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お返事が大幅に遅れてしまってすいません。
▼gogglesさん:
>中国史だけでなく三国志にも詳しいとはいえない者ですが,最近,三国志からやや離れてモンゴル中心に遊牧民関連の本を読んでいたので反応してみます.
>といっても新書や文庫などのお手軽な入門書レベルを4-5冊程度ですが.
そうですね〜、手にとった本を五冊挙げるとしますと、
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杉山正明氏の『モンゴル帝国の興亡』上・下
『万里の長城 攻防三千年史』
『新書東洋史2 世界帝国の形成』
『新書東洋史3 征服王朝の時代』
『グレートジンバブウェ東南アフリカの歴史世界』
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といったジャンルになるでしょうか、私の場合。すべて講談社現代新書です。
杉山本と万里の長城は、遊牧民に関心がある人は必見だと思いますし、
新書東洋史の二冊も中国史のなかの遊牧民の基礎知識を求めるということでしたら、少々読むのに時間はかかりますけど、身につきますからお薦めです。
最後の本はおまけですが、東南アフリカのジンバブエ付近にも草原の遊牧民チャンガミレという覇者がいて、ポルトガル人を追放して国土を統一したというエピソードを知ることができます。
>確かに三国以降,いわゆる五胡十六国に続くわけですから,
>三国の頃にも北方民族を含む非漢族が周辺で覇権を争ったりしていたはずですよね.
>(争ってなければ,晋が弱体化したらあっさりと乗り込んで 天下統一できちゃう.)
>なので,このあたりの時代で面白いエピソードがあれば,私も知りたいです.
三国時代は鮮卑が草原を統一した時代ですね。
匈奴や烏丸といった人たちが魏の内地で牧畜をしていたことも見逃せません。
西晋時代には高句麗や匈奴なども中原に住まいするようになっています。
(高句麗の数は少ないけど)
>私が読んだのは杉山正明さんの著作ですが,主張がやや偏っている感じなので,他に参考書籍や資料があれば教えていただきたいです.
中国史のなかの遊牧民は、4000年間ずっと農耕民とされる中国王朝に影響を与え続けています。
だからエピソードも数えきれないくらいありますが、大別すると、
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匈奴以前 スキタイ以前
漢の平和 ローマの平和(古典古代)
五胡の民族大移動 ゲルマン民族大移動
北朝の樹立 フランク王国の樹立(中世)
宋、元、明、清 ヨーロッパの近世に相当
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と分類できると思います。
三国時代は中国史のなかで過渡期的な時代なんですよね。
漢とローマの平和が音をたてて崩れると、漢やローマという「苗木」から新しい樹木が生まれるということでして、
それが新しい中国です。
>話がずれますが「東西文化の交流」松田壽男 著では,呉の孫権と南方の民族とのかかわりに触れられていて,ちょっと「おぉ!」と思いました.
ローマ人もはるばる呉にやってきていますしね。
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