三国志ファン、コア層こわそう

 と、タイトルからしてのっけからオヤジギャクな上に意図せず二重の意味になっているけど、こわいけどべつにこわそうとは思っておらず、深いところで埋もれる前に、ブラックホールのようにどんどん初心者をマニアなところ、とまでは言わないまでもその中腹ぐらいまで引きずり込んで欲しいかなぁと無責任なことを思う今日この頃。と、自分がコア層の部類に入っているってのはもちろん棚上げだ。
 さて「長江の流れは緩やかに見えて」の観劇前夜のプチオフ会を開いた。今回は次の日が観劇ということで二次会(24時前)で終了した。「長沙呉簡研究報告」第1集や第2集を元に中国の学会に関する日本の学会動向などの話や「地鶏の唐揚げ」を「地獄の唐揚げ」と読み間違えたとかあれこれ話していた。
 それらの中から目から鱗だなぁって思ったことを一つだけ。
 げんりゅうさんがとある先生からきいた話に、三国志ジャンルの本を書くにあたり、三国志のことをあまり知らない人でもある程度、知っていることをちりばめて書いておかないと、読者がどんどん離れていくという意識があるらしい。だから「三国志」と書名にあるやつは三国志ファンのコア層にとってどれもこれもわかりきったことを書いているんだなぁと納得した。それに「三国志の世界」はやたら「演義では」と書いてあるのも。(三国志小説なんかもこの意識をもたないといけないとしたらイヤだなぁ)
 その話から発展して、このプチオフ会に来られているようなコア層は自分の知らない三国志の知識を喜んで飛びつくようなファンたちばかりだけど、三国志に興味はあるけど知らない人たちはむしろ自分の知らないことは敬遠し、知っていることで共感しあったりあれこれ語り合ったりしたいってのが優先されるって話をしていた。そんなんだから少数のコア層は日の当たらないどんどん深いところ深いところへ進んでいき、逆に大多数の初心者層はすぐに共感したり語り合ったりすることを消費しきってしまって「卒業」してしまうのだという話だ。だからここ何十年も水面近くではいろんなあぶく(マンガ系なりゲーム系なりいろんな三国志ファンの初心者層)が生まれては弾けていてをくりかえしていて、水底ではヘドロ(コア層)が何年もとどこおっているけど、その間には水(メディア?)だけしか見あたらないような二極化が進んでいるんだなぁ、と納得していた。そういや2005年7月31日の三国志シンポジウム後のプチオフ会でもそういった話の具体的な例を語り合っていたなぁ。
 そういう観点からいけば、某掲示板は意図せず初心者の寄せ付けない雰囲気になってんだなぁと思った(いや、だからといって変わるなら変わってもいいけど、私自身は変えようとは思わないけど)。初心者層からしてみれば、三国志とつくから、あるいは検索サイトから飛んでいって、見てみたら自分の語れる余地がないって仕組みだ。三国志ニュースの私のところは書きたいように書いているからそういう観点からは問題外だ(とこちらも特に変える予定はない)。それで私の長年の疑問は解けたんだけど、どんなジャンルにもファンの中の何%かは困ったちゃんがいるわけで、某掲示板へ三国志ファンの大多数の初心者層があまり寄りつかないんで困ったちゃんが書き込む絶対数もその分、かなり少なくなっているんで、それであまり荒れず管理のしやすい掲示板なんだなぁ、と妙に納得していた。もう三年近くになるけど未だに「知る人ぞ知る掲示板」だもんなぁ。

※追記 2006年3月11日 プチオフ会 新宿編

※追記 単軸モデルから多軸モデルへ(あるいはピラミッドモデルからすり鉢モデルへ)


※追記 三国志ファン、コア層こわそう、再燃

※追記 レポート:関プチ5 全国ツアー:6/22特別講座「新発見!三国志と日本」勝手に予習(2014年6月22日)

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