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美術鑑賞メモ「中国国宝展」
040923
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展覧会名:中国国宝展
開催場所:国立国際美術館
開催期間:2005年1月18日(火)〜3月27日(日)
鑑賞日:2005年1月23日(日)



   国立国際美術館は2年ほど前に行ったことがあるんだけど、そのとき美術館は大阪の万博公園の敷地内にあった(>>参照)。
   そのときから現在の中之島へ移転する話はでていた。

   国立国際美術館は英語でいうところの「THE NATIONAL MUSEUM OF ART, OSAKA」なので、同じ大阪府に移転するのはなっとくできるんだけど、閑静な万博公園敷地内から大阪のど真ん中に移転するってのは当時から妙な感じがしていた。

   移転後の開館記念展は「マルセル・デュッシャンと20世紀美術」で、これに興味があったんだけど、まったく行きそびれてしまった。それでその次の展覧会「中国国宝展」にも興味があったので、行くことにする。

   展覧会の案内を見ると、どうやら仏教美術中心のようだ。ちなみに私は仏教美術より中国古代のものに興味がある。とはいってもどっちにしろ、中国の歴史について私は全然、知識がない。それで今回は私なんかより全然、中国の歴史に詳しい人に同行してもらうことにした。

   移転した国立国際美術館は前述したように中之島にあって、近くの駅はいろいろあるんだけど、とりあえず最寄り駅の福島駅からあるくことにした。大きな通りを南に歩き、中之島へ入り、東へ行く。そうしたら新しい建物が見えたので、「あれが国立国際美術館」とか言っていたら、実は違った。近づくとそれは市立科学館。国立国際美術館はそのとなりの小さい芸術的なガラス張りの建物。「え、こんなに小さくなったの?」って思ってたらそれは入り口。なんと新しい国立国際美術館の大半は地下にあるのだった。
   到着したのは開館10分前。印象派絵画関係の展覧会とまでは行かないまでも結構、人が並んでいた。西洋絵画関連と違い、結構、高年齢の方もおられるようだ。
   いざ開館で、地上からガラス張りの建物に入り、エスカレータで地下1階へ。よく地上の光を取り込んだ明るいところ。
   チケットを買い、荷物を置き、会場の地下二階へ。やっぱりエスカレータを使う。
   地下二階の会場の入り口でチケットを見せ、平積みになっている出品目録をとり、いざ作品鑑賞へ。


   この美術展は大きく二つに分かれているみたい。前半は「考古学の新発見」、後半は「仏教美術」。

   はじめは「新石器時代後期〜戦国時代」
   小さく細かいのが壁のガラスケースに展示されている。タイトルだけみると「玉人」「玉龍」「玉鳥」「玉板」。玉、英語でいうところのJadeが続く。小さい玉に細かく彫られている。年代を見ると新石器時代・前3500年頃だ。細工が感動的。
   「瑪瑙製斧」。解説によるとと武器や刑具のたぐいらしい。「瑪瑙製[王黄]」。[王黄]とは輪の円が二分の一以上あるものの形状だそうな。いやぁ。解説でも勉強になる。
   それからふたたび、玉シリーズ。「玉匙」「柱形玉器」「玉j」「玉飾」。匙は砥石でといでいるそうな。やっぱりそういう加工ぐらいしかむりだね。

   で、新石器時代から商時代へ。よく日本で知られた名称は「殷」ってやつだね。
   さっきまで玉独特な美しさはあるものの、単純なものが多かった。だけどさすが時代が変わったのか、材料が主に青銅となり、形状もその用途も、そして名前も複雑なものとなっていく。「方鼎」「鉞」「觚」「玉戈」「鼎」「方ト」「觚」「鉞」「手」「玉威」「玉斧」「ト甲」「ト骨」。
   「方鼎」は四角い鼎。元々、金色だったとのこと。「鉞」「觚」「玉戈」も何か武器の一種なんだけど、それぞれ分類があるみたい。例えば「玉威」は斧の類で鉞(まさかり)より小型のものをさすらしい。あと「方ト」は酒を暖める道具だそうな。「ト甲」「ト骨」。前者は腹甲に文字が書かれてあって、両者ともその名のとおり甲骨文字が書かれている。

   お次は西周時代。前8世紀
   その中で気になったのが「こつか(こつか)」「四十二年こつ鼎」「こつ盤」などのこつシリーズ。こつっていうのは西周の宣王に仕えた人とのこと(本当は漢字がさらに違う)。全然、清岡は聴いたこともない人だったんだけど、こうやって人名が残っていて、出土品の名前になるだなんてなんだか感慨深い。説明文でもちゃんと歴史が語られているし。そう思っているとまたも人名入り。叔五父いと単五父壺。叔五父と単五父が人名とのこと。続いて前9-8世紀に移行する。まずみたのが玉覆面。玉は遺体を腐らせないと考えられていたらしい。それから前11-前8世紀のもの「玉柄鉄剣」。名称どおり、玉の柄なんだけど、「鉄剣」とあって錆び錆び(汗)   と思って説明文を読むと、なんと中国最古の鉄器だそうな。それをきくとこんな錆び錆びなものでもありがたく見えてしまう。錆びるのは鉄の証拠。
   それで時代がかわって、戦国時代のフロア。前4世紀。「羽人」や「鳥形脚豆」など南の方の楚の国の物品が続けて出てくる。あからさまに今までとは違うデザイン。興味深い。中でも気に入ったのが「酒具盒」。漆器だ。タイトルからはイメージがつきにくいけど、見た目、ブタの形をしていて、説明文曰く、「お弁当箱」。「本作はとくに顔がかわいい」という説明文に思わずニヤリ。確かに。それから気に入ったのが前5-前3世紀の「透彫香炉」。タイトル通り青銅の透かし彫り。その下の方にあった兵士のパターンが気に入った。それで清岡は>>三国志ニュースの自画像につかってたぐらいだ。それが右の絵。
   それから時代がうちり秦時代。前3世紀だ。目玉の一つ、始皇帝陵の俑だ。「文官俑」、「雑伎俑」、「船漕ぎ俑」。実物大とあって迫力大。清岡の目をひいたのは「文官俑」の腰にぶらさげているもの。ナイフと砥石。この当時は木簡や竹簡だから訂正するのに削っていたんだね。それから「石製鎧」や「石製甲」。石灰石の小札でできている。もちろん非実用ってことで。他にも今回の目玉の一つのお目見え。「金縷玉衣」。名前の通り玉の衣。それで全身が覆われている。それを間近で見れ圧倒されていたんだけど、ここで小さな発見。顔の部分が結構、お茶目だった(笑)   あと、目を引いたのは前漢時代、前2-前1世紀のもの。「狩猟場面貯貝器」。普通の器なんだけど、上部に狩猟場面の像があるのだ。躍動感があって長いこと見ていた。

   次は後半の「仏教美術」なんだけど、前半の「考古学の新発見」ほど興味が持てず普通に見ていて記憶に残っていな(同行者は嬉々として見ていたが)い。というわけで割愛し、今回はここまで。





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