話題は三国志関係。横レス歓迎。初心者モードの質問からマニアックな雑談まで
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【689】[管理人削除]

【697】Re:陸遜の流罪について 孫ぽこ 2004/3/7(日) 4:27
┗ 【699】Re:陸遜の流罪について 孫ぽこ 2004/3/7(日) 9:45
┗ 【700】Re:陸遜の流罪について 孫ぽこ 2004/3/7(日) 10:05
┗ 【701】Re:陸遜の流罪について 孫ぽこ 2004/3/7(日) 10:28
┗ 【702】Re:陸遜の流罪について 怨霊 2004/3/7(日) 11:22
┣ 【703】Re:陸遜の流罪について むじん 2004/3/7(日) 12:20
┃┣ 【704】Re:陸遜の流罪について 怨霊 2004/3/7(日) 13:40
┃┃┣ 【707】Re:陸遜の流罪について 孫ぽこ 2004/3/7(日) 17:03
┃┃┗ 【713】Re:陸遜の流罪について むじん 2004/3/8(月) 12:20
┃┗ 【706】Re:陸遜の流罪について 孫ぽこ 2004/3/7(日) 16:54
┗ 【705】Re:陸遜の流罪について 孫ぽこ 2004/3/7(日) 16:43

【697】Re:陸遜の流罪について
 孫ぽこ WEB  - 2004/3/7(日) 4:27 -

引用なし
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   >こんにちは、いつも勉強させていただいております。
>
>今、二宮の変について調べているのですが、陸遜が流罪されたことについて、実際に陸遜が流罪されたのか疑問に思っています。
>陸遜伝では「甥の顧譚たちが皇太子のふところ刀になっていると言いがかりを付けられ、無理矢理流罪にされた。(訳:ちくま学芸文庫)」とあるのですが、陸遜が死んだ後に息子の陸抗が陸遜の配下の兵士を引き継いでいて、陸遜の死の翌年に諸葛恪と陸抗が任地換えして陸抗は柴桑に、諸葛恪が武昌に駐屯していることから、陸遜は死ぬまで官位も兵士も剥奪されることなく武昌にいたのではないかと思うのですが、どうなのでしょうか?
>
>もしや原文の「流徒」に流罪以外の意味があるか、この言葉が陸遜以外の部分に掛かっているのか(顧譚たちのこと?)とも思ったのですが、いかんせん漢文を読むことができないので、調べようもありません。
>
>何かご存知の事があったら教えてください。
>よろしくお願いします。

呉書見聞の孫ぽこです。以後よろしゅう♪

私も陸遜の「流徒」についてはかなり疑問視しています。根拠は書かれているように、【陸遜死後も相変わらず陸家は孫呉政権において重鎮だった】という部分です。

中央研究院の漢籍電子文献で流徒を検索すると一つは陸遜の例、もう一つは虞翻の例が「流徒」と記されています。他にも交州などに流刑になったと思われる人物に甘寧の子、甘懐などがいますが、その場合は【子懐、以罪徒会稽、無幾死】とあり、流徒とはありませんが、似たような用例と思われます。

と言うわけで、ほとんど大した成果がないままですが(汗)、自分が呉書を見ていて少し感じる事は流罪?と筑摩訳にある場合でも、強制移住の後、中央府に戻ってくるという人物も、結構な数いるという事です。つまり、流罪?というより、中央府を離れさせる、政権の中心部から外すというニュアンスに見えます。

【699】Re:陸遜の流罪について
 孫ぽこ WEB  - 2004/3/7(日) 9:45 -

引用なし
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   うーん、今読み返すと全く答えになってないですね(汗)寝ながら書くから・・もうw

この部分の原文は
既不聴許、而遜外生顧譚、顧承、姚信、並以親附太子、[木王]見流徒。

私も漢籍は読めないのですが、最近よく使っているのが
http://books.bitway.ne.jp/gakken/kanjigen/club/
の有料オンライン漢和辞典です。辞書もあるんですが、引くのがおっくう(最低)なので、よく使ってます。一日使用なら100円ですし、使い勝手を考えれば購読でも250円ですから大した金額ではありません。これと前述の中央研究院漢籍電子文献を使って文字のコピー&ペーストで調べていくと短い文なら大体の大意はつかめます。

で、そのオンライン辞書を使用しつつ解読を試みると・・・

既不聴許(いい分をきき入れられなかった)而(しかも)遜(陸遜)外生(外甥)顧譚、顧承、姚信、並(皆同様に)以(もちいるorもってして)親(親しく)附(寄り添う)太子(孫和)[木王]見(罪をむりやりにおしつけた)流徒(人民が戦争などのためにあちこちとさまようこと)

流徒という熟語はあったのですが、流浪?という感じですね?
で、問題はこの流徒が陸遜に掛かるのか?顧譚、顧承にに掛かるのか?ですが、これは私には分かりません(汗)でも主語が陸遜ですから陸遜の事でしょう。でも顧譚、顧承、姚信の三人とも確かに流刑になってますね。どうしたもんでしょう(汗)

