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気になるアイツ(公孫伯珪)
020621
<<気になるアイツ(ぜい宣嗣)

   今回は文台さんと直接、会ってなさそうなので、小説に出しにくいけど、妄想は書きたいぞ、というお方。
   小説の話がないので軽めのお話。

   それは公孫さん(字、伯珪)。

   彼は、袁紹(字、本初)と覇を争ったことで三国志ものでかなり有名人。だけど、今回はそんなことじゃなくて、彼の見た目。以下、後漢書の記述。

為人美姿貌、大音聲、言事辯慧。1)

つまり、適当に訳すと、姿が美しく、声が大きく、言うことが弁がたち賢いってこと。
   まぁ、あんなところに美形さんが♪   とか思って、近づくと、小賢しいことを大音量で話していたら、かなり驚くことでしょう(笑)。これからの美形はこれくらいインパクトがないと(違)。
   (誰でも彼でもベッカムヘアー(時事ネタ)にすれば良いってもんじゃないですよ。そんなことで格好良くはなりません)
   三国志でも似たような記述、

有姿儀、大音聲、2)

と、なってる。漢文のよく分からない私にやはり「美」という漢字のインパクトに勝るものはない。

   それから後漢書を眺め続けていくと、

さん常與善射之士數十人、皆乘白馬、以為左右翼、自號「白馬義從」。1)

こちらも、つたない知識で簡単に訳すと、公孫さんは、全員、白馬に乗っている弓3)のうまい数十人を、常に左右に、はべらしていて、自ら「白馬義従」と名乗っていたそうな。
   おネエさん、聞きましたか、白馬ですよ、白馬!   美形が白馬でやってくる、まさに「白馬の王子様」ですよ!   しかも集団でやってくるので、白馬の王子様軍団ですよ!!(注、公孫さん以外、美形という保証は当然、ありません……というか美形じゃないでしょうね・笑)


   と、アホな話(?)は、さらにおまけがつく。
   三国志蜀書の劉備(字、玄徳)の伝によると、

さん年長、先主以兄事之。4)

とのこと。先主とは劉備のことで、劉備は、年上の公孫さんを兄としたとのこと。また、劉備の容姿は

身長七尺五寸、垂手下膝、顧自見其耳。4)

となる。身長はいいとして、手が膝まで垂れていて、自分で自分の耳を見れるなんて、すごい変わったお姿。
   公孫さんと劉備の義兄弟は、「美形&異形ブラザース」。

   兄弟仲良く、向こうから歩いてくる姿を想像すると、とても面白い絵♪


1)   後漢書卷七十三劉虞公孫さん陶謙列傳第六十三より。しかし、後漢書って後の三国に遠慮せずに曹操伝とか劉備伝とか孫堅伝をつくってほしかったなあ…   <<戻る

2)   三國志卷八魏書八 二公孫陶四張傳より。私的には、記述が重複しても二つの史書に同じ人の伝があると微妙な差違があったり何かと参考になる。   <<戻る

3)   そのまま、読むと弓以外にも弩(いしゆみ、つまりクロスボウ)って可能性もあるけど、弩は弦を引くときにかなり力がいるし、矢をセットしている状態は弓みたいに手で固定しているわけじゃないから、振動に弱いので、ここは弓と考えるのが妥当。   <<戻る

4)   三國志卷三十二蜀書二 先主傳より。世間的には劉備、関羽、張飛をもって三兄弟としている。関羽と張飛は「羽年長數歳。飛兄事之。」(三國志卷三十六蜀書六 關張馬黄趙傳より)とあることから義兄弟というのはわかるけど、「先主與二人寢則同床、恩若兄弟」(同様。ここで先主は劉備のことで二人は関羽&張飛のこと)の記述は劉備が兄弟のように親しく関羽&張飛を扱ったというニュアンスだと思うので、私的には別にこの3人が義兄弟という印象は受けない。なので、義兄弟は公孫さん&劉備、関羽&張飛と二組かと。   <<戻る

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