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自戒! ブロマイド小説
020627
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   以下の文は、自分を戒めた文で、決して他の人に向けた文ではないので、注意されたし


   さて、表題の「ブロマイド小説」。私の造語で、ブロマイド写真からきている。

   最近は別の形になっているだろうけど(トレーディング・カード?)、「ブロマイド写真」という言葉がある。多分、語源は昔、ブロマイド印画紙1)を用いていたことからなんだろうけど、要するに、ブロマイド写真は、お金を出して買う、有名人の顔や姿の写真のこと。
   アイドルや歌手のお姿を手元に置いておこうというのはファン心理。もうファンの人にとってその人が写っているというだけで、購買意欲をそそられる。そりゃ、その写真に、ある程度の綺麗さや写りの良さは必要だけど、ブロマイド写真には芸術性なんて問われない。ただそれなりにお目当ての有名人が写っていれば購入者は満足なのだ。逆に言うと、被写体が興味のない人だったら、お金なんて出さないし、無料でも要らないだろう。
   本題に戻ると、つまり、ある読者にとって、お目当ての人物がでているだけで満足な小説で、その物語性や面白さはあまり問われないような小説を私は「ブロマイド小説」と呼んでいる。

   どうも、Web上で小説を発表する私にとって、うっかりそういうブロマイド小説を書いてしまうのではないかと心配している。なぜなら、三国志は魅力的な人物が多く、その人物を出すだけでもそれなりに読者の欲求に応えられる場合が多いので、三国志の人物を出しさえすれば良いみたいなことになりかねないから。
   まぁ、それは極端な例だとしても、三国志小説はそこに登場する人物によって読者の閲読意欲を左右されやすいので、そればかりを意識しすぎて、背景説明や情景描写をおざなりになりやすいのではないかと私は自分の小説に対して危惧している。

   少し立ち返って考えてみる。
   三国志小説は三国志サイトに置いてあるのが一般的で、そういったサイトに訪れる人は、同じ三国志ファンを求めてやってくる人や、三国志のおしゃべりがしたい人など、三国志についてある程度、知っている人がほとんどなんだろう。
   だから、三国志サイトで、三国志の世界を描こうとしている書き手にとって、一から時代設定や人物設定などに即した説明的な描写をしなくても、ある程度、通じるところがある。それが返って、小説を書くにあたり読者の知識に頼ってしまう構造におちいりやすいように思える。だから知らず知らずのうちに読者に三国志の知識のあることが前提の小説を私は書いてしまっているのかもしれない。
   極端な話、そういった三国志の知識を程々にもっている読者にターゲットを絞るなら、人物描写や背景描写なしに、唐突に三国志の人物名を出し、いきなりストーリーを展開させてもいいわけだけど、それでは「歴史的な予備知識なしで読んでもらいたい」といった孫氏三代のコンセプトに反してしまう。それにある特定の人しか楽しめない閉鎖的なサイトになるのは私の好むところではない。
   こういったことを念頭においておくと、少しは私の小説の「ブロマイド小説」化は防げるような気がする。


   と、偉そうなことを書いているけど、ここのサイトの広報に、明記はしないまでも「孫堅(字、文台)の若い頃の小説があります。是非、見に来てくださいvv」という下心が見え見え(汗)
   まぁ、あくまでも自分に対する戒めなので、特定の人物を出すことによるファンの中での閲読意欲の向上することを否定しているわけではないので、矛盾していないといえばしていないのかな……


   と、文を書いていくうちに、別のことに気付いたんだけど、三国志サイトって正史なり演義なりゲームなり作品なり、三国志ジャンルの大元(水源)があって、そういったことに興味ある人が上から下ってくるのを待っている構造(下流)のような気がしてくる。
   その構造の善し悪しは別にして、ネットとはあまり関係のない水源によって、三国志サイトが賑わうかどうかがある程度、決まってくる宿命のようだ。
   例えば、ここ一年ぐらいで「真・三國無双2」や「三國志戦記」といったバラエティーに富んだゲームソフトの発売(新たな水源)の影響などで、三国志ファン(水量)や三国志サイト(支流)は劇的に増えている。だが、逆にいうとブームが去った後、多くの三国志サイトはどうなるかわかったもんじゃない。
   なので、今のうち、ここのサイトは初心者向けコンテンツ(ため池)を準備するのが賢明なようだ。「孫氏から見た三国志」とかタイトルで。そうすれば、別ジャンルからの人も来やすいし(雨の到来)、ゲームから入った三国志初心者に三国志のことをいろいろ詳しく知ってもらえる(川からの水確保)。ただ、ここのサイトの現状(あまり水源とつながってないし、水量自体、少ない・汗)を見る限り、無駄な努力のような気もするけど……

   水が淀んで濁らないように。


1)   「Brom」(臭素)に接尾語の「+ide」(化合物を表す)をつけてBromide(ブロマイド)だから、臭化化合物(臭化銀?)を用いて印画する紙なんだろう(って「ブロマイド印画紙」というキーワードで検索すればすぐなんだろうけど)。要は銀鏡反応みたいなもの?(←いい加減なこと、書いてる・汗)   <<戻る
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