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【493】経済 陸伯議 2003/12/14(日) 9:50 教えて

【3547】専売制の根拠 Barbal 2009/11/2(月) 1:00 教えて
┣ 【3618】Re:専売制の根拠 くてむお 2010/6/1(火) 6:21
┃┗ 【3622】Re:専売制の根拠 Barbal 2010/6/10(木) 21:41 感謝♪
┃┗ 【3623】Re:専売制の根拠 くてむお 2010/6/19(土) 20:34
┗ 【3634】Re:専売制の根拠 渡邉義浩 2010/7/3(土) 0:06
┗ 【3635】Re:専売制の根拠 Barbal 2010/7/6(火) 20:55 感謝♪

【3547】専売制の根拠
教えて  Barbal  - 2009/11/2(月) 1:00 -

引用なし
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   [#T3508]の延長で魏呉蜀の経済政策を調べていたのですが、塩の専売制についてわからないことが出てきたので皆さまのお智慧を貸していただきたく投稿しました。
以下3点につきまして見解をお聞かせいただければ幸いです。

1.「較鹽鐵之利」はどのように訳すべきか?

ちくま学芸文庫『正史 三国志5』(呂乂伝)P.268に『(塩府校尉を)設置して、塩と鉄の専売による利益をはかったが(後略)』、(王連伝)P.308に『(王連は)司塩校尉に昇進し、塩・鉄の利益を全面的に管理し、国庫の収入がひじょうにふえ、国の予算に利するところがあった』とあります。
しかし、原文では「初,先主定益州,置鹽府校尉,較鹽鐵之利」(呂乂伝)、「遷司鹽校尉,較鹽鐵之利,利入甚多,有裨國用」(王連伝)とあるだけで、専売を意味する語はないように見えます。
「較鹽鐵之利」についても、漢和辞典で「較:くらべる・きそう・あきらかにする・車の横木」とあるだけで「全面的に管理する」とは読めませんでした。
較の字にそういう意味はあるのでしょうか。


2.本当に蜀(および魏呉)で塩や鉄の専売が行われたのか?

陶元珍著『三國食貨志』の「正文•七、工商業」では、『魏蜀吳似皆專賣鹽(魏蜀呉ではみな塩は専売であった、という意味?)』として魏志衛覬傳(塩の売買を監督すべしという進言)・蜀志王連傳・蜀志呂父傳・吳志孫休傳の「司鹽校尉駱秀」の記述を挙げています。しかし、専売であったということの根拠は特に書いてありません。また、鉄の専売については触れられていないようです。
『三國志集解』も読んでみたのですが、塩府や司塩校尉の職務などの解説はとくにありませんでした。
専門の官職がある以上、(鉄については不明ながらも)塩の生産・流通・販売に何らかの形で国家が介在していたのは間違いないのでしょう。
しかし、それをもって専売(一元的な管理)と断定してもよいのでしょうか。


3.専売制が布かれていたという証拠は?

日本語版wikiほか多くのwebサイトや書籍で「蜀では塩鉄の専売がされていた」旨の記述を見かけ、おまけに何故か諸葛亮の業績にされていたりしますが、実際のところこれを裏付けるような記録や出土史料というのは存在するのでしょうか。
西嶋定生著『中国古代の社会と経済』などを読んでみると、専売制については前漢から唐代まで時代が跳んでおり、蜀(および魏呉)の話は出てきません。確認したわけではないのですが、「三国時代に専売制があった」というのは割と新しい(ここ20〜30年の)説なのでしょうか。
2.とカブりますが、「監督する役所があった=専売制」でなく、具体的な証拠が必要なのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。あるいはそういった記録などが存在していて、わたしが知らないだけでしょうか。
何かご存知のかたがおられましたら、ご教示いただきたいと思います。


今まで「蜀では塩鉄の専売がなされていた」というのが通説だと思い疑いもしませんでしたが、にわかに自信が無くなりました。皆様は実際のところ、どうだったと考えておられるでしょうか。
よろしくお願い申し上げます。

【3618】Re:専売制の根拠
 くてむお E-MAIL  - 2010/6/1(火) 6:21 -

引用なし
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   ▼Barbalさん:
はじめましてですが,できる範囲で回答させてもらいます。

>1.「較鹽鐵之利」はどのように訳すべきか?
較には「概略・あらまし・大略・ほぼ」という意味(講談社「新大字典」)があるそうなので,「塩や鉄の利益をほぼ手に入れる=独占する」という感じではないかと思います。

