三国志ファンのためのサポート掲示板 ※共同掲示板。話題は三国志関係。横レス歓迎。初心者モードの質問からマニアックな雑談まで
  新規投稿 ┃ツリー ┃スレッド ┃一覧 ┃トピック ┃番号順 ┃検索 ┃設定 ┃ルール ┃外部カレンダ ┃フロント  
342 / 662 ツリー ←次へ前へ→

【2023】孔明の吟じた詩 たいがあ 2005/10/19(水) 11:22 教えて
┗ 【2029】Re:孔明の吟じた詩 清岡美津夫 2005/10/23(日) 13:01 雑談
┣ 【2032】語句解説完成 たいがあ 2005/10/29(土) 18:02 感謝♪
┃┗ 【2033】Re:語句解説完成 清岡美津夫 2005/10/30(日) 10:54 雑談
┗ 【2398】Re:孔明の吟じた詩 たいがあ 2006/7/31(月) 10:42
┗ 【2399】Re:孔明の吟じた詩 清岡美津夫 2006/7/31(月) 18:43 ハロ〜☆
┗ 【2404】テーラー訳は研究課題の宝庫 たいがあ 2006/8/4(金) 19:00 感謝♪

【2023】孔明の吟じた詩
教えて  たいがあ E-MAILWEB  - 2005/10/19(水) 11:22 -

引用なし
パスワード
   英語で三国志は現在第六十六課上第三回目の訪問の語句解説作成中ですが、

劉備たちを外に待たせて昼寝中の孔明の吟じた詩は小川環樹訳「完訳三国志」(岩波文庫)では

大夢、誰か先ず覚らむ
平生、われ自ら知る
草堂に春睡足りて
窓外に日は遅遅たり

なんですが

C.H.Brewitt Taylor訳では

Can any know what fate is his?
わが使命だれぞ知る。
Yet have I felt throughout my life
わが胸に終生しまい続けたその志
The day would come at last to quit
だが、雌伏のときはようやく終わる
The calm retreat for toil and strife.
苦渋と争いの絶えぬ俗世からの逃避の日々は

と後半2行は明らかに違っています。英訳作成のもととした
タネ本が小川環樹氏の使っていたものと違うのではと思います。
つまり直接的な表現とぼかし表現の詩と2通りの異本が存在するのでは
という疑いを持ちます。

この孔明の詩に関してはまだまだ異説、異なる表現があるのでしょうか。
ご教授いただけるとありがたいです。

【2029】Re:孔明の吟じた詩
雑談  清岡美津夫 E-MAILWEB  - 2005/10/23(日) 13:01 -

引用なし
パスワード
   こんにちわ、清岡です。

三国演義の「第三十八回:定三分隆中決策、戰長江孫氏報讎」のところの

玄コ曰:「且勿驚動。」又立了一個時辰,孔明纔醒,口吟詩曰:

大夢誰先覺?平生我自知。草堂春睡足,窗外日遲遲。

ってところですね。
C.H.Brewitt Taylor訳を見たとき、わかりやすいような意訳かなぁと思ったんですけど、確かに素人目に見ても「窗外日遲遲」が明らかに違いますね。
他の詩の訳でもこういった例があるんでしょうか?

試しに手元の電子テキストの三国志平話と元代の雜劇の「諸葛亮博望燒屯」を見たんですが、これらには諸葛亮が詩を吟じるところはなさそうですね。
ご存知の通り、三国演義自体、時代変遷があるので、おっしゃる異説があるかもしれませんね。
周瑜の命日の例[#1940]もあるんで、そこらへんもあたりたいところです。

【2032】語句解説完成
感謝♪  たいがあ E-MAILWEB  - 2005/10/29(土) 18:02 -

引用なし
パスワード
   ▼清岡美津夫さん:
>こんにちわ、清岡です。
>
>三国演義の「第三十八回:定三分隆中決策、戰長江孫氏報讎」のところの
>
>玄勺・А岾醋浙弾亜・徊・・三豸鳥・ぁすμ舌・叩じ・禹轉・ァ
>
>大夢誰先覺?平生我自知。草堂春睡足,窗外日遲遲。
>
>ってところですね。

やはり元にした本が違いそうですね。

さて、第六十六課上:第三回目の訪問および六十六課中:天下三分の計
の語句解説が完成しました。

第三回目の訪問
http://asia.geocities.com/susumu6/sangokushi/L66goku.html

天下三分の計
http://asia.geocities.com/susumu6/sangokushi/L66b-goku.html

新たに製作する語句解説からトップページへのリンク
前および次の課の語句解説、本文へのリンクを語句解説に
張るようにいたしました。サーチエンジン等でいきなり
語句解説から入る方もおりますので。。。

