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小生の疑問に詳細にお答えいただきまして、感激です!
皆様に感謝です!
いま、
高島俊男著『三国志きらめく群像』(ちくま文庫)
という本を読んでるんですけど、その本の関沢のところを読むと、
豪族(名門)という言葉は、
「冠族」「甲族」「良家」「世家」「右姓」など、
その時々によって呼び方が変わるんだそうです。
ここでは、身分の低い人たちが出世した話をまとめてるんですが、
たとえば、魏志第二十三の注の『魏略』の列伝に、
馮翊(ふうよく)という地方の東部には「冠族」がいなかったが、
厳幹と李義という人物が、この地方の桓、田、吉、郭などの「甲族」に高く評価され、
両者とも出世して馮翊東部の「冠族」になった、とか。
ちなみに、庶民のことは「単家」と言い、
たとえば、張既の出自は「世単家」すなわち代々庶民で、
かれは、金持ちだけど家柄が悪いので、才覚をもって孝廉に推挙された人。
関沢なんかは、はっきり「農夫」と史書に書いてあって、
本を写す仕事をしながら学問を身につけて推挙された人で、
文官や学者で庶民出身は、やはり珍しいみたいです。
ついでですが、陳舜臣著『中国の歴史3』(講談社文庫)によると、
西晋の劉毅が九品官人法の廃止を提案した時、
「上品に寒門なく、下品に勢族なし」
という文言があったとか。
「寒門」は悪い家柄で、「勢族」が良い家柄です。
また、左思という人の詩に「世冑」という語があり、
これも名門という意味だそうで、探すしてみるとたくさんあるんですね。
全部、受け売りですけど……。
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