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「矢野顕子リサイタル」チケット購入記
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<<やりたいことが沢山。

   2002年6月9日朝。

   ネットではあまり出さないが、私の趣味は三国志関連だけじゃない。

   三日前、ある情報を耳にする。8月2日になんと私の地元で「矢野顕子リサイタル」が行われるとのこと。
   前々から矢野顕子さんのファンである私は焦りまくる。なぜなら、チケット発売日が気になったから。もしかするともうチケットが売り切れていると思ったから。
   でも、すぐチケット発売開始が6月9日と聞いて胸をなで下ろす。

   以前、同じく矢野顕子さんのコンサート(さとがえるコンサート2000だったと思う)のチケットを発売開始日からずいぶん後に買おうとしたら、立ち見しか残ってなかったという苦い思い出がある
   その反動で、三木市文化会館小ホール(兵庫県三木市)1)で2001年6月3日にあった出前コンサートでは、そのチケット発売開始日(同年3月10日)にほとんど始発電車に乗って、その会場まで買いに行ったという経験あり。ちなみに8時半ごろ到着し、二番手。でも、その出前コンサートって全席自由だから、別に早くチケットを手に入れる必要はなく、要は当日、早く並べば良かったんだけど。オチは、当日、のんびり行ったら、すでに何十人も並んでいたってこと(笑)

   その点、今回は全席指定だから、良い席かどうかはチケットを買うときに決まる。
   そして迎えたチケット発売開始日の朝。会場の「やまと郡山城ホール」2)までは自転車で行ける距離(って住んでいるところ、バレバレの発言・汗)。だから、まだのんびりできるけど、油断は禁物。結局、やまと郡山城ホールの開場9時を考慮し、8時半過ぎ頃に会場へ到着するように自転車で出発。
   ちゃんと良い席のチケットを買えるのかなと、ドキドキしながら、ペダルをこぐ。目的地のやまと郡山城ホール近くで旅行者風のカップルが歩いているのを見かける。「まさか、チケットを買いに行くんだったりして」なんて、妄想を膨らませつつ、横を素通りし、会場へ到着。
   やまと郡山城ホールは、その名前を意識してか、瓦を配したりと、外からの見た目、和風っぽい。このホールは去年の6月に出来たもので、私は、小さな体育館が取り壊され、そこで建築されていく様子を間近で見ている。

   と、まぁ、感慨に浸っている場合じゃなく、自転車に乗りながら、西側正面玄関(郡山城跡と向かい合っている)に行くと、誰も並んでいない様子。なあんだ、取り越し苦労かと思ったら、何やら張り紙がある。
   
「矢野顕子リサイタル」のチケットをお求めのお客さまは東側エントランスへお並びください


とのこと。私は慌てて、北側の駐輪場へ自転車をおき、小走りでその東側エントランス(入り口)へ向かう。

   時刻は8時40分。そこにはすでに五人が並んでいた。いや、正確には座り込んでいた
   入り口に一番近くの壁にもたれこんで座り込んでいる女性は、ヘッドホンを耳に付けているとはいえ、三角座りで膝に顔をあずけ、熟睡モード。一体全体、何時からそこにいるのだろうかという素朴な疑問が誰の頭にもわくようなおもむきで、あたかも建物と一体化しているよう。次の左の同じく建物の壁にもたれている女性は、目が覚めているものの、何をするわけでもない。ただ、深々と被った白の帽子と地面に置かれている日傘が、紫外線対策はばっちり♪、と言わんばかりの印象を受ける。さらに左の女性は黙々と何やら本を読んでいる。その向かい側の日向に座る女性も黙々と本を読んでいる(ちなみに読んでいる本は「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」)。そして最後尾、唯一の男性は居眠りをしている。
   ちょっとその異様な光景にうろたえ、その場をうろうろしながらも、建物の入り口にある張り紙で「ここは『矢野顕子リサイタル』のチケットの発売するところ」ということと「チケットは10時発売開始」ということをを確認し、その列の最後尾になるよう、大人しく座り込む。そして、待っているだけじゃ暇だからサイトの原稿書きをする。
   8時45分。となりの男性の元へ女性がやってきて、座るのを交代する。多分、夫婦で協力しあって(?)チケット・ゲットしようとしていたんだろう。それが、ほほえましい光景かどうかは一考に値する。
   8時47分。カップルが登場。ようやく私が最後尾じゃなくなる……ん?   どこかで見たことのある服装のカップル(というか夫婦?)。よく思い出したら、さっき、私が自転車で抜き去ったカップルじゃないか。うーん、私の妄想もあながち間違ってなかったかあ(笑)……というかカップルでも夫婦でもなかったりして。
   8時50分。女性二人が列に加わる。54分、男性一人。