つまり語句解説だけのハシゴを可能にします。

主要場面が頭に入っている人には(誰のせりふかがすぐにわかるくらい)
楽しめるものと思います。来月中には全ての語句解説において
このようにしたいと思います。

【2033】Re:語句解説完成
雑談  清岡美津夫 E-MAILWEB  - 2005/10/30(日) 10:54 -

引用なし
パスワード
   ▼たいがあさん:
>やはり元にした本が違いそうですね。

実際、古い三国演義を見れば、断言できそうなんですけど、どうでしょうね。。

>さて、第六十六課上:第三回目の訪問および六十六課中:天下三分の計
>の語句解説が完成しました。
>
>第三回目の訪問
>http://asia.geocities.com/susumu6/sangokushi/L66goku.html
>
>天下三分の計
>http://asia.geocities.com/susumu6/sangokushi/L66b-goku.html
>
>新たに製作する語句解説からトップページへのリンク
>前および次の課の語句解説、本文へのリンクを語句解説に
>張るようにいたしました。サーチエンジン等でいきなり
>語句解説から入る方もおりますので。。。
>
>つまり語句解説だけのハシゴを可能にします。
>
>主要場面が頭に入っている人には(誰のせりふかがすぐにわかるくらい)
>楽しめるものと思います。来月中には全ての語句解説において
>このようにしたいと思います。

完成、おめでとうございます。
このツリーの話題になっているところも出てますね〜

そうそう、検索は無節操にやってくるので、まぁそれは仕方ないとしといて、そこからどう誘導してコンテンツを見てもらうかなんですよね。
そのリンクでうまく誘導できるといいですね。


余談ですが、そういったポジティブな検索は良いんですけど、ここの掲示板は「三国志 掲示板」で検索されて、数秒ぐらいで宣伝書き込みやゲームの質問(攻略関連とかゲーム関連のみとか)をされて行かれる方がときどきいます。
ルールを事細かに読めとは言わないまでも掲示板の空気を読むぐらいの余裕を持って欲しいものですが(汗)
そういった書き込みは大抵、放置してます。
(あと「掲示板」や「新規投稿」で検索し数秒で出会い系サイトやアンダーグラウンドなサイトへのリンクをはって宣伝書き込みして去っていくパターンとか。こちらはなるべく早く書き込みを消して、書き込み者にアクセス拒否の設定をします)

【2398】Re:孔明の吟じた詩
 たいがあ WEB  - 2006/7/31(月) 10:42 -

引用なし
パスワード
   ▼清岡美津夫さん:
>こんにちわ、清岡です。
>
>三国演義の「第三十八回:定三分隆中決策、戰長江孫氏報讎」のところの
>
>玄勺・А岾醋浙弾亜・徊・・三豸鳥・ぁすμ舌・叩じ・禹轉・ァ
>
>大夢誰先覺?平生我自知。草堂春睡足,窗外日遲遲。
>
>ってところですね。
>C.H.Brewitt Taylor訳を見たとき、わかりやすいような意訳かなぁと思ったんですけど、確かに素人目に見ても「窗外日遲遲」が明らかに違いますね。
>他の詩の訳でもこういった例があるんでしょうか?
>
>試しに手元の電子テキストの三国志平話と元代の雜劇の「諸葛亮博望燒屯」を見たんですが、これらには諸葛亮が詩を吟じるところはなさそうですね。
>ご存知の通り、三国演義自体、時代変遷があるので、おっしゃる異説があるかもしれませんね。
>周瑜の命日の例[#1940]もあるんで、そこらへんもあたりたいところです。

清岡さん昨日はこのスレをPCより引っ張ってくださりありがとうございます。

昨日の三国志学会でこの質問を投げかけてみましたが
1 版の違い
2 意訳説

この2つの可能性はあるものの結論は出ませんでした。

英訳が元としたのはThe Romance of Three Kingdomsというサイトによれば
毛宗崗本のようです。
____________

This English translation is based on the Mao edition, which is also the most widely read edition in China and Asia.