後は状況証拠の部分ですが、陸遜が流罪になっても部曲の引き継ぎは行われるでしょうし、だとしたら陸抗が武昌にいたとして不思議はありません。また、流罪になったとしても、実行される前に武昌で憤死の可能性も無きにしもあらずです。

もうこうなったら、秘密兵器【むじんさん】を召還するしかないのではないでしょうか(他力本願も良いところ)

【700】Re:陸遜の流罪について
 孫ぽこ WEB  - 2004/3/7(日) 10:05 -

引用なし
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   なんどもすいません。すごく気になってきました。

手元の三国志集解の注を見ると、その部分を指して
【顧譚顧承吾粲事各見本傅】
とあって、これってたぶん
【顧譚・顧承・吾粲の事(〜の受けた処置については)各(それぞれの)本傅(列伝に)見(見られる)】
という意味ですよね???

って、これ・・・・流罪になったのは顧譚・顧承の事・・と取れますよね????

もしそうだとしたらコレってすごい事ですが・・・

【701】Re:陸遜の流罪について
 孫ぽこ WEB  - 2004/3/7(日) 10:28 -

引用なし
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   うーん、でも中林教授のサイトでも【陸遜は流罪】と書かれてますね(汗)。

なぜか黄虎洞が死んでいるのでグーグルのキャッシュをアップ

http://www.google.co.jp/search?q=cache:LYqUJV1blXMJ:www.daito.ac.jp/~oukodou/tyosaku/songoseiken.html
+%E9%99%B8%E9%81%9C%E3%80%80%E6%B5%81%E7%BD%AA&hl=ja&ie=UTF-8

【702】Re:陸遜の流罪について
 怨霊  - 2004/3/7(日) 11:22 -

引用なし
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   横合いから失礼します。

この件は某所でも匿名で書いたのですが、
陸遜は流刑(流徙)になっていないと思います。
原文の該当部分は、陸遜が主語となるのは「既不聴許」までで、
「而」で一度文の流れが切れていると思います。
「並以親附太子」から「流徙」がかかるのは「遜外生」の3人でしょう。
陸遜も入るなら、「遜与」(「陸遜と」)など、
「陸遜も一緒に」を表す語が入るのではないでしょうか。

私はちくま訳を持っていないので評価はできませんが、
陸遜も流刑になったかのように書いているならば大変疑問に思います。

【703】Re:陸遜の流罪について
 むじん E-MAILWEB  - 2004/3/7(日) 12:20 -

引用なし
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   こんにちは。
漢文に関しては文盲なので、せっかくお招きいただいてもお力になれないと思いますが…。

これは、怨霊さんのおっしゃる通りだと思います。原文では「而遜外生顧譚・顧承・姚信,並以親附太子,枉見流徒.」とありますが、もし陸遜が流徒されたのであれば、「而以遜外生顧譚・顧承・姚信,並親附太子,枉見流徒.」(A)と書いたのではないでしょうか。「以(〜を理由に〜)」の挿入位置からすると、流徒されたのは顧譚らであって陸遜ではないと思います。

しかし、原文から「而して遜の外生顧譚・顧承・姚信、並びて太子に親附するを以て、枉げて流徒せらる。」と読み下したのを見てみると、上記Aを読み下したのと同じ形になってしまいます。つまり一度読み下し文にすると、流徒されたのが陸遜なのか顧譚たちなのか、あとでそれを読んでも判断できなくなってしまうわけですね。

おそらく、ちくま訳者は、あらかじめ読み下し文を作っておき、しばらくしてそれを根拠に現代語訳を作っていったものと思われます。その過程で主語を取り違えたのではないでしょうか。

それと同様のケースが『魏志』后妃伝に見られるようです。
http://homepage.mac.com/taihakuzan/essay/essay4.html

なお、ハードカバー版ちくま訳では、「陸遜の甥にあたる顧譚・顧承・姚信らが、みな皇太子のふところ刀となっているといいがかりをつけられ、陸遜は流罪にされた。」となっています(初版第三刷)。

【704】Re:陸遜の流罪について
 怨霊  - 2004/3/7(日) 13:40 -

引用なし
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   >むじんさま

なるほど、そういう手順での翻訳作業があったのですか。
実際、別の時代の別の言語ですし、翻訳は大変ですね。
私なんかは学生時代の演習くらいしか訳の経験ないのであまり実感ないですけどね。

ところで、「流徒」ではなく「流徙」ですよ。
少なくとも私の持っている中華書局本では。
「徒」=ト、「徙」=シ(移動する、移動させる)

