宮城谷昌光『三国志』最終回(2013年6月10日)

気付けば、カレンダ・コンテンツの方の宮城谷昌光/著『三国志』(小説)情報が4ヶ月間スルーされていて、そのため、重要なニュースを見逃していたが、めげずに紹介する。

21世紀に入ったというのに、自らの創作物を他国の歴史書と同名にした上で『後漢書』の記述からも取材し、著者が抱く歴史への態度が透けて見えることでお馴染みの宮城谷昌光/著『三国志』(小説)は『文藝春秋』2001年5月号(2001年4月10日発売)から連載が開始され(※但し連載回数より算出)、下記関連記事にあるように単行本11巻、文庫本8巻まで発売されている。

※関連記事
 宮城谷昌光/著『三国志』第十一巻(2012年9月15日)
 宮城谷昌光/著『三国志』文庫第八巻(2012年10月10日)

※追記 宮城谷昌光/著『三国志』第十二巻(2013年9月14日)

・文藝春秋
http://www.bunshun.co.jp/

・文藝春秋2013年7月号 | バックナンバー - 文藝春秋WEB
http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/797

上記の『文藝春秋』2013年7月号(2013年6月10日発売)のページによると、同号にて145回で最終回を迎えたという。

またそれと関連して、同号に著者へのインタビューがあるという。
その目次部分を下記へ引用する。

━引用開始━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
完結記念ロングインタビュー
「三国志」歴史に何を学ぶのか   宮城谷昌光
●曹操と信長の共通点とは ●理想家の関羽と現実主義の孔明 ●興る国と滅ぶ国──
━引用終了━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
※個人的には姓名表記と名表記、姓名表記と字(あざな)表記を並べて書くのは気持ち悪い。どれかに統一すれば良いのにね。

それで余談だけど、今のところ、同作品を研究材として個人的には興味がないが、経験上、こういったインタビューは後々までも貴重な資料となるだろうね。
今、思い付いたんだけど、誤訳文物等に対する誤説明が件の小説に伝達されているかどうか、ってのは日本の三国受容を考える上で興味深い研究テーマだろうね。一つもその手の伝達がなければないでそれはそれで興味深いだろうし。他の作品の事例で今、思い付くのであれば、下記関連記事で少し触れた、朝香祥/著『旋風(かぜ)は江を駆ける』シリーズにおける「愈河」表記とかだろうか。より広範囲な例だと黄巾賊を五行と繋げるかどうかとか。

※関連記事
 「愈河」で検索すると。
 メモ:「黄巾の亂と傳統の問題」

※追記 天翔る旋風(2013年9月30日)

※新規関連記事 リンク:現代日本の「三国志」受容における二つのリアリティー(藝文研究第116号 2019年6月)
http://cte.main.jp/newsch/article.php/2830