>2.本当に蜀(および魏呉)で塩や鉄の専売が行われたのか?
>3.専売制が布かれていたという証拠は?
張嶷伝に,塩や鉄、漆の利益を私物化している辺境地域があり,太守であった張嶷が官で管理するために討伐した記録があるので,国全体での専売に成功したかは分かりませんが,蜀が塩や鉄を国で管理したかったのは事実だと思います。

【3622】Re:専売制の根拠
感謝♪  Barbal  - 2010/6/10(木) 21:41 -

引用なし
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   ▼くてむおさん:
ご教示ありがとうございました。最近、中国史から離れているもので気がつくのが遅くなりたいへん申しわけありません。

「較」の意味について「塩や鉄の利益をほぼ手に入れる=独占する」とされたのは納得しました。たしかにそのように受け取れますね。

ただ、2点目でお答えいただいた「塩鉄を国が管理したかったのは事実であろう」というのは全面的に同意いたしますが、「それが専売制の証拠になるか」というとまだ弱いというか腑に落ちないのです ^^;
まあ、この疑問自体が一部の「蜀の経済政策はすごい」「諸葛亮は政治の天才」といった見方に対するアンチに過ぎないので、確たる結論が出るとも思っていないのですが。

いずれにせよ、また考えるときの参考にさせていただきたいと思います。回答いただき誠にありがとうございました。


>▼Barbalさん:
>はじめましてですが,できる範囲で回答させてもらいます。
>
>>1.「較鹽鐵之利」はどのように訳すべきか?
>較には「概略・あらまし・大略・ほぼ」という意味(講談社「新大字典」)があるそうなので,「塩や鉄の利益をほぼ手に入れる=独占する」という感じではないかと思います。
>
>>2.本当に蜀(および魏呉)で塩や鉄の専売が行われたのか?
>>3.専売制が布かれていたという証拠は?
>張嶷伝に,塩や鉄、漆の利益を私物化している辺境地域があり,太守であった張嶷が官で管理するために討伐した記録があるので,国全体での専売に成功したかは分かりませんが,蜀が塩や鉄を国で管理したかったのは事実だと思います。

【3623】Re:専売制の根拠
 くてむお E-MAIL  - 2010/6/19(土) 20:34 -

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   ▼Barbalさん:
こちらも返事が遅れて申し訳ありません。

Barbalさんが主張されるとおり,蜀側が専売を「したかった」ということと,専売制が「行われていた」ということは必ずしも一致しません。

例えば前回のレスでは馬植傑氏の「三国史」を参考にしましたが,同書では専売制が行われた(氏は辺境の地でも国営にしたのだから,内地で違うということはないと主張します。)としながらも,別の箇所では蜀の豪族の既得権益には手を付けなかったとしています。

ですから,蜀の豪族が劉備の入蜀前から塩鉄の権益を持っていた場合,蜀はその権益を侵さなかったということになります。

ただ個人的には,塩鉄といった確実に利益が見込まれることに対して何の手も打たなかったとは考えにくいので,専売制とまではいかなくても,何らかの形でその収益の一部を国に納めるシステムを構築していたと思っています。

【3634】Re:専売制の根拠
 渡邉義浩  - 2010/7/3(土) 0:06 -

引用なし
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   渡邉義浩です。この場合の「較」は、「木」+「確−石」と同義で、専売するという意味になります。同じく、「竹」+「完」や「斡」も一文字で専売するという意味です。経済関係のテクニカルタームなので、難しいですね。

【3635】Re:専売制の根拠
感謝♪  Barbal  - 2010/7/6(火) 20:55 -

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   ▼渡邉義浩さん:
>渡邉義浩です。この場合の「較」は、「木」+「確−石」と同義で、専売するという意味になります。同じく、「竹」+「完」や「斡」も一文字で専売するという意味です。経済関係のテクニカルタームなので、難しいですね。


ご教示いただきありがとうございます。気付くのが遅くなり申しわけありませんでした。
較の字にはそういう意味があったのですね。よくわかりました。

わたしのなかで「蜀は豪族の勢威が強く、三国の中でもっとも後進的だった」というイメージがあったので(捕虜だか異民族だかを豪族に与えたとかいう記述があったと思うのですが)、本当に専売制が実施できるほど国家の統制力があったのだろうかと疑問に思っていました。

とりあえずすっきりしました。

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