【705】Re:陸遜の流罪について
 孫ぽこ WEB  - 2004/3/7(日) 16:43 -

引用なし
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   ▼怨霊さん:
>横合いから失礼します。
>
>この件は某所でも匿名で書いたのですが、
>陸遜は流刑(流徙)になっていないと思います。
>原文の該当部分は、陸遜が主語となるのは「既不聴許」までで、
>「而」で一度文の流れが切れていると思います。
>「並以親附太子」から「流徙」がかかるのは「遜外生」の3人でしょう。
>陸遜も入るなら、「遜与」(「陸遜と」)など、
>「陸遜も一緒に」を表す語が入るのではないでしょうか。
>
>私はちくま訳を持っていないので評価はできませんが、
>陸遜も流刑になったかのように書いているならば大変疑問に思います。

すげぇ・・・マジっすか・・

これすごい事です。世の中の人はほぼ全員が陸遜は流刑になったと思っています(汗)
陸遜は流刑になっていないとしている人の方は皆無と言った状況です。

ちくま訳ははっきりと【陸遜が流刑になった】と訳されています。

これは正誤なんてもんじゃないですね。嘘を書いたというレベルですね・・・・

【706】Re:陸遜の流罪について
 孫ぽこ WEB  - 2004/3/7(日) 16:54 -

引用なし
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   ▼むじんさん:
>こんにちは。
>漢文に関しては文盲なので、せっかくお招きいただいてもお力になれないと思いますが…。
>
>これは、怨霊さんのおっしゃる通りだと思います。原文では「而遜外生顧譚・顧承・姚信,並以親附太子,枉見流徒.」とありますが、もし陸遜が流徒されたのであれば、「而以遜外生顧譚・顧承・姚信,並親附太子,枉見流徒.」(A)と書いたのではないでしょうか。「以(〜を理由に〜)」の挿入位置からすると、流徒されたのは顧譚らであって陸遜ではないと思います。
>
>しかし、原文から「而して遜の外生顧譚・顧承・姚信、並びて太子に親附するを以て、枉げて流徒せらる。」と読み下したのを見てみると、上記Aを読み下したのと同じ形になってしまいます。つまり一度読み下し文にすると、流徒されたのが陸遜なのか顧譚たちなのか、あとでそれを読んでも判断できなくなってしまうわけですね。
>
>おそらく、ちくま訳者は、あらかじめ読み下し文を作っておき、しばらくしてそれを根拠に現代語訳を作っていったものと思われます。その過程で主語を取り違えたのではないでしょうか。
>
>それと同様のケースが『魏志』后妃伝に見られるようです。
>http://homepage.mac.com/taihakuzan/essay/essay4.html
>
>なお、ハードカバー版ちくま訳では、「陸遜の甥にあたる顧譚・顧承・姚信らが、みな皇太子のふところ刀となっているといいがかりをつけられ、陸遜は流罪にされた。」となっています(初版第三刷)。

この場合の述語は以(をもってして)になるんですね。ふーむ。
読み下しの問題ですか。読み下しは日本人が漢籍を読む用に作り出した物だから
誤訳の原因になる事があるとは聞いてましたが、翻訳とは難しい物なんですねぇ・・。
瞬間的に【誤訳も良いところじゃねーか?エェェェ!!】と思いしたが。取りあえず多くの三国志ファンに正史の世界を紹介したという功績を考えてちくま批判は止めておきます。

でも陸遜と孫権のためにも【流刑】になっていないという事は多いに触れ回った方がよさそうですね。このままでは陸遜は流刑になった上に詰問を受けて死んだが定説と化していきます。というかもう定説化していますが・・・。

【707】Re:陸遜の流罪について
 孫ぽこ WEB  - 2004/3/7(日) 17:03 -

引用なし
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   ▼怨霊さん:
>>むじんさま
>
>なるほど、そういう手順での翻訳作業があったのですか。
>実際、別の時代の別の言語ですし、翻訳は大変ですね。
>私なんかは学生時代の演習くらいしか訳の経験ないのであまり実感ないですけどね。
>
>ところで、「流徒」ではなく「流徙」ですよ。
>少なくとも私の持っている中華書局本では。
>「徒」=ト、「徙」=シ(移動する、移動させる)

中央研究院の検索の段階で【流徒】で検索が入らないので妙だとは思ってました。
結局最後は原文からコピー&ペーストしたんですが。

徙・・確かに【シ】で漢字検索すると出ますね。
それでも前述の有料漢和辞典では
【流徙】リュウシ 人民が戦争などのためにあちこちとさまようこと。▽「徙」は、うつりゆくこと。
ですね(汗)

【713】Re:陸遜の流罪について
 むじん E-MAILWEB  - 2004/3/8(月) 12:20 -

引用なし
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   こんにちは。

>ところで、「流徒」ではなく「流徙」ですよ。

なるほど。確認しました。
ちくまの流罪という訳語の印象からてっきり徒刑だと思い込んでました。さすがにそこまでひどくはなかったのですね。

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