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美術鑑賞メモ「よみがえる中国歴代王朝展」
051009
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展覧会名:よみがえる中国歴代王朝展
開催場所:京都駅ビル美術館「えき」
開催期間:2005年10月6日(木)〜11月6日(日)
鑑賞日:2005年10月9日(日)



   元々、京都市美術館でやっているルーヴル美術館展に行こうと思っていた。人気なのはわかっていたが、夕方ぐらいだったらすいているだろうと、甘い考えで16時前に京都市美術館に到着。そしたら、美術館の外周半周ほどの行列ができていて展覧会は17時には終わるんで、あきらめそのまま市バスに乗り込み京都駅へ。
   京都駅ビルの美術館「えき」では「よみがえる中国歴代王朝展」がやっていた。こちらは20時までとのことなのでまだまだ余裕がある。
   道は混んでいたが、17時過ぎに到着。大階段を上り、そこから駅ビルの中へ。駅ビルの7階の一角をまるまる美術館のスペースにしている。昔はよく行っていた美術館なので、道に迷うことがない。とても懐かしい感じがする。
   入って、左、ちょうど入口の向かい側に目立つのは兵馬俑のレプリカ二体。よくみたら値札があって35万円と40万円とのこと。それからチケットを購入し、いざ、会場へ。
   中は薄暗く雰囲気が出ている。人も多くなく特に混んでいる様子はない。アクセスも京都駅からすぐだしもしかして穴場かも。

   最初は「第1章   初期王朝期の諸文化−中国文明の創成」と銘打たれたスペース。手前に殷や西周という垂れ幕がはってあって、少し奥に戦国ってのがあるんで、この展覧会は時代順に並んでいることがわかる。西周のところには玉や甲骨文字。それから戦国のところには青銅器中心に置かれている。同行者が私より歴史に詳しいので、解説文にあれこれツッコミを入れている。なるほどなるほど。わからないなりにも楚の国がかなり悪者に書かれていたのは笑った。ここでは「戦国」の終わりにある青銅製金銀像嵌屏風台座「鹿をくわえる虎」の優雅さや、あと編鐘の壮大さに心引かれた。編鐘とは青銅製の鐘が音階ごとに並んでいるやつで、青銅製の鐘が単独で展示されているのは見たことあるが、それがずらりと並んでいるところは初めて見た。それにあわせて展示場内では編鐘が奏でる音楽(テープ)が流れている。雰囲気ばっちりだ。
   その次が「第2章   巨大帝国の誕生」。秦、漢(前漢、後漢)の時代の出土品が紹介されている。三国志ファンの私にとってはここからが本番といったところ。そういった結構、不純な動機だと、章の紹介の三国時代のところで「諸葛孔明」が活躍した時代とあるのはなんだかほほえましく感じてしまう。
   秦の時代の展示物について、進行方向左手にある実物大の三種類の武士俑、文官俑、が目立ち、漢の時代については右側にある金縷玉衣、銀縷玉衣が目立つ。個人的に興味のあるのは、後漢時代の青銅製の弩機(弩(クロスボウ)の張った弦を解き放つ機構のところ)やら青銅製の馬面(馬の鼻面にあてるもの)、青銅製の車輪の軸部分などがあった。それから興味深かったのは後漢時代の青銅製の俑。高さ30cmぐらいのフィギア(と呼んでいいのか)。ちゃんとパラソルのついている馬車(車俑)や馬俑、それから「戟を持つ青銅製騎士俑」&「矛を持つ青銅製騎士俑」があった。あれこれデフォルメされているものの、戟の長さと人と馬の比率がわかるし(戟の末端を右手で持ち、上に立てていた)、ちゃんと鞍が表現されているし、さくもかぶっている。それから鍬のある畫像磚も展示されていた。これらは三国志ファンとしては要チェックだとおもった。
   それで私より中国の歴史に詳しい同行者によると全体的に解説文がところどころ変だという話。三国志関連の歴史以外だと私は指摘する術をもたないんだけど、後漢時代の説明が変だ、というのはバッチリわかってしまった。「戦乱の世<後漢時代>」とタイトルが付けられている箇所。巡回展といえども文責が書かれていないし多分、よそでは使わないんだろう(希望的想像)。とりあえずこのページに残しておこう

(略)
都は長安から洛陽へ移し、儒教により学問を熱心に広めました。学問奨励が熱心すぎて人々の自由が奪われる結果となり、多くの人が仏教や道教に救いを求めました。その何千という信者が軍隊を組織して後漢王朝を攻撃しました。洛陽は荒れ果て、高祖の即位以来、421年にもおよび漢王朝は滅びました。

   きっと後漢時代はお受験が盛んだったに違いない(笑)

   さてその次が「第3章   激動する東アジア−三国から宋」。三彩馬俑をはじめ大きな俑が印象的だった。

   あと展覧会場のすぐ外に展覧会にありがちなグッズの売場があって、やっぱり三国志トランプ(「三国演義   高級撲克」)が売ってある。あと劉備、関羽、張飛、諸葛亮の三国志泥人形。ここらへんがおいているのも珍しい。それとさらに珍しかったのが「三国志華容道パズル」。遊び方はちゃんと読んでないので、よくわからなかったけど、三国志の人物のイラストとその人物名(簡体字)が書かれている小さなプレートがいくつかあった。何の人物名もないただの兵士のイラストのプレートも有り。それで三国志の人物だけど「華容道」なのに曹操、関羽は良いとして、馬超と黄忠もいるし(笑)

   というわけで盛りだくさんで楽しめた展覧会だった。





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