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渡邉義浩先生の持ちネタの一つに「北斗七星ステップ」というのがありまして。
演義の『奇問遁甲天書』の出典を真面目に探したら、『正統道蔵』に収められた『秘蔵通玄変化六陰洞微遁甲真経』に、お札貼ってポーズ決めてステップ踏んで歯をカチカチさせながら呪文を唱えて神を呼ぶという手順が詳細に載ってた、どころか「諸葛亮はこれで東南の風を呼んだ」とバッチリ書いてあったそうで。
で、民間に伝わる三国志ではおそらくこの術を使って風を呼んでたはずなんだけども、演義は現在の形にまとまるにあたって相当な史実化が行われており、その過程でこの雨風を乞う技法は削除されて、「地元民から情報収集して風の変わることを知っていた」という常識的な解釈が加えられたんだろう、とそんなことを書いておられます(「三国志の世界」『二松学舎大学人文論叢』第80輯、二松学舎大学人文学会、2008年)。
そんでもってこのステップ、実演するともう胡散臭いなんてもんじゃなくて(笑)
「ああ、これは間違いなく現在の解釈が正しい、ていうかこんな諸葛亮見たくねぇ」と正直諸葛亮嫌いの私ですら確信した程の代物で御座います。
そんなわけで、アリなのかナシなのかでいうと、アリなんじゃないでしょーか。
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