英語版はアジア、中国で広く流布している毛宗崗本に基づいています。

-------------
とはいっても毛宗崗本自体100種類以上の版があるとのことで異本の可能性が
否定されるわけではありません。

意訳だとすると(こちらはむしろ私の専門分野ですね)
次の可能性が考えられます。

1あいまいな表現、婉曲表現ではかえって伝わらないとき
日本語の俳句や短歌を英語にするようなもどかしさが
三国志演義にもあるかもしれません。

2詩の解釈をそのまま英語にした。
テーラー氏の英訳は注釈がまったくないので場面の進行上の都合で
ということもありえます。

1の可能性は低いと思います。
というのは原書の詩はそれなりに形をとっているのでそのまま訳しても
読者は納得するのではないでしょうか。

2原書の詩からこの解釈は飛躍がありすぎます。

なので元の文章が別であると考えるのが現状では筋が通っていると思いますが。

【2399】Re:孔明の吟じた詩
ハロ〜☆  清岡美津夫 E-MAILWEB  - 2006/7/31(月) 18:43 -

引用なし
パスワード
   ▼たいがあさん:
>清岡さん昨日はこのスレをPCより引っ張ってくださりありがとうございます。

どうも昨日の三国志学会はお疲れさまです。
まさか間近の人から質問が飛び出るとは思ってもなかったです(笑)
講演の内容と質問が少々ずれてましたが、我々一般聴衆はああいう機会でしか質問を投げかける機会がないと思いますので、そういう意味で興味深くやりとりを聞いていました。

>昨日の三国志学会でこの質問を投げかけてみましたが
>1 版の違い
>2 意訳説
>
>この2つの可能性はあるものの結論は出ませんでした。
>
>英訳が元としたのはThe Romance of Three Kingdomsというサイトによれば
>毛宗崗本のようです。
>____________
>
>This English translation is based on the Mao edition, which is also the most widely read edition in China and Asia.
>
>英語版はアジア、中国で広く流布している毛宗崗本に基づいています。
>
>-------------
>とはいっても毛宗崗本自体100種類以上の版があるとのことで異本の可能性が
>否定されるわけではありません。

やっぱり毛宗崗本が種本になっている可能性が高いんですね。
懇親会で教えをうけていた毛宗崗本自体100種類以上を把握している先生がいるって情報で何か手がかりになるといいですね。

>意訳だとすると(こちらはむしろ私の専門分野ですね)
>次の可能性が考えられます。
>
>1あいまいな表現、婉曲表現ではかえって伝わらないとき
>日本語の俳句や短歌を英語にするようなもどかしさが
>三国志演義にもあるかもしれません。
>
>2詩の解釈をそのまま英語にした。
>テーラー氏の英訳は注釈がまったくないので場面の進行上の都合で
>ということもありえます。
>
>1の可能性は低いと思います。
>というのは原書の詩はそれなりに形をとっているのでそのまま訳しても
>読者は納得するのではないでしょうか。
>
>2原書の詩からこの解釈は飛躍がありすぎます。
>
>なので元の文章が別であると考えるのが現状では筋が通っていると思いますが。

なるほど、そう考えると元の文が違っている可能性が濃厚になりますね。
これで何かブレイクスルーになるものが見つかるといいですね。

【2404】テーラー訳は研究課題の宝庫
感謝♪  たいがあ WEB  - 2006/8/4(金) 19:00 -

引用なし
パスワード
   こうしてみると1925年のテーラー英訳は研究テーマの宝庫かもしれないですね。

研究分野として

1C.H Brewitt Taylor氏自体の研究。
多忙な職務の傍ら、これほどの大きなことを成し遂げたテーラー氏
個人に対する研究がもっと進んでもいいかもしれません。来年は生誕
200年ですし。

2英訳そのものの研究
日本語訳、原文との対比による翻訳研究。ちなみにテーラー訳の1959年改訂版の
前文(Andrew Miller)には小川環樹訳の序文に関するコメントがありましたね。

------

It is, for example, the iealized Liu Bei in the novel who survives in the Chinese tradition even though, as Professor Tamaki Ogawa has pointed out in the introduction to his Japanese translation of the novel there is little if anything in the historical record to justify the gracious treatment which he has been accorded.

例を挙げるとすれば、三国志演義における劉備の理想化である。この理想化は中国社会には伝統的に根付いてしまっているが、小川環樹教授が氏の日本語訳の序文に述べているように、歴史の記録としてはそうした劉備の聖人君子的扱いを裏付ける根拠にははなはだ乏しいといえる。

------

3月締め切りの三国志学会の論文にこの膨大な研究テーマの取っ掛かりを
示せるといいですね。

  新規投稿 ┃ツリー ┃スレッド ┃一覧 ┃トピック ┃番号順 ┃検索 ┃設定 ┃ルール ┃外部カレンダ ┃フロント  
342 / 662 ツリー ←次へ前へ→
ページ:  ┃  記事番号:   
503,387
(SS)C-BOARD v3.8 is Free