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美術鑑賞メモ「2018 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」
2018.09.08
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展覧会名:2003イタリア・ボローニャ国際絵本原画展
開催場所:西宮市大谷記念美術館
開催期間:2018年8月11日~9月24日
鑑賞日:2018年9月8日



※前の三国志関連の記事:>>Cha-ngokushiでホワイトボートに書き出され(2018年9月8日)

>>2018 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展|西宮市大谷記念美術館

   上記の展覧会が開催される西宮市大谷記念美術館の最寄り駅は阪神電車の香里園駅だけど、青春18きっぷ利用なんでJR神戸線のさくら夙川駅から歩く。徒歩15分とのこと。10時開館で9時48分に駅に到着。別に合わせたわけじゃないけど、今朝、UEFAネイションズリーグ イタリア×ポーランドを自宅観戦してきたんで、イタリア代表ユニフォームを着て(ちなみにミスから先制され、交代選手が得たPKでかろうじて追いついた1-1のマッチ)。
   夙川沿いに南下して阪神線に到達。ここからは馴染みの道だけどさすがに覚えてないようで。でも国道43号線の道路の高架下の道を見て思い出した。そうそう住宅街の中にあるんだ、西宮市大谷記念美術館。
   チケットを買って受付の時計を見ると10時5分。ちょうど。後の予定が詰まっていたので駆け足に行こうとするも、やっぱりそこそこじっくり見てしまうね。 あとで再認識したけど、毎年ボローニャで行われるコンクール形式の展覧会で、5枚1組の作品応募となる。その入選作品が展示される。作品の標識には右上にフィクションかノンフィクションかが明記されていて新鮮な感じだった。ノンフィクションの絵本って何?と思ったけど、答えはすぐに出る。イタリア人女性の作品「大都市ローマ」。ローマの光景の絵本は、「ノンフィクション」表記だった。この作品の特徴は、どの絵も右上から左下絵の斜めのラインが構図で目に付く。ちなみにボローニャの開催とあってイタリア人作家が多いように思える。
   あと技法も書かれていて、そういや別に理由ではないけど、「デジタルメディア」の作品が増え始めて見に来なくなったんだ、と。
   「子どもたち」という作品が気になった。というのも1枚目が夜の街の光景、2枚目が列車の光景で、大人ばかりでとこに「子ども?」と思ったら、3枚目以降、群集が描かれない場所で確かに二人居た、それで子ども「たち」なんだな、と。ちなみに子どもの1人は赤黒縦縞シャツ。
   イタリア人男性による「都会の中の野生」、都会の建物に動物をオーバーラップさせるコンセプト。塔が亀だったり、観覧車が孔雀だったり、信号機がキリンだったり。
   以前来たときと違う感じ方はやはりカルチョ関連で、作家の名前に「ダヴィデ」とか「アントネッリ」とか馴染みの名を見かけていた。それプラス、その国々の文化背景みたいなのを感じずにはいられない作品があるってことだろうか。
   そんなことをぼんやり思いながら、東アジア関連はないかな、と思っていたら韓国の作品であったよ、「朝鮮王朝実録」ってやつ。5枚それぞれにエピソードが入っていた。それを日本の作品もいくつかあったけど、文化背景が出ていたのは澤田久奈さんの「ファイブ太郎」、つまりは桃太郎、金太郎、力太郎、浦島太郎、雪太郎。例えば桃太郎の絵の背景には「peach太郎」とかかれてあって、以降、英語と思ったら、さすがに「urashima太郎」だった。
   作品の中には「第4展示場で作品を読めます」みたいな旨のことがかかれてあるんだけど、この「ファイブ太郎」もあったんで、通りかかったときによったら、逆に「別作品が展示されてます」という旨の注意書きとともにあったのは、さわだひさな『たろうたちのアイテム』。見開きページでタイトルどおりアイテムがメインで、左上の一部が今回の展示に使われた、という関係になっていて、なるほど、そうやってスピンオフにしたんだ、と妙に感心していた。
   オリジナル作品だけでなく既存の作品を元にしているのもあって、ロシアの作家の「赤ずきんちゃん」というのがあった。あと中国っぽいのは「ハイチーズ」(というタイトルだったかな?)、動物のスナップショットみたいなの。ちなみに作品は複数人作者もあった。

   最後に「ボローニャブックフェア ドキュメント映像」約25分。結果的にこれを見るのがメインっぽくなったけど、繰り返しそれを流している一角があって、来たときには終わりの方だった。
   冒頭はそのブックフェアの説明。各国のブースがあって例えば中国のブースでは(自国の)児童出版100年の歴史の展示だったそうで。
   それから毎年変わる5人の審査員へのインタビュー。3065人から250人にしぼるのはすんなりいったそうなんだけど、そこからは5人の審査員間で基準などがちがって難航したそうな。その映像にカピパラの絵本を囲んで、だったんで、そういやそんなかわいいのがあったね、と思ってた。審査員いわく「ネガティブな妥協ではない」、名言。
   その次からが入選者のインタビュー。ねずみ二人がチーズをとる絵本の大越順子さん。白黒作品なんだけど、それはあまり読者受けしないと思われていたが出版社が営業努力してくれる、というような内容だっけ。あと「ファイブ太郎」のひさなさんのもあって「日本のヒーローたち」というフレーズが印象的だった。そのエピソードトークで5人目の太郎が思い浮かばなくて新潟の雪太郎を見つけたとか何とか。「都会の中の野生」の作者のもあった。
   中には絵本論に発展させる人も居て、9/4放送のWBSの「白熱!ランキング」が絵本ランキングでその煽り文句が「出版不況の中で売れている本があります。それが絵本。」ってのを思い出していた。

>>【白熱!ランキング】絵本ランキング:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京

   あと「大都市ローマ」の方のインタビューも。理論先行な印象。それにしても出版の話をきかれて9月出版と答える人が多いね。
   作品自体はそれほど覚えてなかったが佐藤文音さんのインタビューが印象に残った。8回目のチャレンジで初入選したそうな。それでほめられた経験があまりないんで、ここではほめられてばかりで、という話が印象に残った。いやそれより先におっしゃっていた絵本のテーマ「不思議な世界は身近にある」ってのが一番印象に残った前提なんだけどね。
   というわけで次の予定もあるんで、11時15分にそこを後にした。


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