   そして8時57分、東側の扉が開かれ、係の人に中へと誘導される。
   そこにはイスが壁にそって何十個も並べられてあった。なんと、チケットを購入しようとする人のためにわざわざ用意してくれていたのだった。とても感激する。
   早速、座る。もちろん順番は変わらないので、向かって左から六番目。
   その後、58分に女性一人、9時11分に女性二人、21分に女性一人……次々と増えていく。30分には用意されたイスがすべて埋まり、立って並ぶ人が出てきていた。

   ここで気になることが一つ。
   果たして、最前列に座れるかどうか。
   別に私は最前列の席にこだわっているわけじゃないけど、ここまで来たら、最前列の真ん中のエリアに座ってみたいという野望が湧いてくる。会場発売のチケットは経験上、最前列の席を取れることを知っている3)。最前列の真ん中は何席あるのかなと、そこに置かれていたり「座席図」の冊子を取る。そうすると、通路の間にある席は15席だった。前の五人が一人二つのチケットを買っていっても充分座れる。だけど、チケット三枚ずつだったらどうしようもない。
   9時47分、係の人から前の人へ、紙の束とボールペンが手渡される。どうやら何かを書いてまわしてくれとのこと。53分、私のところへその紙の束が来たので見てみると「やまと郡山城ホール   チケット発送申込書」と銘打たれた小片の紙。なるほど、ここに枚数やら住所やらを書くのか。

   そして10時ちょうどに事務室に案内される。いよいよチケットの発売。
   思っていたとおり、受付の机には座席表が置いてあって、最前列の席が買えるようになっていた。
   当たり前のように次々と最前列の席に「×」がつけられていく。
   私の番が回ってくる頃には、真ん中最前列のエリアはほとんど埋まっていたけど、かろうじてエリアの左端と右端が数席、あいていた。

   右か左、それが問題だ(Right, or left, that is the question.)

   そこで私は出前コンサートのことを思い出す。
   あの時、確か、右にピアノがあって、左に矢野さんが座っていた。だから右だとピアノに遮られて矢野さん姿が見えないはず……だから、左っ!
(注、清岡は今回のリサイタルの演奏形態を把握してません)

   そして、あたかも何かに勝利したように意気揚々と帰路につく。家の玄関を通ったときは、まるで凱旋パレードをしている気分でいた(大げさ!)。


   数時間後、この原稿を書いているのだけど、よくよく考えてみたら、左の席だと、矢野さんの背中ばかりを見て、演奏を聴くことになるのでは?   という疑念にかれることになる。
   その他、もろもろ、当日のお楽しみ(?)と言うこと。

   8月2日が楽しみだ。


1) 文化会館は三木市のサイトを参考のこと。結構、出来たばかりで綺麗なところでした♪ 戻る
2) こちらはもっと出来たばかりで良い感じの建物。やまと郡山城ホールのサイトを参考のこと。ここで外観や内観を見ることができる。 戻る
3) 1998年10月31日秋篠音楽堂であった戸川純一人芝居「マリィ・ヴォロン」ではチケット発売開始日に会場で購入したせいか最前列ど真ん中の席だった。あと大抵のライブハウスでは全席自由席だけど、チケットを買った人順に入場することが多い。まあ、最前列が良いというのはネタ的なものがあって、音のこととかを考えると、最前列より数列、後の方が良いんだろうけど。 戻る

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