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E=mc^2さんが質問に書かれた軍隊像からは、
近代的な西洋式軍隊のイメージをつよく感じたのですがどうでしょうか?
その上で申し上げたいのは、現代における軍事の常識というのは、
三国志ではあまり通用しないということです。
たとえば、三国以降の戦乱の時代では武力がものを言い、
それさえあれば皇帝にもなれたりしますが、
それが全ての権力を保証するかといえばそんなことはありません。
たとえ皇帝となったところで、貴族と呼ばれる連中からは全く相手にされないんですよ。
また、中国には清末に西洋を模倣するまで、
軍事学のエキスパートを養成するという発想がなかったそうです。
まれに兵事を熱心に研究しちゃう人こそ出るものの、
国家をあげて軍事研究を推奨したり、専門教育を施したことがなかったと聞いたことがあります。
というわけで、軍事の専門家でもない士大夫が軍事に参画してしまうのが、
かつての中国という世界なんですよ。
「将軍として出征し、朝廷にあっては宰相」というのが理想の士大夫像の一つです。
あと、軍師とそれに類する官職の変遷については、
石井仁先生の『軍師考』という論文がありますよ。
東北大・日本文化研究所研究報告27集に収録されているのですが、
大学図書館などでなければ置いてないのが難点ですねぇ。
申し訳ありませんが、疲れていますのでここで一旦筆をおかせていただきます。
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