早稲田大学の入試で『三国志』

※前記事 同志社大学と慶應義塾大学の入試で『三国志』

※関連記事 早稲田大学入試で短歌行

上記関連記事にあるように昨年の早稲田大学の入学試験で『芸文類聚』巻四十二 楽部二 楽府に載る曹操「短歌行」が問題文として扱われていた。

・早稲田大学
http://www.waseda.jp/

前記事に続き今回も下記の読売新聞のサイト「大学入試速報2011」でチェックしてみる。

・大学入試速報2011 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://nyushi.yomiuri.co.jp/



そうすると2011年 早稲田大学 法学部(2月15日実施)の入学試験の世界史 I 設問1の誤りを選ぶ四択問題の一文に「曹操が皇帝に即位すると」というのが見える。また、同じく設問4の前四史について正しいのを選ぶ四択問題の一文に、「陳寿『三国志』」「邪馬台国」「女王卑弥呼」という単語が見える。


また2011年 早稲田大学 文学部(2月17日実施)の入学試験の日本史 〔I〕の文の一部で、弥生時代についてのもので、「『魏志』倭人伝」(やはり日本史だと『三国志』表記はなし)や「女王卑弥呼」が見える。それに続く〔問〕4に、先の文中の「『魏志』倭人伝」について正しいのを選ぶ五択問題がある。それらの文に「卑弥呼」や「魏の皇帝」というのが見える。〔問〕6は、先の文中の「女王卑弥呼」が魏の皇帝より下賜された品物について誤りを選ぶ五択問題となる。


また2011年 早稲田大学 人間科学部(2月18日実施)の入学試験の日本史 I 問5の誤りを選ぶ五択問題の選択肢に「『魏志』倭人伝」として『三国志』あり。


また2011年 早稲田大学 社会科学部(2月22日実施)の入学試験の世界史 I 問3の5文から誤りをすべて選ぶ問題の選択肢の一つに「魏の曹操は荒地を国有地とし,それを流民や一般農民を募って耕作させる民屯を始めた。」という文がある。

※次記事 立命館大学の入試で三国志関連2012

※追記 早稲田大学の入試で三国志関連2012



これで今年度の入試に見られる三国要素を取り上げるシリーズは最後となる。その期間中、2011年 立教大学(2月11日実施)、2011年 早稲田大学 文化構想学部(2月12日実施)、2011年 同志社大学 文学部・経済学部(2月8日実施)、2011年 京都大学(2月25日、26日実施)の入学試験でWWWにあるいわゆるQA掲示板を通じた不正行為(試験中に携帯電話を通じその掲示板で問題を尋ね答えを求める)が行われたことが大々的に報じられた。幸か不幸か今まで取り上げてきた分とは大学は一部重なるが、日程は重なっていない。
その不正行為については「カンニング以上でもカンニング以下でもない」という前提で、いろいろ論じたいところはあるが、長くなりそうで、その労力に見合う効果がなさそうなので、止めておく。
ただ下記関連記事にあるように、五年前ぐらいからそういった徴候を見掛け、論じてきたわけ(一部、学術発表や論文の題材として使ったことも)だけど、まさかこんな社会の価値観を一変させるような大事に至るとは思わなかった、というのが正直な感想だ。これまで少し論じたように、以下、勝手な想像になってしまうが、当人にとっては、重大時に発展するという結果への想像が欠落した、軽い行動の結果なんだろう。

※関連記事
 「捜神記」で検索される訳
 三国志学会 第四回大会ノート1
 三國志研究第五号(2010年9月11日)

※追記 『100万人の三國志』内三国志クイズイベントに於いてのネット検索行為の実態調査

※参考リンク
・軍師の名前をご存知ですか?  (※「三国志ファンのためのサポート掲示板」内ツリー)
http://cte.main.jp/c-board.cgi?cmd=ntr;tree=3003
http://cte.main.jp/newsch/article.php/1986