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「単身帰還」イントロ |
031115
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この小説は?
この作品は三国志小説同人誌「単身帰還」のために書き下ろす予定のイントロ部分です。とは言っても、まだ書き始めたばかりですけどね(2003年11月15日現在)。次にサークル参加する機会があれば、それまでに間に合わせたらいいなぁ、なんて思っています 「単身帰還」は「文台、西へ」で描かれてなかった、文台の帰宅(?)を中心に書かれる予定です。孫堅(字、文台)主役はもちろんのこと、今回は、孫策、劉備(字、玄徳)を主役に、トリプル・プロットでいきたいなぁ、なんて思ってます……いや、構想だけなら誰にでもできるんですが、前向きにがんばりたいと思います。あ、ここから下の文は2003年11月16日日曜日にある無双中心三国志系オンリーイベント「千紫万紅」のペーパー031114-1)に載せてます。 (2004年9月24日追記)結局、劉備主役はなくなりました→ >>参照(別窓)。孫権、孫策、孫文台のトリプルプロットで行こうかな、なんて考えてます。だけど、孫策と孫権って二人ともお子さまだから同じところにいるので、話的にトリプルプロットって難しいです。どしよ。 ページの一番下に時代背景に関する参考リンク、張っておきました。 孫氏三代「単身帰還」185〜 少年が部屋をのぞいている。 入り口に顔の右側をひょこっと出して。 少年は十一歳。彼の目の先にはふたりの人影があった。 向かって左に、少年の母親。右に見知らぬ男。 ふたりは男の子がいるなんて気づかずに、話し合っている。 それが返って少年の神経を逆なでしていた。 「お兄ちゃん、何、のぞいているの?」 うしろから声をかけられ、びくっとする少年。おそるおそる少年は背後を振り向くと、そこには少年の妹がいた。 「なんだ、芳。びっくりしたじゃないか」 少年は声の大きさを押さえていた。どうしても部屋の中の二人には気づかれたくなかったから。 「芳、ちょっとこっち…」 と少年は言って、芳という名の彼の妹の肩を両手でおして、少し離れたところへいざなった。 「いいか? 今、忙しいから一回しか説明しないぞ」 少年は妹の目を見た。妹の芳はこくりとうなづく。少年は大きく息を吸う。 「今、県令の朱君理ってやつが来ているんだ。それでさっきからずっと母ちゃんと話しているんだ。君理ってやつ、おかしいと思わないか?」 少年は声を荒く出していた。芳はおびえたような目を少年に向ける。 「県令さんってお父さんのお友だちの人?」 芳はおそるおそる言葉をだした。 「そうだ。父ちゃんが居たとき、うちに来たことないのに近頃、急に顔、みるようになってるんだ……」 少年は声に熱を込めていた。芳は首を傾げる。少年は続ける。 「…ぜったい、あの君理ってやつ、母ちゃんのこと、好きなんだ。だから、父ちゃんの居ないときに来ているんだ」 少年は歯がゆさから顔をゆがましていた。一方、芳は澄まし顔だ。 「ふーん、県令さんって、そんな人に見えないんだけどなぁ」 芳は他人事を口にしているようだった。それがかえって少年の心に火をつけるようだった。 「芳はまだ八歳だからわからないだろうね……きっと母ちゃんもやつにだまされている。やつが来たとき、心配だから、部屋に居座っていようと思ったら、母ちゃん、なんて言ったと思う? 『ここから大人の話だから、策ちゃんは外に出ていて』だって。父ちゃんが居ないとき、家を守るのは俺だって言うのに…」
はい、こういうような話(どんなの?)をコピー本にして何冊かに分けて、一冊百円で売りたいかなぁなんて計画してます。さていつから売り出せることやら……あ、ネタバレですけど、ちなみに朱君理と策&芳の母ちゃんがはなしている内容は「この街に黄巾賊の残党が迫っている」という命に関わることです。だから、真剣なんですが、策は勘違いしているようで…この一家の運命はどうなることやら。
・時代背景解説 小説のネタバレ 中平二年(西暦一八五年)八月〜 企画「孫氏からみた三国志」(>>該当ページ)から小説「単身帰還」の時代背景に対応する回をピックアップ。それぞれ別ウィンドウで開く。 31. >>皇甫嵩、失脚 32. >>東方の黄巾 |
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