日本における三国志マンガの翻案過程(2012年6月23日)

・日本サブカルチャー研究会
http://www.japan-subculture.com/top.html

 上記サイトにあるように(※時間が経てば更新される可能性大)、2012年6月1月金曜日から3日日曜日まで国際学術会議 "Manga Worlds" : Subculture, Japan, Japanology「マンガ・ワールズ-サブカルチャー、日本、日本学」が開催された。その二日目までは神戸大学瀧川記念学術交流館が会場で使用言語は英語のみで、三日目は京都国際マンガミュージアムが会場で使用言語に日本語も加わり発表時の同時通訳と質疑応答時の逐次通訳も行われた。

・京都国際マンガミュージアム
http://www.kyotomm.jp/

 その三日目の会場の各座席に予め置かれていたのが、その国際学術会議についてのアンケートと、「日本マンガ学会第12回大会」のフライヤだった。そこには下記の日本マンガ学会サイトの下記ページにあるようなプログラムが書かれてあった。

・日本マンガ学会
http://www.jsscc.net/

・日本マンガ学会第12回大会 -
http://www.jsscc.net/taikai/12

 上記のページによると、2012年6月23日土曜日24日日曜日に明治大学駿河台キャンパス・リバティタワー(東京都千代田区)にて「日本マンガ学会第12回大会」が開催されるという。参加費は、会員であれば2日間で1000円(学生会員500円)、一般であれば1日につき1000円(学生500円)で、懇親会は一律別途3000円だという。

・明治大学
http://www.meiji.ac.jp/

 ここで「三国志ニュース」として目が行くのは23日土曜日13時からの研究発表の「口頭発表(3) 会場3:11階「1115」教室」の1番目の発表だ。
それは

 陳曦子[同志社大学社会学研究科メディア学専攻]
 日本における三国志マンガの翻案過程

というもの。「会場3」は13時から16時までの間に4報告あってそのうち最後は「ラウンドテーブル(90分)」であるため、この報告に30分が割り当てられているのだろう。ここでいう「三国志マンガ」の対象が、下記関連記事であげたような広く通行する横山光輝/著『三国志』だけ等、絞っているのか、あるいはデータベース消費を誘発するような『BB戦士三国伝』関連マンガ等も含めるぐらい幅広く取り入れられているのか気になるところだ。

※関連記事 三国志学会 第四回大会ノート1


CiNii

 試しに発表者の姓名で上記のCiNii(サイニイ、国立情報学研究所提供サービス)にて検索すると、下記のページが出てくる。

・日中における 『三国志』 の受容と再創造の概況
http://ci.nii.ac.jp/naid/40018711817

 つまり、陳 曦子「日中における『三国志』の受容と再創造の概況」(『メディア学』 (25), 1-9, 2010 同志社大学大学院メディア学研究会)という論文があるとのことだ。それが載るのは同志社大学の学術専門誌であるため、一般からは図書館からの貸し出しも含め手に入れづらいのが残念だ。


 以下、ごく私的な話。

※参照リンク
・マンガ関連本を読み進め  (※個人サイトの雑記)
http://cte.main.jp/sunshi/2010/0601.html#18
 ※この日の雑記も含め以降三日分が対象

 上記のリンク先にあるように、以前、京都精華大学と京都国際マンガミュージアムで開催された「日本マンガ学会第10回大会」に一般参加し聴講していた。その時は自宅の近くの会場だったため、大した交通費もかからず会場に赴き興味深い話をあれこれ聴き入っていた。
 ところが、今回は自宅から遠方で、加えて青春18きっぷのない時期であるため、この発表のためだけに行くには、費用対効果が高くつきそうだ。下記関連記事にあるように、2006年3月11日に開催された京都大学人文科学研究所主催の「第二回 TOKYO 漢籍 SEMINAR」のように、発表者の所属機関が近くなのにその研究発表は遠くに行かないと聴講できないという歯痒いパターンと同じだ。しかも今回の興味ある分は複数ではなく一報だけだ。

※関連記事 2006年3月11日「第二回 TOKYO 漢籍 SEMINAR」午前レポ

 もうこの時点で会場に足を向けるのは諦めてしまうのだが、何か他の用事との合わせ技で行けないか依然、考えてしまう。誰か知り合いがそこに居て有意義な話ができるとか、これと関係するのも関係しないのも何か研究の有意義な議論ができる保障があればなぁ。あるいは関西でもそういった機会があるのを待つか。

※追記 ノート:日本における三国志マンガの翻案過程(2012年6月23日)

※6月11日追記。今のところ金曜日夜から少し高い目の夜行バスを試し快適に眠れるか体験し、朝、東京に到着し、スタバで時間を潰し、初日土曜日、昼に一般聴講し、懇親会も出席し晩飯を執り、夜、阿佐ヶ谷の某所に雪崩れ込んで、27時半開始のUEFA EURO 2012 準々決勝、グループC1位×グループD2位を見るという案が濃厚。ただどのチームが勝ち上がってくるかどうかが不安要素だ。ACミランの選手や元ACミランのシェフチェンコやファン・ボメルが所属するチームしか興味がないので、この準々決勝で可能性があるのはグループCでイタリア、グループDでフランス、スウェーデン、ウクライナでチーム数だけみたら興味の持てるマッチの可能性は高いが、勝点の私見を加味するとスペイン×イングランドになりそうで、油断できない。逆にイタリア×スウェーデンとかだったら面白いだろうな。資金と時間に余裕が在れば、土曜日に軽く一泊し、日本マンガ学会第12回大会の二日目も一般聴講し、日曜日27時半開始のグループD1位×グループC2位も見て帰って丸くおさまるんだけどね。※さらに追記。フランスの不調で2位通過で結局、スペイン×フランスになったんだけど、フランスの目当てのACミラン所属のメクセスはイエローカード累積2枚で出場停止というオチ。

 最近、三国マンガについて、特にその視覚的要素について思うことは、まず出土デザインと伝統デザインとに学術上、分類すると論点が明確になるのではないかということだ。前者の出土デザインは、文字通り漢代の画像磚石や俑・明器から取材しデザインされたものと定義し、後者の伝統デザインは、文字通り過去(多くは三国時代より後世)から現在へその時代時代で影響を受けつつ変化し伝えられた、『三国演義』の挿絵や連環画等の近代の視覚的資料から取材しデザインされたものと定義する。一言、デザインと言っても様々だろうから比較しやすいように顕著に出る箇所を項目としてピックアップした方が判りやすいのかもしれない。例えば、冠、鎧、旗、武具、座具等といったところだろう。
 今の三国マンガで出土デザインをメインに採用しているのは、一部の例外を除き、ほとんどないので意味を為さないように思えるけれど、こう定義することにより、現状の三国マンガが如何に当時のデザインと違うかが明確になると期待できる。さらに言えば、近年では、出土デザインとも伝統デザインとも違うデザインの三国マンガもあり、それを別種デザインと仮に定義付けする。別種デザインは何か決まった方向性がある訳ではなく、単に出土デザインにも伝統デザインにも当てはまらない、あるいは当てはめにくいデザインだ。例えば、今、思い付くのであれば中世ヨーロッパの鎧由来のデザインなどがある。しかしこう定義付けてもそれぞれがマンガといったメディアの中でどういった効果があるのか、そこまでは未だ自分の中で論を進められないところだろうね。

※関連記事
 メモ:鎧 and リンク:東アジアにおける武器・武具の比較研究
 私的メモ2:三国漫画分析
 ノート:連環画は中国特有の『マンガ』なのか?その絵本としての可能性を探って(2012年2月15日)
http://cte.main.jp/newsch/article.php/2420