マンガと時代考証(時代劇メディアが語る歴史 2017年11月)

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 ガンダムビルドダイバーズに貂蝉キュベレイ(2018年4月3日)

 前の記事にあるように〆切を2つ乗り越え一段落、ついたものの、その際に借りていた書籍を2018年4月3日火曜日夕方に返しに行った。その返した分はまた借りるつもりだけどルール上すでに延長したものは続けて借りられないので、何か今の研究に有用なものがないか他をゆるく探していた。
 そうして見かけたのが表題の大石学・時代考証学会/編『時代劇メディアが語る歴史 表象とリアリズム』(岩田書院2017年11月発行)だ。主に2013年11月23日土曜日に東京工芸大学にて開催された「時代考証学会第5回シンポジウム」を収録したものだ。その中にpp.39-58小泉隆義「マンガと時代考証 -学習マンガを中心として-」とあって、著者は学習マンガ編集者であり、2012年11月発行の『学研まんが NEW日本の歴史』を担当した経験を話されていた。その後のパネルディスカッションの模様も同書籍に収録されている。

・岩田書院official
http://www.iwata-shoin.co.jp/

・時代劇メディアが語る歴史
http://www.iwata-shoin.co.jp/bookdata/ISBN978-4-86602-010-5.htm

 学年誌には学習マンガが含まれているとか歴史的なことから、韓国の学習マンガ事情(輸出もする)など興味深い話が載っていて、三国ネタは
下記に引用するように、発表の中心となる『学研まんが NEW日本の歴史』に卑弥呼が挙げられていること。

p.53
━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 そしてマンガのキャラクターについて言えば、顔写真が残っている人物については、実際にそういう顔だったのですから、それをあえてまったく変えるわけにはいきません。しかし、多少の考慮はしますが、マンガ的なデフォルメはあり得るのです。
 54ページの図は、私が制作した『学研まんが NEW日本の歴史』のキャラクター造形です(図①卑弥呼・②聖徳太子・③源頼朝・④足利尊氏・⑤坂本龍馬・⑥平塚らいてう)。何となく、そう言われればわかる、という人物の中にはあるかもしれませんが、こういう感じにしました。読者の方からは好評をいただいています。
 以上のことから、学習マンガと時代考証との関係を考えますと、キャラクター造形の考証に重きを置くのではなく、マンガとしての面白さと、事実との整合性を図るために時代考証が必要になるのだと思います。読者にとって、キャラクターのリアルさより、ストーリーや歴史背景のリアルさがより重要なのです。
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※54ページの図によると卑弥呼の巻の表紙は姫川明氏によるものと。

 それで以下日記で、その日はねおちして、4月4日水曜日2時に目覚めた。三国志ニュースの記事「四川フェス2018(新宿中央公園2018年4月7日8日)」を書く。5時半に仮眠。15分ぐらいで目が覚める。三国志ニュースの記事「『三国志』の世界―中国の歴史をたどる(NHK文化センター松山教室2018年4月10日-9月11日)」を書く。三国とは無関係なカルチョ関連のために夕方出発。いつもと違う列車を見掛け、そういやダイヤ改正後の時刻を調べてないことに気づき少し焦る。17時38分京都駅発米原行。

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http://cte.main.jp/newsch/article.php/4551